倉庫92


海賊帝国の女神〜23話目「祭り/その2」〜/米田

マィンツに率いられて、100人以上の女たちが御嶽(オン)に入っていく。

 

周囲に配置された松明に火がつけられ、暗い御嶽(オン)がうっすら浮かび上がる。

 

中央の御石の根元に積まれた薪にも火がつけられる。

 

最初パチパチと小枝が燃える音がしたかと思ったら、火は勢いよく立ち上った。

 

 

おお、キャンプファイアーだ。

 

 

御石の周囲に並べられた平らな形の石の上には、村人らが捧げた供物の一部が並べられ、いかにも儀式場という感じだ。

 

火には先ほどウィーギィ爺が説明してくれた高草(タカソ)が焚(く)べられているのだろう。

 

少し珍妙な香りが立ち込めて来る。

 

 

女たちは並べられている供物から、さらに数メートル距離をとって、御石を囲うように座り始める。

 

 

御嶽(オン)の入り口近くに置かれた、大きなカメから、何かが椀に酌まれ、座っている女たちに回されている。

 

女たちは、それをゴクゴク飲む。

 

匂いからして…酒のようだ。

 

 

握り飯も回って来る。

 

私はそれを御石の正面方向に座って頬張る。

 

 

特に何かがあるわけでもなく、みな静かに御石の根元から燃え上がる火を見つめ、酒を飲み、握り飯を頬張っている。

 

誰も喋らない。喋ってはいけない雰囲気だ。

 

なんだか、心臓がドキドキし始めた。

 

すごく緊張する。

 

 

マィンツの合図で奉納の舞が始まるのだけれど、それがいつなのかわからない。

 

すぐのような気もするし、ずっと先のような気もする。

 

そのせいか、気を休めない。

 

 

私はマィンツを探すが、マィンツは見えない。

 

祝子(ヌルン)たちも見えない。

 

傍には、祝子(ヌルン)見込みのシャナが居るだけだ。

 

 

あれ?

 

そういえば、チュチュ姐(ネーネ)もいないな。

 

臨月近いから、御嶽(オン)の祭祀には参加しないのだろうか?

 

 

さらに時間が経つ。

 

 

緊張の糸が途切れて来た。

 

なんだか、頭が惚けた感じだ。

 

周りの女たちも、酒に酔って来たのか、誰も目がトロンとしている。

 

 

その時、シャラリーンと鈴音が響いた。

 

皆、ハッとして、背筋を伸ばす。

 

 

いつの間にか、マィンツが御石の前に立っていた。

 

本当にいつの間にかだ。

 

入って来て立つ所なんか見てない…と思う。

 

 

「さ、クィンツ様」

 

 

と、傍で祝子(ヌルン)のニャクチャに促される。

 

あれ?

 

ニャクチャも、何時からそこにいたんだ?

 

その上、私の手足には、祭祀用の鈴が取り付けられているじゃないか。

 

何時の間に?

 

魔法にでも掛かったような気分だ。

 

 

ハヌがシャナに手持ちの鐘を渡して何やら言っている。

 

私はその様子を横目で見ながら、ニャクチャに連れられ、マィンツの傍に立つ。

 

 

マィンツは、私を置いた祝子(ヌルン)たちが、それぞれ持ち場に立つのを待って、声を上げた。

 

 

「イリキヤアマリ神よ、火食の神よ。我らの声、我らの願いをお聞き頂き、今期も過分のお恵みを、大いに賜られた事を、我ら真に感激し、心の真ん中より感謝申し上げまする。」

 

「今宵我ら、あなた様の溢れるお恵みに、心の真ん中よりの感謝を示すため、恐れ多くも畏みも、あなた様に歌と舞いをお捧げ致し上げまする。」

 

「どうか我らのあなた様への信心を受け入れ、世が移り変わろうとも、世代を経ようとも、いついつまでも変わらぬ豊まれのお恵みを、何卒(なにとぞ)何卒(なにとぞ)我らと我らが子孫らに、厚く厚く、賜り下さいませ。」

 

 

マィンツは御石に向かい深く、深く頭を下げる。

 

私も、見よう見まねで頭を下げる。

 

マィンツがゆっくり頭を上げ、大扇子を持った両手を高々と上げると、私も、同じように私サイズに調整した扇子を高々とあげた。

 

マィンツが歌い始める。

 

私も歌い始める。

 

大人と子供の唄声が、交わりながら周囲に広がると、笛の音がゆっくり流れ出す。

 

 

マィンツが笛の音に合わせて動く。

 

私も動く。

 

手足についた鈴の音がシャラーンと鳴る。

 

カーンと、シャナの手にある鐘が響く。

 

マィンツは歌いながら、舞いながら、御石の周囲をゆっくり巡る。

 

私はそれに合わせつつも、逆方向で御石をゆっくり巡る。

 

 

やばい緊張する。

 

 

御石の裏で交わって、それから御石の前に巡り行く。

 

一周巡ると、鐘がなり、笛のテンポが上がる。

 

舞のスピードも上がる。

 

ここで、最初の舞と振り付けが微妙に変わるのだ。

 

そして御石の周りを巡る。

 

二周目、三周目。

 

私が舞うのはここまでだ。

 

 

舞いながら、私は、元に居た場所に戻る。

 

それからゆっくり振り向いて、御石の方を見つめる。

 

マィンツが舞っている。

 

激しく荒く。

 

 

すかさず近くに居た女の人が椀を差し出す。

 

ゴクリと飲むと、うわぁ、やっぱり酒だ。

 

しかもあまりう美味くない。

 

4歳児に飲ませるもんじゃないだろ?

 

でも、もう一口飲むけれどね。

 

 

ふわりとマィンツの体が宙に浮く。

 

浮く。

 

高く。

 

人の背より遥かに高く。

 

 

うぉぉおお。

 

と歓声が起こる。

 

いつしか女たちは皆立っている。

 

笛の音に合わせて体をくねらしている。

 

踊っている。

 

 

体が熱い。

 

 

異様な熱気が御嶽(オン)に満ちている。

 

熱いのはそのせいなのか?

 

 

マィンツは空中で舞っている。

 

時折、地上に足を付けるが、ほとんど空中にいる。

 

手にした扇子が大きく開き、まるで飛んでいるようだ。

 

 

熱い。

 

 

汗が流れる。

 

笛の音は激しく、鐘はテンポよく、鈴の音は清らかに、終わる事はない。

 

空中のマィンツが何かを投げた。

 

細くて長いモノが、ふわりと空中から舞い落ちて来る。

 

 

腰帯だ。

 

マィンツの帯だ。

 

 

それにあわせて、女たちも帯を解き、投げ捨てる。

 

 

え?

 

 

私は、目をパチクリさせる。

 

 

何?

 

脱ぐの?

 

脱ぐつもりなの?

 

 

再び、ふわりと空中から何かが舞い落ちる。

 

 

マィンツの衣だ。

 

 

ええ?

 

裸?

 

裸なの?

 

叔母さん、裸で舞っているの?

 

 

見上げると、美しい裸体が舞っている。

 

 

うっそぉん。

 

 

周りの女たちも衣を投げ捨てる。

 

 

皆、スッポンポンだ!

 

女スッポンポン祭りだ!

 

 

鐘の音が一層激しくなった。

 

 

裸の女たちが汗だくになって、体を揺らし、踊る。

 

踊り狂う。

 

 

私も一応、場の空気に合わせて踊っては居たが、裸になるのは躊躇していた。

 

と、マィンツが空から降りて来て、私の帯を解き始める。

 

 

「ほら、クィンツ!裸になるのよ」

 

 

微笑みながらキツイ声で命じられたら、歯向かう事も出来ない。

 

なんだか、とほほな気持ちで私は衣を脱いだ。

 

 

とたんに、何かが頭に弾けた。

 

私は、真っ白な空間に浮かんでいた。

 

上も下も、前も、後ろも、右も、左も、真っ白だ。

 

 

「クィンツ!踊るのよ!」

 

 

マィンツの声が響く。

 

どこから?

 

よくわからない。

 

笛の音も鐘の音も鈴の音の聞こえる。

 

私は音に合わせて体を揺らし、踊る。

 

訳もわからず、踊り狂う。

 

 

白い空間はいつしか白い空間ではなく、黒い空間になっていた。

 

黒い?

 

いや、濃い紺色と言うべきか?

 

星が光っている。

 

夜空だ。

 

夜空の中を踊っているのだ。

 

 

さっき白いと思ったものは、夜空半分も占めるお月様だった。

 

月はどんどん小さくなり、夜空がどんどん広がる。

 

 

と、足元から丸い球体が近づく。

 

 

ああ、あれは私らが住んでいる星だ。

 

地球だ。

 

あ、いや、ここは異世界だから、地球じゃないか?

 

 

球体は青く光っている。

 

大気が反射しているのだ。

 

うねうねした雲が、所々浮いている。

 

なんと美しい。

 

 

いつしか球体は世界の半分を占め夜空はその上半分を、月はその一角で輝いていた。

 

 

世界が回る、ぐるぐるぐる。

 

 

なんだかよくわからないが、気分は素晴らしく高揚している。

 

 

気持ちいい!

 

最高だ!

 

 

私は今、宇宙から地上に降り立とうとしているのだ。

 

 

世界は素晴らしいモノで満ちている。

 

感謝の気持ちで一杯だ。

 

ああ、なんて幸せなんだ。

 

 

私は踊り狂う。

 

 

気がつくと、女たちと踊っていた。

 

体が熱い。

 

少しも疲れない。

 

汗をダクダクかきながら踊っている。

 

永遠に踊り続けてもいい気分だ。

 

 

だが、鐘がカーンと大きく響いたかと思えば、全ての音色が消えた。

 

体が止まる。

 

息を激しく吸い吐きしている。

 

誰もが裸のまま、ぼーっと立っている。

 

いや、何故かモジモジしている人が多い。

 

何か物足りないのだ。

 

 

いつの間にか、マィンツが御石の前にいた。

 

裸のまま、足を広げ、手を腰に当て、目はギラギラ光らせ、口元を大きく歪ませ、雄々しく立っていた。

 

仁王立ちだ。

 

 

マィンツってこんなキャラだっけ?

 

 

汗だろうか?

 

体中がキラキラ光っているぞ。

 

なんだか神々しい。

 

 

そんなマィンツが、腰に当てていた左手を前に突き出し、私を招いた。

 

 

「さぁ、クィンツ、引揚(ヒュク)するわよ!」

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おやつは…(^^)/のん

 

朝は野菜ジュースから始まり

おやつはパイナップル(*´∇`*)

 

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ビタミン摂取の会/のん

ビタミン不足かな~と思って…

野菜生活100飲み始めたら

いつのまにか

あらごしになっててびびった。

 

でも、味は安定の美味しさ!!!

ビタミン摂取して

レモンすら甘いわ~って

余裕な顔で食べてみたいもの(^^)

 

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男泣きに感動…/りょう

侍ジャパンが10年ぶりに世界の頂点!!

 

日本代表「侍ジャパン」

決勝で韓国に5―3で逆転勝利!!

 

10年ぶりに世界一

 

稲葉監督の男泣き

やっぱり稲葉さんカッコいい

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壁/まゆこ

壁を乗り越えられるか…

 

高い壁ほど乗り越えて達成した時の感動は大きい、

 

 

あ!女風呂を隔ててる壁の話じゃないですよっ!

 

女風呂ならわざわざ壁を乗り越えなくても…

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大きな…/るい

今朝起きて足を見たら

膝に大きな青痣が…

転んでもぶつけてもないのに出来ててビックリ!

しかもめっちゃ大きい…

小さな痣はよく作るけど

今回は大きすぎて…

いつ出来たのか記憶にも無いし

なにしたんだろぅ?(>_<)w

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海賊帝国の女神〜22話目「祭り/その1」〜/米田

食事の後は自分の家屋にもどって、昨夜の続き。歌の稽古。

 

稽古というか復習みたいなものだが。

 

 

本当は、歌も舞も御嶽(オン)でしか披露してはダメらしい。

 

稽古でもダメだとの事。

 

ただし、歌詞とメロディを別々に諳(そら)んじるなら辛うじてセーフなんだそうだ。

 

 

ややこしい。

 

 

歌詞とメロディを教われば、思わず一緒に諳(そら)んじてしまうじゃないか。

 

 

「クィンツ様、ダメです!」

 

 

と、何度もニュニュやハヌに注意されてしまった。

 

 

しかし、マィンツらのおかげで、歌に関して私は一応合格をもらえた。

 

合格を出したのもマィンツだけれども。

 

実際本当に大丈夫かどうかは、現場でしかわからない。

 

とはいえ、今回はマィンツが祭祀を司っているので、私は補助というか、真似事をするだけだ。

 

なので、私が歌や舞を少々間違えようがどうだろうが、そんなに問題はないはず。

 

 

あと祭りの時に行うと言っていた引揚(ヒュク)に関しては、祭りの状況次第。タイミングで行うと言う。

 

 

なんかテキトーだな。

 

 

「他の祈女(ユータ)や祝女(ヌル)が引揚(ヒュク)を手伝うのは、最初の神垂(カンダー)れ明けのみです。次に神垂(カンダー)れに恵まれても、失われるのは直前の記憶なので、それまでに行っていた引揚(ヒュク)の記憶はあるはずですから、自分自身で引揚(ヒュク)を行うのです。」

 

 

と、マィンツ。

 

これは、二回目の神垂(カンダー)れに恵まれた段階で、周囲より霊的に高まってしまい、引揚(ヒュク)出来る者が居なくなってしまう場合があるため。でも、あるらしい。

 

なお自分で自分を引揚(ヒュク)しろという事だが、そもそも神垂(カンダー)れという神様からのお恵みは、祈女(ユータ)にしろ祝女(ヌル)にしろ、そうそう無いとの事。

 

 

「私も先日で2回目です。」

 

 

とマィンツが教えてくれた。

 

先日というのは、私と稽古中に共に打たれたという、アレだ。

 

自分で自分を引揚(ヒュク)した結果、力は揚がったのか?と言えば、多分という。

 

それまでにあちこちの御嶽(オン)を巡っているので、力の揚がり具合にはそれなりに自覚はあるそうだが、それに加えて引揚(ヒュク)した結果、それが力の揚がり全体のどれぐらいに影響しているかまでは、わからないと言う。

 

 

「今夜が楽しみですです。」

 

 

とマィンツがニマっとする。

 

今夜とはもちろん、祭りの事だ。

 

祝女(ヌル)は祭祀においてこそ、力が顕著化するという。

 

 

と、私たちがそんな打ち合わせ的な事をしている間、村人たちは、それぞれの捧げ物をせっせと御嶽(オン)の御庭に運び込んでいるらしい。

 

ハーティたちも、その監督に出かけている。

 

やがて、私が眠くて眠くてたまらない状態の昼ごろ、やっと寝ても良いとマィンツ様のお許しが出た。

 

 

ああ、神様、仏様、マィンツ様。

 

 

私は眠らせてもらえる喜びに打ち震えながら、自分のゴザの上にコテンと倒れてあっという間に意識を飛ばす。

 

 

 

そして日が傾く頃となった。

 

 

私は自分の寝所で体を洗わせられ、母屋の鏡の前で支度させられる。

 

例によって髪を団子にされ、真っ白な着物を着せられ、あれこれメイクされ、ガチャガチャ装飾品が付けられた。

 

先日と違うのは、上掛とハチマキみたいなものが付けられない所だ。

 

 

マィンツも、マィンツの祝子(ヌルン)たちであるニュニュもハヌも、それから、昨日御嶽(オン)で稽古している時に選ばれたシャナも同じ格好だ。

 

 

この三人は、ハーティの鏡とは初対面だったから、一様に驚いた表情をした。

 

特にシャナは、それまで本当に普通の村娘で、水鏡ぐらいでしか自分の姿を見た事が無かったらしい。

 

目が落ちんばかりの勢いで鏡を見入っていた。

 

 

ちなみに年齢は10歳という事で、可愛い盛りである。

 

おじさん微笑んでしまうよ。

 

おじさんじゃないけれど。

 

 

 

空が真っ赤で、日が沈んだのかどうかという頃、私たちは屋敷群を出た。

 

私たちというのは、ハーティ、ハーティの主子(ウフヌン)であるコルセ、マィンツ、マィンツの祝子(ヌルン)であるニャクチャ、ハヌ、祝子(ヌルン)見込みのシャナ、ウィーギィ爺、チュチュ姐(ネーネ)、ティガ、ティガの背中の私の10人だ。

 

こんなに一斉に屋敷を離れるのは初めてなんだけれど、大丈夫だろうか?

 

戸締りという概念があるのかないのか?出かけるに当たって鍵を掛けた様子はない。

 

というか、鍵そのものが無いようだ。

 

まぁ、みんな平気のようだから、大丈夫なんだろう。多分。

 

 

コルセが布に包んだ何かを背負っている。

 

なんだか大きいモノだけれど、何だろう?祭祀に使うものだろうか?

 

まぁ、祭りになれば、分かるだろうから、さほど気にしなくてもいいか。

 

 

ティガの背中に揺られて空を見上げれば、その美しさに見惚れてしまうほどの夕焼けであった。

 

私は感動し、それだけで気持ちが高まる。

 

 

 

私たちが最初に向かったのは、先日、ハーティが塩を村人らに配った田んぼだった。

 

刈り入れが終わり、人々が集まるにはちょうど良い広場になっている為か、よく利用される。

 

田んぼには、先日以上に大勢の人々が集まっていた。

 

先日は男ばかりだったが、今回は女性や子供らも含まれている。

 

大体2〜300人ぐらいか?

 

 

私たちが近づくと、少しばかり歓声が上がった。

 

なかなか人気モノである。

 

田んぼを囲う畔の一辺に私たちは並ぶ。

 

 

ん?クィンツたちが居ない。どこ行った?

 

 

キョロキョロ探しているうちに、畔の上にある小さな台にハーティが昇った。

 

ざわついていた声が静まる。

 

 

「村の衆!よくぞ集まった」

 

 

ハーティが大声を上げる。

 

 

「今宵は待ちに待った祭りである。」

 

「豊穣の恵をイリキヤアマリ様に捧げ、次なる豊穣を約して頂く貴重な夜である!」

 

 

ハーティはここで一旦息を吸い、村人らの顔を見回す。

 

 

「さぁ!火の神様を取次ませ(ひぬかんさぁをぉとぅつぎゃまーしゃ)!」

 

 

ハーティの掛け声に合わせ、村人らも声を張り上げた。

 

 

「火の神様を取次ませ(ひぬかんさぁをぉとぅつぎゃまーしゃ)!」

 

「火の神様を取次ませ(ひぬかんさぁをぉとぅつぎゃまーしゃ)!」

 

「火の神様を取次ませ(ひぬかんさぁをぉとぅつぎゃまーしゃ)!」

 

 

村人らは繰り返し言葉を繰り返す。

 

まるで何かの呪文のようだ。

 

 

村人らの背後に明かりが灯った。

 

いつのまにかマィンツが松明をかざして立っている。

 

祝子(ヌルン)たちも松明を持ってマィンツの後ろに控えていた。

 

人々の群れが二つに割れる。

 

マィンツら一行が割れた間を静かに進んで来る。

 

村人らが火が付いてない松明を一行に向けると、祝子(ヌルン)たちがそれに点火していった。

 

その間も人々は声を上げている。

 

 

「火の神様を取次ませ(ひぬかんさぁをぉとぅつぎゃまーしゃ)!」

 

 

マィンツは人々の先頭に立つと、ハーティにお辞儀し、そのまま御嶽(オン)への道へと進んでいく。

 

ハーティが後に続く。

 

主子(ウフヌン) らも続く。

 

ティガもウィーギィもチュチュ姐(ネーネ)も続く。

 

村人らは相変わらず、

 

 

「火の神様を取次ませ(ひぬかんさぁをぉとぅつぎゃまーしゃ)!」

 

 

と声を上げながら、私らの後に続く。

 

 

大きな穴がいくつも空いた壺みたいな土器が御嶽(オン)への道に沿って並べられ、枯れ草や小枝、薪が入れられている。

 

マィンツや祝子(ヌルン)たちが、通りがけ、いくつかに火をつけて行く。

 

残りを村人らが火をつけて行く。

 

穴が空いた壺みたいな土器は、灯篭みたいなものだと思うが、ジャングルの暗い道が照らされ、幻想的な雰囲気だ。

 

空の赤味は急速に濃い紫色に覆われている。

 

少し珍妙な香りが鼻を付いた。

 

御嶽(オン)に近づく程濃くなっているような気がするが、何の香りだろう?

 

お香か何かか?

 

お香にしては、決して心地よい香りとは思えない。

 

お香程精錬されていないのかもしれない。

 

 

「高草(タカソ)の香りです。」

 

 

とウィーギィ爺が教えてくれた。

 

高草(タカソ)って何だ?

 

 

 

人々は御嶽(オン)の手前の広場である御庭に導かれて行く。

 

 

御庭も縁に沿って灯篭土器が並べられ、火が付けられる。

 

最後に、御庭の高床式の家屋の前に積まれた薪にも火がつけられ、御庭が煌々と照らしだされた。

 

よく見れば、先日はなかった大量の収穫物が、高床式家屋の前に並べられている。

 

あれが捧げ物という事だろう。

 

その一部は御嶽(オン)にも運び込まれているはずだ。

 

 

大方の人々が御庭に収まったのを見越して、ハーティが再び声を上げた。

 

 

「男衆はここで宴を。女衆は御嶽(オン)に出向かわれよ!」

 

 

なんでも御嶽(オン)の祭祀に参加出来るのは10歳以上の女子だけなのだそうだ。

 

ただし、4歳でも私は別。

 

私は何でも特別扱いのエリート様なのである。

 

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今年初の…/のん

今年初のカイロ買ってみた~!!!!

寒いしね、お腹痛めちゃうから

腰に貼るのおすすめって聞いたし

とりあえず、カイロ生活してみます。笑

 

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夜は寒い~/のん

昨夜はガクブルの中

毛布にくるまって暖房効くまで

待たなきゃいけない地獄でしたが…

 

日中暖かすぎて

羽織るもの悩んだけど…

持ってきてよかった~

 

日が落ちたらやっぱり

寒いと感じる。

 

よかった。これでまた風邪予防できた。

 

時期にマスク生活始まるから

その前にあったかくしなきゃね!!!

 

風邪をひいたら

龍角散とユンケル頼りな生活しなきゃいけなくなるから(^^)

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いい天気!!!/のん

お散歩日和だなあ~と思って

お昼珍しく少し散歩してきました~!!!

 

ポケモンGOをやりながら!!!

 

まだ、やってるのと思う方もいますが

可愛いポケモンたくさんいるから

やはり、やってしまうんだよな~(´-`).。oO

 

 

今日はお猿さんの日でした!!!笑

 

ヒコザルさんがたくさん出てました~!!!

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北海道で初雪?!/のん

北海道で初雪~って

北海道に住んでいる友達から今朝

写真が来たけど…

 

おいおい、朝から寒くなる

身震いのするような雪の量に驚きました。

 

ラインのニュースからもニュース入ってきてたから…

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早起きだ~/のん

変な時間に寝たから

朝早く起きました。

 

さあ、喫茶店とかに行けばオシャレだろうけれど…

 

ランチに誘ってくれる友達はなかなか

わたしの友人に居ないので

 

家のことをしたら

お昼寝して今夜もパリピしましょうかね。

 

 

みなさま、お仕事お気をつけてください。

今日も今日とて寒いので(;_;)

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メイドで草加城/のん

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海賊帝国の女神〜21話目「忠節」〜/米田

朝が来た。

 

起こされた。

 

眠い。

 

昨夜はマィンツから奉納舞の歌を教わったのだが、これが結構ハードだった。

 

教え方はやんわりなのだが、ともかく、寝かせてくれないのだ。

 

私の寝所の家屋で、マィンツとその祝子(ヌルン)のハヌと二人して、歌を教えながら、ウトウトする私を起こすのだ。

 

これは結構拷問だ。

 

私はまだ4歳なのだ。

 

幼児虐待だ。

 

だが、これにもどうも理由があって、皆、昼過ぎから、一斉に寝るから…らしい。

 

何故昼間から一斉に寝るのか?というと、夕方から始まる祭りは翌朝まで行われるので、そのための体力温存処置だという。

 

 

「あなたはウォファム村の祝女(ヌル)になるんだから、慣れないと困るわ。」

 

 

とマィンツが言う。

 

 

「祝女(ヌル)はみんな夜行性なのですか?」

 

 

と私がボケながら聞くと

 

 

「そうでもないわ。ウォファム村の祀るイリキヤアマリ神が夜行性なのよ。」

 

 

と教えてくれた。

 

 

なんでも、他の御嶽(オン)の神様の祭祀は、大概昼間行うし、奉納舞とかもないらしい。もちろん歌もない。

 

その代わり、長い祝詞というか祈祷文というか、そういうのを覚えないといけないらしい。

 

 

「それに比べれば、奉納舞の出だしの時だけ、ちょっと歌うイリキヤアマリの祭りの方が楽ですよ。」

 

 

と、マィンツは言うのだけれど、どうなんだろうね。

 

 

どっちにしろ、将来他の村の祭祀を執り行うようになれば、その村の御嶽(オン)の神様にあわせた儀式を行わないといけない。

 

今はイリキヤアマリの祭祀だけ学んでいるけれど、先々それだけってワケにはいかないのだろうな。

 

と、いう事は薄々わかった。

 

 

 

そんな朝である。

 

いつものように朝食を頂くため母屋に入ると、私の顔を見たハーティが手招きする。

 

 

「おはようございます。父様。何でしょうか?」

 

 

今夜は祭りだから、その心得とかなんか言い出すのかな?とか思ったら違った。

 

 

「クィンツ、木綴(キトジ)の一式をウィーギィに渡したのか?」

 

 

あれぇ?

 

ダメだった?

 

 

「はい。新しく使えるよう、表面を削って欲しいと、爺に頼みました。」

 

「…ふむ。そうか。」

 

 

ハーティは難しい顔で腕を組んでから、私に横で控えているように命じる。

 

それから、ウィーギィ爺を呼び出す。

 

 

「ウィーギィ。」

 

「はいハーティ様」

 

 

ハーティの前に正座するウィーギィ。

 

 

「クィンツから木綴(キトジ)の一式を預かったそうだが。」

 

「はいその通りです。」

 

「あれには小刀も含まれていたろう?」

 

「…はい。ハーティ様。」

 

「その意味はわかっておろうな。」

 

 

あ。

 

そうか。

 

私、平和ボケだった。

 

 

「もちろんです。ハーティ様。」

 

「小刀とはいえ、刃(やいば)は刃(やいば)。お前にそれが預けられたというのは、クィンツの信頼の証だ。」

 

「はい。よくわかっております。」

 

「ならば良い。クィンツの為に使え。決してクィンツに害を与す事には使わぬ様にな。」

 

「肝に命じます。」

 

「うむ。」

 

 

この島?…村では、鉄器の普及は、まだ始まったばかり。

 

メインの刃物といえば、貝を削って磨いた包丁的なモノだ。

 

一方ハーティから渡された木綴(キトジ)の一式には、小刀が含まれていた。

 

もちろん鉄製だ。

 

私にとっては鉄製の小刀なんて当たり前の存在だが、ここでは違う。

 

オール鉄製の刃(やいば)…価値的にも意味的にも、そこには深いモノがある。

 

 

言うなれば、凶器だ。

 

 

いや、もちろん、凶器なんて、何だってなる。

 

石だろうが、棒だろうが、凶器にはなる。

 

それこそ、貝を削って磨いたモノでさえ、よく切れる。

 

だが、それらが標準の社会では、鉄製の刃(やいば)は、一つ抜きん出た凶器だ。

 

言うなれば、元いた世界で、拳銃を渡されたようなものだ。

 

 

もちろん、ウィーギィ爺が、その刃(やいば)を私に向けるとは思えない。

 

思えないけれど、その保証はどこにある?

 

この世界は、未発展で、原始的で、いうなれば力が全て…でもおかしく無い。

 

どこぞの世紀末ヒーローが登場しそうな雰囲気がある。

 

表面的には平和だが、それはこの村をハーティが統治しているからだろう。

 

 

そのハーティは、誰がどう見ても鬼である。

 

筋肉ダルマのごとく風体であり、怒らせたらヤバイのは明白だ。

 

それが抑止となって、村の平和は保たれている。

 

 

当然ハーティの主子(ウフヌン)らは、ハーティの強さ、安定さに信服して忠誠を捧げているんだろう。

 

 

だけれど、私にはどうだろうか?

 

 

ウィーギィ爺が私に従うのは、ハーティにそう命じられたからだ。

 

私自身の実力じゃない。

 

つまり、ウィーギィ爺が私に刃(ヤイバ)を向けない保証とは、ハーティにあるのだ。

 

 

『ハーティの意に沿わない事をしたら、ただじゃ済まないぞ。』

 

 

今のやりとりは、その再確認に過ぎない。

 

 

私はハーティのただのオマケに過ぎない。

 

だが、ハーティは、ただのオマケである私の価値を高めるために、

 

 

『お前にそれが預けられたというのは、クィンツの信頼の証だ。』

 

 

と言ったのだ。

 

私を立ててくれたのだ。

 

平和ボケして、刃(やいば)を渡す意味を深く考えなかった私をフォローしてくれたのだ。

 

実にバツが悪い。

 

もちろん、そんな事は顔には出さないけれど。

 

 

「クィンツ様、この爺を信頼し、刃(やいば)をお預け下さった事を、心から感謝申し上げます。この爺、さらなる忠節をお誓い申し上げます。」

 

 

ウィーギィ爺が深々と頭を下げてくれた。

 

 

こちょばゆい。

 

 

頭を下げているが、彼の忠節は私ではなく、ハーティへのものだ。

 

まぁ、それは当たり前といえば、当たり前なんだけれど。

 

世界をひれ伏せさせるという、私の密やかな野望を考えると、はるかに遠い。

 

 

「そろそろ宜しい?今日は早いのですから、とっとと朝食を済ませてしまいましょう。」

 

 

と、マィンツが朗らかに声をかけ、食事が運ばれてくる。

 

 

うん?

 

 

食事の最中、ふと、ハーティの手元がおかしい事に気がつく。

 

 

…てか、箸を使っている。

 

 

「父様…!」

 

「うん。」

 

 

ハーティが『気がついてくれたか!』というようにニヤっと笑う。

 

 

「箸をお使いになるのですか?」

 

「クィンツが使えるなら、ワシも使うさ。」

 

 

と、言った拍子に、摘んでいたご飯がぼろんと落ちる。

 

ハーティはちょっと気まずそうに、それを指で摘んで口に入れた。

 

 

「まだ慣れてないがな。」

 

 

とはいえ、案外柔軟性があるな。この人。と、感心してしまう。

 

この、外見だけでない柔軟性、頭のキレが、主(ウフヌ)として頭角を表す要素なのだろう。

 

 

ハーティ、侮り難し。

 

 

その一方で、私の方針も決まった。

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海賊帝国の女神〜20話目「小刀」〜/米田

その後、マィンツの稽古を何回か見せられてから、私も見よう見まねで舞わさせられた。

 

もちろん最初は全然わからない。

 

でも、マィンツの指導のおかげで、だんだんと舞えるようになった。

 

もちろんマィンツのように跳べれる訳では無いし、歌に至っては鼻歌レベルなのだが…。

 

 

「歌は今晩一晩かけてじっくり教えますね。」

 

 

と、マィンツがニコやかに宣言する。

 

幼女に対して、叔母様、結構鬼じゃね?

 

 

 

あと、私が持っていた鐘の担当を決めるため、何人かの女の子たちが曲に合わせて鐘を打たされた。

 

その結果シャナという女の子が選ばれる。

 

ここで選ばれた娘は祝子(ヌルン)候補となるらしい。

 

あとは親の承認次第だとか。

 

まあ、祝子(ヌルン)ともなれば、末端とは言え、立場的には主(ウフヌ)に連なるわけで、拒否する親はまずいない…だろう。

 

それにしても、曲に合わせて鐘を打つタイミングが良いかどうかだけで、祝子(ヌルン)になれるとは、何とも微妙。

 

本人の信心さはどうでもいいのだろうか?

 

う〜ん。

 

祭祀の一環としての楽曲なワケだから、音感が重要って言えば、重要なのだろうが。

 

 

 

家に戻ると、さっそくハーティに木綴(キトジ)をせがんで見た。

 

 

「そんなもん、何に使うんだ?」

 

 

と、ハーティ。

 

神様のお告げを書き留めたいのだと言うような事を適当に述べたら、珍妙な顔をしつつ、一つ持ってきてくれた。

 

だが、

 

 

「これ、もう何か書かれているよ。」

 

 

開いてみれば、文字がびっしり。

 

 

「書かれている部分を削って使うのですよ。」

 

 

と、ウィーギィ爺が教えてくれた。

 

そのための小刀も、筆や墨と一緒に渡されていた。

 

何でナイフ?と思ったのだけれど、そういう理由か。

 

さすがに新品はくれないらしい。

 

 

「新品の木綴(キトジ)は、もう作られてないのでしょうなぁ」

 

 

と、ウィーギィ爺。

 

 

「え?どう言う事?」

 

「今は紙がありますから。ウーチュでもティオクでもイェームトでも木綴(キトジ)は使いません。」

 

「紙?紙があるの?」

 

「おや?クィンツ様は紙をご存知で?」

 

 

はい、ご存知です…とは、言いずらい。

 

 

「う、うん。…その。」

 

「神様に伺ったのですな。」

 

 

口ごもっていると、勝手に察してくれた。

 

 

「そう、そう。」

 

 

とりあえず、何でも神様のせいにしてしまえ。

 

 

それにしても…そうか。紙があるのか。

 

でも、紙があるから新しい木綴(キトジ)を作らないっていうのは、紙がある地域の話しだろう?

 

この村で紙なんか見た事ない。

 

つまり、紙なんて無いんだから、新しい木綴(キトジ)を作らなくなる必要はないんじゃないか?

 

それとも、木綴(キトジ)すら、作る技能がなっていう事だろうか?

 

昔々手に入れた木綴(キトジ)を、削っては使い、削っては使いと、使い回ししているだけなのだろうか?

 

だとしたら、この技術力の差は、どうやって詰めたらいいんだろう?

 

なんだか目眩(めまい)がしちゃう話しだ。

 

いや、木簡なんて、木を削ればいいだけの話しなんだから、技術というより、必要性を感じてないという事かもしれない。

 

そのあたりから改善していけば…。

 

最低でも、私が必要性を感じているのだから。

 

 

「クィンツ様、こちらが出来ておりますぞ」

 

 

と、ウィーギィ爺が、何やら恭(うやうや)しく差し出す。

 

おお、箸だ。

 

紛れもなく箸だ。

 

って感動する程の事もないのだけれど。

 

 

「ありがとうウィーギィ爺」

 

 

普段は「爺」だけだけれど、こういう時は名前をつけて呼ぶ。

 

はて?ウィーギィ爺のフルネームはなんだろう?

 

 

「どういたしまして、クィンツ様」

 

 

ウィーギィ爺は目を細めた。

 

うん?

 

そうだ。ウィーギィ爺を使おう。

 

 

「ねぇ爺」

 

「なんでございますか?」

 

「木綴(キトジ)、削っておいてくれない?」

 

 

私はハーティからもらった木綴(キトジ)一式をウィーギィ爺に渡した。

 

 

「お安い御用で。」

 

 

いや、本当に頼みたいのはそれじゃないんだけれどね。

 

今はとりあえず、それでいい。

 

 

 

その日の夕食は、マィンツ同様箸で頂く。

 

 

「クィンツは、箸の使い方をどこで覚えたのですか?」

 

 

とマィンツが呆気に捉れたように尋ねた。

 

 

「叔母様のを見てです。」

 

 

と、しらばっくれる。

 

 

「あら。舞や歌はなかなか覚えないのに、箸は早いのですね。」

 

 

うぐ。

 

やばい。やぶ蛇であった。

 

おかげで、その夜の歌の稽古は厳しいものになってしまった。

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需要があるのかなぁ?!/りょう

先日、知人から送られてきた

写メにビックリツ!!

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今夜は前夜祭ー/まゆこ

めっきり冷え込んできました今日この頃ですねー

 

布団から出るのが辛い季節です( ´Д`)y━・~~

 

さて…

 

明日の草加城はイベント開催です!

 

11/13(水)菊花薫るご奉仕day

 

寒い夜はあなたを待ちわびテェー!

 

なんて歌もありましたが…

 

今日も明日もお待ちしていますーっ!

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さな ち  に便乗して/すず

風が冷たくなってきた(><)

 

じゃーん。電波とう違い笑

 

 

スカイツリーは、なぜかきれいに見えました。

 

まだまだ楽しいことしたいこの冬

 

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寒い日の…/のん

草加城の、周り最近ものすごい飯テロな時間にいい匂いをぷんぷん振りまいてきて

 

この間はシチューの匂いぷんぷんさせるもんだから…

 

シチュー食べたくなっちゃって…

 

いただきました、シチュー

 

美味しかった、というより

寒い日のシチューはなんとも言えない

幸福感がありました(^_-)-☆

 

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今どきの/めぐか

本屋さんて。画期的。笑

 

こないだ、久しぶりに本屋さんに行ったんですよ!

 

そしたら、また新しくカードの本とかが入っててテンション爆上がりして、また買っちゃった…

 

しかも、興奮して、デザインと配色みたいな結構お高めの本まで買ってしまった…

 

子供向けの絵本でさえ飛び出す仕掛けが施されてて、気になる本でいっぱい!

 

 

次行く時はフォントの本も買いたい…とか思ってる趣味の事になると物欲に歯止めが効かない人間でした…

 

近々、作って、up出来たら嬉しいですー

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ただ。/めぐか

うちの子は可愛いっていうだけの話。

 

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風が冷たくなってきた(><)/さな

あっという間に11月になって寒くなってきた…

都内もクリスマスムード( ・ᴗ・ )

綺麗な景色沢山見に行きたいな!!

今日も1日頑張ろーう٩(ˊᗜˋ*)و

 

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今日も今日とて/のん

今日はポッキーの日ですね!!!!

 

最近はいろんなポッキーが出てますが

わたしは王道?イチゴポッキーが大好きです!!!!

 

イチゴ味ってなんであんなにも

幸せになるのでしょうか…

 

 

好きな食べ物は?

イチゴ!

 

って可愛らしいこと言いたいところだけれど…性に合わないのであまり言いにくいのですが、わたし、イチゴが大好きなんです。笑

 

なんていうカミングアウトでした(^^)

 

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シェアハピ/みやこ

なんか書こうとしたけど

よくわからんでした

 

 

来年は菌より強い人間になりたいな

 

ウイルスをデリートできる

ロックバスターが欲しいな

 

 

そんなことより

 

今日ポッキーの日だから!

シェアをハピしようよ!!

 

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睡眠時間/のん

最近、寝ている最中に

喉が渇いて起きる。

しかも、2時間おきに。

 

 

トイレに起きることは少ないのに

喉がカラカラで起きて

水を飲んで寝る

 

 

夢の中で砂漠にでもいるのかな私。

 

 

不思議すぎて

こんなこと経験ある方居ますか?

 

トイレで起きるはよく聞くけれど

喉が渇いて起きるもんだから

寝た気がしない。

 

特に寝汗が酷いと言うわけではないのに

何故だろう~!!!!

 

調べる前に体験談をお聞かせ願います。

よろしくお願いします(^^)

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寒すぎて。/めぐか

既に、最近ストール?マフラー?首に巻いております。

 

寒すぎる。そう思いませんか。笑

 

 

 

でも、城のみんなが好きすぎて、心は暖かいのよ。

 

身体を暖めるにはお酒ね!笑

飲むしか~!笑

 

 

最近、奥居香になっためぐかです。

ダイアモンド練習一緒にしてくれる人募集中。笑

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夕焼け小焼け/のん

今日の夕焼けがとても綺麗でした。

 

写真撮らず目に焼き付けてしまった。

 

離れてる場所にいても

空は広いから繋がってる。

 

会えなくても同じ空見上げてるんだなって考えるとなんだか素敵な気持ちになりました(^^)

 

 

そんな事考えながらも、不意に髪の毛バッサリ切ってしまったがいいけれどなんともこけしちゃんみたい。

 

鏡を見るたびに思う…

 

もう、切らずに伸ばしたいところであります。

 

という呟きでした!笑

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今宵も寒い(;_;)/のん

寒いですね、明日はもっと寒いとか…

 

そろそろ、本格的に熱燗の時期かな?…

 

でも、ビールも好き。

 

迷っちゃうけど

お酒は飲めば飲むほど

あったかくなる。

 

草加城はいつもあったかいけど(^^)

 

 

感謝ですね。

今年も残り2ヶ月をきってるので

感謝を忘れずに過ごしたい所存であります(^^)

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ありがとうございました。、/あくあ

昨日は素敵なバースデーイベントに

してくれてありがとうございました!

 

時間をわざわざ作って来てくださり

プレゼントを用意してくれたり

本当に感謝しかない日でした。

 

セレモニー

セレモニーね

すずーずるいよー

でも、あたしからお願いしたんだよね笑

 

 

感情抑えきれなくて

セレモニー全然話せなくて

なに言ってるか自分でもわからなくなっちゃった笑

 

 

お互い照れくさくなっちゃうからさ

すずとこんなに真っ直ぐ話した事って

あまりなくて

すずの真っ直ぐな気持ちが嬉しかった

 

そしてのんー

今回のバースデー

色々全力で支えてくれてありがとう。

どっちが先輩かわからないくらい笑

 

そして

りょうママのいつも安心できるくらいの正しい判断力に毎回びっくり!

ママがいないとっていつも思っちゃう

まさか点滴してまで、、ママがどれだけ女の子達の事大切にしてるか全てが尊敬できる方!炒飯も美味しすぎるし

 

るいさん

たぶん一番に相談してる!

なんか凄くるいさんに色々話しやすくて!いつもありがとうございます

 

みみお

大好き大好き大好き

いつも目を開けるとみみおがいる

多くをあまり語らないみみおだけど

色々考えてるところ好き

 

みやこー

リーダーとしていつも城をありがとう!

みやこの魂はちゃんとあったよ!笑

早くみやこの顔が見たいよー

酔っ払うといつも2人で遊んじゃう

早く遊びたいよー笑

 

めぐか

好き!

以上笑

 

ももちゃん

可愛いなーって

次の日会ってもまた可愛いなーって

ももが意外にもお酒が結構飲めるから

びっくり反面いつも心配!

 

 

そんなわけで

城が大好きです!!!

 

ありがとうございました!

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はっぴはっぴー!/めぐか

ばーすでー!!!

 

11/6(水)前田あくあ誕生祭

 

今日は、我が眠れる森の美女こと、あくあさんのバースデーイベント!

 

 

素敵な素敵なあくあさんのバースデー!

今年もご一緒出来て光栄です!

皆で盛り上げていくしかないじゃん!

 

皆様のご帰城お待ちしております!

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おめでとう♪/るい

いよいよ今夜

あくあ生誕祭!

 

 

11/6(水)前田あくあ誕生祭

 

 

寒い夜もお城でお祭りパーリナィ~

 

お祝いの言葉を届けに…

 

ご帰城お待ちしております!

 

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あくあさん生誕祭/のん

 

おはようございます!

 

おはようございます!

 

できる限りでベストを尽くすのが

私のやり方であり

 

手を差し伸べて

助けてくれる人のために頑張る。

 

みんなでお祝いぱーりない!!!

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あくあ生誕!!/りょう

おはようございます!

 

めっちゃお天気が良き良き!!

 

あたし今日の為に

昨日、点滴しました。

ニンニク点滴(*´艸`)笑

 

 

今夜は、みんなでハッスルしよっ!!

そうだっ!!

コチラもまだまだ書き込めますよぉー

愛の告白じゃなくて

おめでとうっ!!って書いてあげてねッ!!

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おはようございます!/あくあ

今からわくわくです(^^)!!

 

城で初めて迎えたバースデーが懐かしい

 

卒業して出戻りした時

優しく迎えてくれたママや女の子達

そしてお館様

凄い嬉しかったなぁ

 

 

今日という

普通にあたしの誕生日

ただ、あたしの誕生日なんだよ

そんな今日

仕事もあるのに

時間を作って来てくれるお館様

女の子も色々準備してくれて

時間削ってトピあげもしてくれて

その気持ちがもったいないくらい

すごく嬉しくて

だから今日はたくさん飲んでたくさん笑って!!

セレモニーではこけないように!

携帯は無くさないように!

 

そんなバースデーにします(^^)

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海賊帝国の女神〜19話目「稽古」〜/米田

「それにしても叔母様」

 

 

マィンツが鈴についている紐を、私の手足に結んでいる。

 

今日は稽古だから普段着だ。

 

私が何かしら動く度に鈴がコロコロと鳴る。

 

 

「ん?なんですか?クィンツ」

 

「この鈴もそうなんですけれど、鐘とか、笛とか…この島のものではないですよね。」

 

「そうですね。伝承によれば、昔々イェームトの帝(ミカド)の争いに破れた武人(サムゥル)等が、イヤィマの島々まで逃れて来た時、持ち込んだモノなんだそうです。」

 

「イェームト…遠いのですよね?」

 

「風巡りがよければ、新月が満月になる前に着けるそうです。ただしイェームトは大きな島々らしいので、島々を巡るには、新月を何回も経ねばならないと聞きました。」

 

「聞いた?誰からですか?」

 

「兄様です。…あなたには伯父様になるわね。…フーズですよ。」

 

「フーズ様は、イェームトに行ったことがあるのですか?」

 

「一度、ソゥラヴィ様の伝手でヌーファからイェームトの船に乗せてもらったそうです。」

 

 

ソゥラヴィ…?

 

昨日の夕食の時にも出た名だな。

 

何者だろう?

 

 

「さ、おしゃべりはこれぐらいで、お稽古しましょう」

 

 

と、マィンツは最後の鈴紐をギュっと結んでくれた。

 

 

「まず、私が唄いながら舞います。クィンツはそれを見ていて下さい。覚えたら一緒に唄いましょう。あなたを引揚(ヒュク)にも大切な事ですから、しっかり見て、覚えて下さいね。」

 

 

そう言うとマィンツは両手に扇子のようなモノを持って、大岩の正面らしきところに向かって立った。

 

祝子(ヌルン)のハヌとニャクチャは、笛を持って広場の端と端に別れて立つ。

 

私は鐘を持たされた。

 

 

「持っているだけで、打たなくていいですからね。」

 

 

とニャクチャがアドバイスしてくれる。

 

 

静寂が訪れた。

 

作業していた女の子たちも手を止めてマィンツに注目する。

 

 

「イリキヤアマリ神よ、火食の神よ。今より稽古の舞を行います。何卒豊(と)まれのお恵みを…。」

 

 

マィンツは大岩に向かい深々と頭を下げた。

 

それから扇子のようなモノを持った両手をあげると、静かに、ゆっくり柔らかく旋律の声をあげる。

 

唄らしいが歌詞がよくわからない。

 

 

歌詞がわからないと覚えられないよなぁ。

 

 

マィンツの歌に合わせて、笛の音がゆっくり鳴り響く。

 

そして今度は笛の音に合わせてマィンツがゆっくり動き出す。

 

動きにあわせて、マィンツの手足に付いた鈴がコロコロと鳴る。

 

ゆっくり、ゆっくり、コロコロと、マィンツは唄いながら、舞いながら大岩の周りを巡り始めた。

 

一周巡ると、笛のテンポが上がる。

 

マィンツのスピードも上がる。

 

コロコロも激しくなる。

 

 

二周…三周…。

 

 

気がつけば舞は激しく荒々しいものに変わっている。

 

いつしか唄は聞こえない。

 

笛と鈴の音色(ねいろ)だけが交差している。

 

マィンツが地面を蹴る。

 

 

ふわりと、体が宙に浮く。

 

まるでスローモーションのように。

 

 

ハッと気がつくと、マィンツは再び激しく舞っている。

 

 

マィンツが再び地面を蹴る。

 

 

ふわりと宙に浮く。

 

浮く…浮いている。

 

マィンツは空中を優雅に泳いでいる。

 

それもとてもゆったりした感じで…。

 

だが次の瞬間、マィンツは地面の上で激しく舞っている。

 

 

幻覚?

 

 

見ているうちに、息が荒くなって来た。

 

 

三度(みたび)マィンツは空中を泳ぐ。

 

高さは私の背丈ぐらい。

 

4歳児の背丈だから、大人の腰上ぐらいなのだけれど、単に飛び上がっているにしては、異様に高い。

 

 

ピィ。と笛が高い音を上げ、突然舞も演奏も止まる。

 

見入っていた女の子たちが、ハッとしたように動き出す。

 

 

「も、申し訳ありません。間違えてしまいました。」

 

 

祝子(ヌルン)のハヌが直角に腰を曲げて詫びた。

 

 

「大丈夫ですよ。稽古だもの。」

 

 

マィンツがハヌにニッコリ微笑みながら声を掛ける。

 

 

「は、はい。次は気をつけます。」

 

 

ハヌは何度も頭を下げる。

 

 

「少し休憩ね。」

 

 

すかさず数人の女の子たちが、三人の演者に椀を捧げた。

 

椀の水を飲むマィンツ。

 

息は上がってないし、汗もかいてない。

 

あれだけ激しい舞なのに…ちょっと驚く。

 

 

「どう?わかった?」

 

 

椀を返すと、マィンツは私の横にやって来る。

 

 

「全然わかんない。」

 

「あらあら。お利口さんのクィンツが弱気ね。」

 

 

弱気と言われてもなぁ。

 

 

「あの…なんか、叔母様、飛んでいた。」

 

「うん。お稽古だから、そんなに高くは飛んで無かったでしょ。」

 

 

当たり前のように言う。

 

これは…あれか、祝女(ヌル)の能力なのだろうか?

 

 

「本番だともっと高く飛ぶの?」

 

「そうね。前回は御石の中ぐらいまでだったけれど…今回は御石を越す高さまで飛べると思うわ。」

 

 

御石って、広場の中央の大きな岩の事だろう。

 

結構大きい岩で、大人の背丈より遥かに高い。

 

それを越せるぐらいの高さまで飛べるというなら、祝女(ヌル)もそこそこチートだなと思った。

 

 

「この数ヶ月あちこちの御嶽(オン)を巡ったから。」

 

 

うん?

 

 

「御嶽(オン)を巡ると高く飛べるのですか?」

 

「う〜ん。必ずとは言えないけれど、行ったことがない御嶽(オン)を訪れると、その御嶽(オン)の神様がお恵みを下さって、力が揚がるのよ。だから高く飛べるようになるわ。」

 

 

ハイ来た!

 

能力向上の裏技!

 

 

「昨日、叔母様は引揚(ヒュク)をすれば力が揚がるとも教えて下さいました。」

 

「その通りよ。引揚(ヒュク)は力を揚げるわ。」

 

「御嶽(オン)を巡るのと、どっちが良いのですか?」

 

 

マィンツが苦笑する。

 

 

「比べるなら、引揚(ヒュク)の方が揚げる力は高いけれど…引揚(ヒュク)に至るには、まず神垂(カンダー)れに恵まれないと行けないでしょ?」

 

「神垂(カンダー)れに恵まれる?」

 

「そう。まず神様に打たれないと、神垂(カンダー)れされないでしょ。」

 

「そう聞きました。」

 

「それだと、まさに神頼みでしょ?」

 

 

ああ…と、マィンツの指摘に、私は大きく頷く。

 

 

「一方で、行った事がない御嶽(オン)を巡るのは、私たちの都合で出来るわ。」

 

「つまり、自分の力を揚げたいと思うのなら、行った事がない御嶽(オン)を巡れば良いのですね?」

 

 

これは良い事を聞いた。

 

地道に御嶽(オン)を巡れば祈女(ユータ)としてチートになるのではないか?

 

思わず口元が歪む。

 

 

「簡単に言えばね。でも、最初は近所の御嶽(オン)でも良いけれど、すぐ巡り切ってしまうでしょ?」

 

「そうなると揚げられなくなっちゃうって事ですか?」

 

「そうよ。御嶽(オン)巡りだけだと揚げるのに限界があるわ。だから神垂(カンダー)れの恵みも大事なのよ。」

 

 

成る程。そういう理屈か。

 

 

「島中の御嶽(オン)を巡ったら、次はイヤィマの島々の御嶽(オン)を巡れば?」

 

「イヤィマの島々ぐらいなら可能でしょう。場合によってはビヤクぐらいもアリだわ。でも、限界は来る。だって祭祀を司らないといけないから。長く留守は出来ないもの。」

 

 

そうだった。祝女(ヌル)の仕事は、身内が主催する祭祀を司る事だ。

 

マィンツの兄。私の伯父であるフーズは、複数の村々を支配している。

 

つまりその分、やらねばならない祭祀が多いって事だ。

 

留守ばかりしてもいられない。

 

 

では、私はどうなのだろうか?

 

 

ハーティはウォファム村を間違いなく支配しているが、実際は複数の村々からトップだと認識されているようだ。

 

だが、祭祀を行える祝女(ヌル)がおらず、クィンツをナータ家から借りているぐらいだから、他の村の祭祀までは手が回っていないのではないか?

 

そんな中、私がハーティの祝女(ヌル)となれば、ウォファム村ばかりか、他の村々の祭祀も司る事になるだろう。

 

マィンツと同じように、留守が出来なくなるかもしれない。

 

 

う〜んと考え込むと、マィンツがしゃがみこんで耳元で囁いた。

 

 

「それに、力が弱い神様の御嶽(オン)を巡っても、ほとんど揚がらないわ。これは神様の前では内緒だけれど。」

 

 

え?っとしてマィンツを見る。

 

マィンツは微笑んだ。

 

 

始めて訪れる祈女(ユータ)や祝女(ヌル)に、力を授けるのは御嶽(オン)の神様のサービスのようなモノらしい。

 

力を授けるから、いらっしゃい。という事のようだ。

 

だが、祈女(ユータ)や祝女(ヌル)側も経験則で、授けられるのは良いけれど、期待値に至らない御嶽(オン)がある事を知っている。

 

そういう情報が、祈女(ユータ)や祝女(ヌル)のネットワークで伝わるのだ。

 

ただし、神様との相性もあるので、人によって若干の差はある。

 

とは言え、やたら御嶽(オン)を巡っても徒労となる可能性があるなら、無理して巡らないという選択が、普通はされる。

 

祈女(ユータ)や祝女(ヌル)も暇ではないのだ。

 

やる事は沢山ある。

 

だから、期待値か、それ以上という噂の御嶽(オン)巡りに集中する。

 

少々遠くても、そっちの方が効率が良い。

 

 

「叔母様はどちらの御嶽(オン)を巡ったのですか?」

 

 

効果が高い御嶽(オン)の情報は知っておきたい。

 

 

「エーシャギークならクゥビラと、ヒュルクブ。ウリィテムならソナイ。あとビヤクのナークソゥよ。」

 

 

うわ〜。

 

やっぱり覚えられないよ。

 

メモ板の木綴(キトジ)が早々に必要だ。

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寒いなあ!/のん

ヒートテック徐々に着始める

 

早いのか遅いのかわからないけれど

寒さには敵わない!

 

寒さを吹き飛ばすくらい

どんちゃん騒ぎ~!!!

 

毎日したいところだけど…

最近体が追いつきません。

 

やっぱり、休肝日は必要だったり?!

 

そんなことは言わず

強靭な肝臓を作り上げていこうと思います。

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海賊帝国の女神〜18話目「木綴(キトジ)」〜/米田

ウィーギィ爺に負ぶさって、叔母様のマィンツと、その祝子(ヌルン)であるハヌとニャクチャと共に御庭という所に着く。

 

最初はマィンツに手を引かれていたのだが、4歳児の歩く速度はやっぱり遅いので、早々にウィーギィ爺が背負ってくれたのだ。

 

 

御庭は御嶽(オン)の手前の広場で、ここから小道で繋がるジャングルの向こう側に御嶽(オン)がある。

 

御庭には高床式の家屋が二つばかり並んでいて、多分倉庫なのだろう。

 

私らが着いた時には、村人たちがそこそこ集まっていた。

 

 

「おはようございます。クィンツ様、マィンツ様」

 

 

私らを見かけると、ハーティの主子(ウフヌン)たちが挨拶して来る。

 

コルセはいない。

 

コルセはハーティ専属って感じで、いつもハーティと一緒だからだろう。

 

 

え〜と、この人たちは、確か…。

 

 

「おはよう。アバ、クゥト。」

 

「クィンツ様、本日もまた一段と愛らしい…。」

 

 

アバとクゥトが、頬を赤らめ、デレ顔で私を見下ろす。

 

まぁ、仕方がない。

 

私は可愛いのだ。

 

 

「アバも、クゥトもお掃除なの?」

 

「いぇ、私らは…。」

 

「お二人は目録を作っているのですよ。」

 

 

と、マィンツ。

 

 

「目録?」

 

「祭りの日に村人らが神様に捧げる品々を持って来るのです。その書き留めですね。」

 

「書き留め?」

 

「こちらです、クィンツ様。」

 

 

アバは手にしていた「木の板」の塊を見せてくれた。

 

広げると、細長い木の板を綴っているモノだとわかる。

 

一つの長さは30cmぐらい。幅は3cmぐらい。厚みはない。

 

それが何枚も並列に結びついている。

 

簾(すだれ)のようだ。

 

表面に、何かが書きつけられている。

 

 

…文字だ!

 

 

この世界に来て初めて文字を見た。

 

残念ながら、元のクィンツの記憶を探っても私には読めない。

 

まだ習って無かったらしい。

 

 

文字が書きつけられた木の板…木簡。

 

つまりこれは、木簡の巻物だ!

 

 

「こちらに、村人の名前が。こちらが、その者が予定している捧げ物の品、量。ここに実際の品、量が記されるのです。」

 

 

木簡は、綴る糸によって三分割されており、アバが分割された部位を指差して丁寧に説明してくれた。

 

 

「こうやって、村人らが、つつがなく捧げ物を持って来たのかを確認し、記録するのです。」

 

 

と、クゥト。

 

なるほど、捧げ物の目録なのか。

 

 

「へ〜。すごぉ〜い。」

 

 

せっかくなので、褒めて上げた。

 

褒めるの大事。

 

その際のリアクションも大事。

 

目を出来るだけ大きくして、口角を目一杯引き上げる。

 

それだけで、二人の主子(ウフヌン)はデレデレだ。

 

 

…そうか木簡があるのか。

 

それに書き付ける墨。

 

これは良いモノを知った。

 

 

「クィンツも、これ欲しい。」

 

 

小首を傾げて、上目遣いにアバとクゥトに求めてみる。

 

それまでデレデレだった二人が苦笑いしてお互いを見た。

 

 

「あ、いや、これは記録ですから、おいそれと…」

 

 

ん?勘違いさせたか?

 

 

 

「そうじゃないの。書いてあるのじゃなくて、書いてないのが欲しいの。」

 

「ああ、まだ使ってない木綴(キトジ)ですね…にしても、その。」

 

「え〜?ダメ〜?」

 

「クィンツは木綴(キトジ)をどうしたいのですか?オモチャじゃないのですよ。」

 

 

苦慮している二人に見かねて、マィンツが声を掛て来る。

 

ご懸念はごもっとだ。

 

 

「聞いた事を忘れないように、書き留めて置くのに使いたいのです。」

 

「書き留めて置く?」

 

 

ちょっと理由が弱いか。

 

 

「夢で神様から色々聞くのですけれど、起きてしばらくすると、だんだん忘れてしまうのです。だから、起きてすぐの時に書き留めて置きたいのです。」

 

「夢で神様と…」

 

 

う、嘘っぽいか?

 

単にメモ帳がわりが欲しいってダケなんだけれどね。

 

私は固有名詞が苦手だから、村の名前や島の名前なんて覚えてられない。

 

だから、そういうのや、今から教わるであろう御嶽(オン)の儀式について記録して置きたいのだ。

 

 

「それは、神様のお告げなのですか?」

 

 

と、マィンツ。

 

そう。それだ!そう言う事にして置こう。

 

 

「はい。叔母様。」

 

 

一同が神妙な顔つきになる。

 

 

「…クィンツ…あなた、文字が…。」

 

 

と、マィンツは言いかけたが、何を思ったのか、一瞬躊躇してから言いなおした。

 

 

「わかりました。それでは、あなたのお父様にご相談なさい。」

 

 

ぐぅ。結局それか。

 

まぁ、そうだな。当たり前だな。

 

 

 

御庭の蔵から祭祀で使う笛と小鐘と鈴、それから扇子のようなモノを受け取り、私たちは御嶽(オン)に向かう。

 

ここでウィーギィ爺とはお別れだ。

 

なんでも御嶽(オン)は男子禁制なんだそうだ。

 

 

「私はここで、アバ様とクゥト様のお手伝いを致します。また、クィンツ様ご所望の箸も作っておきましょう。行ってらっしゃいませ。」

 

 

ウィーギィ爺はそう言って頭を下げた。

 

私は軽く「バイバイ」と手を振って、マィンツに手を引かれてジャングルに入って行く。

 

 

「『バイバイ』とは何ですか?」

 

 

と、どこかチュチュ姐に似た雰囲気のニャクチャが聞いて来た。

 

 

「うん…お別れの時のおまじないだよ。」

 

「おまじない?」

 

「えーとね。『神様のお守りがありますように』っていう意味。」

 

「へー。それも神様に教わられたのですか?」

 

「まぁね。」

 

 

しきりに感心されているうちに、御嶽(オン)に着く。

 

御獄(オン)は、御庭と同じような広場で、地面全体に白い砂が撒かれている。

 

家屋は無く、広場の中央に、見た目ゴツゴツした大きな岩が置いてある。

 

どうやらそれが御神体的なモノらしい。

 

岩の根元には薪が積まれており、その周り、少し間を空けて、上が平らで滑らかな大石が、岩を取り囲むように並んでいる。

 

 

その中を10歳から20歳ぐらいの女の子たちが、甲斐甲斐しく動き回っていた。

 

 

「ここでは、10歳以上で結婚していない女たちが、祭りの支度を行います。」

 

 

と、マィンツが説明してくれる。

 

 

「クーはまだ10歳で無いですよ?」

 

「あなたは主催者の娘なのですから、年齢と関係なくキチンと支度されているかを見守る責任があります。」

 

 

あ、そういうこと。

 

 

具体的には、祭祀を行うのに必要なモノが揃っているか確認し、実際祭祀の稽古をしてみて、不具合があればそこを直すと言う事らしい。

 

祭祀を行うのに必要なモノとは、さっき御庭の蔵から預かって来た、笛とか鈴とか小鐘とか、扇子のようなモノ。

 

それから祭祀を行うのは夜なので、御獄(オン)の広場を照らし出すのに十分な灯。つまり松明。

 

後、村人らが捧げた供物の一部だそうで、こちらは明日の午前中に運び込まれる予定だという。

 

 

年長の女の子たちが、私たちが来る迄に、御嶽(オン)を取り囲むジャングルの枝葉を切り揃え、ゴミを拾い、整地し、浜から運ばれて来た砂を篩(ふる)い、敷き詰めたのだと報告しに来た。

 

 

「すっごぉおいい」

 

 

と、大げさに驚いて喜んであげる。

 

女の子たちは照れたように顔を赤らめた。

 

 

ちょろいん。

 

 

あとは、私たちが稽古して見て、不具合がないか確認するだけだ。

 

私たちが稽古中、女の子たちは、松明の配置などの雑務を行い、場合によっては稽古に一緒に参加してもらう事になっている。

 

その際、見込みがあると思われる娘(こ)がいたら、祝子(ヌルン)にスカウトするらしい。

 

 

よし、木簡の巻物…木綴(キトジ)って言っていたっけ?…をもらったら、この段取りを忘れないようにメモして置こう!

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月曜日だ!!!/のん

なんか、最近曜日感覚が狂って

今日が土曜日…

今日は日曜日なんて

自分の中で錯覚がおきている。

 

 

けれど、きょうは

生ビールの日ってことは…

 

月曜日なんですよね(^^)

 

月曜日だ!!!!

いいね(^^)

 

 

楽しみましょう、今日も!!!

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海の中で暴れろ/のん

アクアマン
アクアマン
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しめしめ/めぐか

ハッピーハロウィーン!!!

 

 

って、終わったばっかでした笑

2日間、色んな人の色んな仮装が見れて楽しかったです!

 

皆から貰ったお菓子を少しずつおやつに食べてるの。美味しい。しめしめって、そういう顔して食べてるってやつ。笑

 

食べる事に無中になり過ぎて、写真忘れた…

 

まあ、そんなデブな日もあるよね!笑

 

 

今は、ナゲット食べたい気分!

マイブームナゲット。

トリックオアナゲット!!笑

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煮っころがしが食べたかったな/みやこ

はぴはろ!!

 

2DAYハロウィンコスプレ

楽しかったなぁ

 

 

のんちゃんと

セルフィったよ

 

私が持ってるの

自撮りなもんで

衣装あんまり見えないからさ

他の子の日記にあると思うので見てみてくださいな

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夜露死苦!!!!/のん

2日間のハロウィンを満喫。

 

渋谷は今年も荒れたのかな?…

 

草加も荒れ模様でしたかね?

 

ハロウィンっていつからこんなに

需要が高まったのか…

私が小学生の時は

小悪魔ちゃんをやるか魔女をやるかくらいのレパートリーだったのに…

 

いつしか増えに増えて

何を着たらいいのか迷ってしまうくらい

レパートリーが増えてしまいました。

 

そんなこんなでハロウィン

はっちゃけました!

ありがとうございました(^^)

 

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ハロウィンパーチー/りょう

10/30・31の2日間

ハロウィンパーティー

ありがとうございました。

 

今年は色々と盛り上がりました。

めっちゃ楽しかった( *´︶`*)

 

リーダーみやこ&みみおの

ガチなダンスだったり~

 

くまのぬいぐるみの様な

めぐかだったり~

 

2日間ともにクオリティ高い

すずちゃん

 

チーママが仲間を引連れてた?

えっ!仲間?舎弟?のんちゃんが?

 

新人ももちゃんの歌声も可愛かった

 

じーやメイクに目覚めた?笑

ピカチュウ&ヒトカゲ

キティちゃん&マイメロ

 

本当にありがとうございました。

 

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もくようびの城/みやこし

はっぴーハロウィンです( ´∀`)

 

木曜日だけど

 

今日は

草加城やってますよ!

 

地下で

ハロウィンパーティーしよう

 

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海賊帝国の女神〜16話目「決意」〜/米田

昼寝が過ぎたのだろうか?

 

夜も更けたというのに、まだ眠くない。

 

 

私は、ゴザから立ち上がって窓の外にある月を眺める。

 

 

海はジャングルで見えないけれど、波の音も聞こえる。

 

 

床の隣りでは、叔母さんであるマィンツが寝息を立てている。

 

眠っても綺麗な人だ。

 

私の中のオッサンがムラムラするが、童女の私にはどうする事も出来ない。

 

 

その、さらに向こう側にはマィンツと一緒に来た、ハヌという少女が横になっている。

 

私の家屋は臨時の女性用客間らしい。

 

なんとも珍妙な気分だ。

 

 

 

月を見ながら、私は、昼間、チュチュ姐(ネーネ)が言っていた事を考えていた。

 

 

『フーズ様も、ハーティ様も、もはや大英雄(ホンクァウラ)の貫禄で御座います。この域にたどり至れる方は、神となられた方々だけです。将来、女神のごとく美しくなられるであろう、クィンツ様のお相手としては、このお二人ぐらいしか思い当たりません。』

 

 

うん。

 

嫌だな。

 

 

別にこの二人に限らず、男との結婚なんて嫌だ。

 

男とあんな事、こんな事になるなんて、想像するだけでも、鳥肌が立つ。

 

私は男のなのだ!

 

 

では、どうしたら良いのだろうか?

 

私の主体性…つまりは、私のワガママを、まかり通すには…だ。

 

 

…誰も、私に何かを強要出来ない立場…に、なるしかない。

 

 

それって、つまりは…一番偉くなるしかない。って事か?

 

別な意味では、一番強くなるしかないって事でもあるのか?

 

 

強く…っていうと、物理的な強さという意味では、たとえば世界中の人が襲って来ても蹴散らす、スーパーマンの様な強さって事なのだろうが、恐らくそんなのは無理だ。

 

憧れるけれど。

 

 

…いや、無理と頭から決めつけていいのか?

 

祈女(ユータ)っていうモノの力がどういうものかわからないから、もしかしてすげ〜魔法使いのような力を持っていたら、その方面の才能を伸ばせば、可能かもしれない。

 

 

…まぁ、無理だろうという前提で考えるのは大事だね、

 

 

…偉くなるって方向性なら、政治的な立場だから、アリなんじゃないだろうか?

 

 

この世界の、この村は、ほぼほぼ原始時代に毛が生えたようなものだ。

 

そのトップは…親父のハーティで間違いないだろう。

 

そして、ハーティは村内においては、最大の自由を享受しているように見える。

 

誰かの命令で何かをやっているようには思えない。

 

塩を配ると決めたのも、彼自身の判断だ。

 

 

だが、ライバルは居るらしい。

 

 

ナータ・フーズと言ったっけ?

 

一応伯父さんになるらしいが…。

 

 

『フーズ様も、ハーティ様も、もはや大英雄(ホンクァウラ)の貫禄で御座います。…クィンツ様のお相手としては、このお二人ぐらいしか思い当たりません。』

 

 

チュチュ姐(ネーネ)の言葉がリフレインする。

 

 

ふむ。

 

 

要するに、この二人より圧倒的に上の立場になれば、私の自由は束縛されないって事か。

 

 

…だがそれは、この島…いや、イヤィマの島々に限る。

 

この島々以外に、世界は広がっているからだ。

 

 

 

『ヴィンからの船の荷の一つが塩でした。ウーチュでは塩を購入する家がありましたから』

 

 

と、ウィーギィ爺は言っていた。

 

 

つまり、ヴィンとウーチュは交易している。

 

交易出来る船を持っていると言う事だ。

 

 

 

『イェームトやウーチュ、ムィンの船は、この島が目的地じゃなくて、ただ補給のために立ち寄るんです。その時、水とか食料を提供して、代わりに幾らかの商品を受け取るんです。』

 

 

と、セイトウくんが教えてくれた。

 

 

つまり、この島は交易対象になり得るような価値はないって事だ。

 

 

 

塩作りする時、ハーティは鉄鍋を出してくれた。

 

あれは、この島で作られたモノではないだろう。

 

鉄器は作っているけれど、鍋をつくほど豊富に鉄があるように思えない。

 

せいぜい農具の先に取り付ける分ぐらいだ。

 

その鉄そのものも…

 

 

『鉄は、イェームトやムィンの商人から買っているんですよ』

 

 

と、セイトウくんは言っていたな。

 

 

その上、今日の鏡…南来(パテラー)の鏡と言っていたか。

 

 

…うむ。

 

 

あきらかに、この島なんかより遥かに技術、文明が優れた社会があるのだ。

 

むしろここは、島ということで、世界から隔絶されて、遅れているんじゃないだろうか?

 

 

と、なると…。

 

 

私は元の世界での記憶を巡らす。

 

 

圧倒的に強い国があれば、弱い国は蹂躙・侵略されるのだ。

 

それが、私の居た世界での歴史だ。

 

この世界は、そんな事はない。なんてどうして言えるだろうか?

 

確かにこのウォファム村は平和のようだ。

 

だが、それが、世界すべてに適用されているなんて言えない。

 

いや、ほぼほぼ無いだろう。

 

そもそも生物界は生存競争の世界なんだし、それはこの島でも変わらない。

 

 

島民らは、穀物を食べるし、肉だって、魚だって食べている。

 

つまり食物連鎖があるという事。

 

食物連鎖があるなら、生存のための争いはある。

 

生物間に生存のための争いがあるなら、人間同士だって、必ず争っているという事だ。

 

ならば、略奪や侵略は、普通にあるだろう。

 

 

海を越えて交流出来るだけの船を持ち、輸出出来るだけの鉄を持ち、圧倒的技術で鏡を作れる。

 

そんな社会vs塩もロクにつくれない。味噌もやっとこ手に入るレベルの社会。

 

 

衝突した時、どっちが勝利するなんて火を見るように明らかだ。

 

 

今は、交易対象になり得るような価値も無い…せいぜい補給地としての価値しか無いと思われていても、たとえば、島民を奴隷にして売買しようという連中がやって来ないとは限らない。

 

 

そんな時、私が目をつけたられたどうだ?

 

いや、目につけられるだろう。

 

私はメチャクチャ可愛いのだ。

 

 

元の世界の歴史では、征服者が被征服者の姫を無理やり妻にするなんて、当たり前だ。

 

むしろ、島民らによって、征服者に捧げられてしまうかもしれない。

 

妻ならまだ良い方で性奴隷にされてしまう可能性だってあるぞ!

 

 

いやいやいや、冗談ではない。

 

 

考えろ。考えろ。

 

 

つまる所、私の自由と安全と貞操を守るためには…一番、偉くなるしかない。

 

一番というのは、この島で…というレベルじゃない。

 

極端な話し、この世界で!と言う事だ。

 

 

そして、幸いの事に、私の今置かれている立場は、決して低いものではない。

 

 

昼間の光景を思い出す。

 

私に膝まづき、土下座する村人たち…。

 

 

数は2〜300人ぐらいしか居なかったが…。

 

それでも、私は、並の家の並の子供…というワケではない。

 

むしろ、村ではトップの立ち位置だろう。

 

まぁ、父親の威光の下に…だけれども。

 

 

だが、あんな風に私に膝まづき、土下座するような人々で世界が満たされるならば…それが良いのだ。

 

私の自由や、安全や、貞操!は保証される。という事なのだ。

 

 

しかし、そんな事は可能か?

 

う〜ん。

 

難しいかもしれない。

 

難しいかもしれないが…。

 

 

だが!

 

 

やらねば…犯(や)られる!

 

 

犯(や)られるなんて、絶対、何があっても、死んでも、嫌だぁああああああ!

 

 

やるしかない。

 

やるしかないのだ。

 

 

幸い、私はまだ4歳だ。

 

今から死ぬ気になって頑張れば、何とかなるんじゃないのか?

 

 

私は、窓から見える月に向かって、激しく強く、決意したのであった。

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おひさしぶりでぇぇぇーーす/のん

ちゃんとハロウィンの日は

ウィンウィンしなきゃね!!!!

 

 

お菓子ちょーだい!!!

 

お供はオレンジじゃーちゅか

カルピスで(^^)

 

お菓子ぱーりぃーしよう!!!

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海賊帝国の女神〜15話目「進化」〜/米田

母屋に向かうと、帰ろうとする主子(ウフヌン)たちとすれ違た。

 

 

「マィンツ様、この度もよろしくお願いします。」

 

「よろしくお願いします。」

 

 

主子(ウフヌン)ら叔母様にお辞儀をして立ち去る。

 

 

マィンツが、叔母様の名前なんだな。

 

よろしくとは、何の事だろう?

 

祭りが近いと言っていたから、その関係だろうか?

 

祭りとなると祈女(ユータ)が祭祀を司るのかもしれない。

 

 

マィンツはにこやかに会釈で応じるだけだ。

 

 

母屋では、床の奥でハーティとコルセが何やら話し込んでいた。

 

 

ウィーギィ爺が見当たらない。

 

チュチュ姐(ネーネ)の手伝いでもしているのだろう。

 

 

私らが入ると、コルセはサっと体を動かし、土間側のいつもの位置に控えた。

 

マィンツが床の端に腰掛けると、ティガが素早く草履を脱がせて足を洗う。

 

私の中のオッサンが「役得よのぉ」と呟いた。

 

 

マィンツがハーティの前に座し、私も続いて横に座る。

 

 

「戻りました。義兄様」

 

「うむ。クィンツはどうだ?」

 

「顔色もよく、体の方は問題はないかと。」

 

「そうか。」

 

 

ハーティは嬉しそうに口元を歪ませる。

 

 

「義兄様の言う様に、やはり神代(カヌ)られていると思います。」

 

「そうか」

 

 

ハーティは真顔になって私の顔をジッと睨む。

 

ウム。相変わらず怖いな。

 

神代(カヌ)られているっていうのは、中身が転生者だってバレバレっていう事?

 

まあ、それはそれでもいいんだけれどね。

 

でも、過度に期待されても、何も出来ないから。

 

 

「それで義兄様、鏡はそちらですか?」

 

 

マィンツはハーティの後ろに視線を移す。

 

壁に鏡が立て掛けられているが、例によって後ろ向きだ。

 

 

「見せて頂けますか」

 

「うむ。」

 

 

控えていたコルセがすかさず立ち上がって、ハーティの後ろに回り、鏡面を叔母様に向ける。

 

 

「まぁ」

 

 

マィンツは感嘆の声をあげた。

 

 

「これは…なんと見事な。見た事もない鏡ですね。」

 

「うむ。」

 

 

ハーティの鼻が高くなった。

 

 

「ムィンの物でしょうか?」

 

「いや、南来(パテラー)のものだ。」

 

「南来(パテラー)…義兄様はどこでこれを?」

 

「神様のお恵みだ。」

 

「神様のお恵み…。」

 

 

神様から貰ったんかーい?

 

んなワケはないだろう。

 

 

「義兄様は、神様に愛でられているのですね」

 

 

叔母様、それで納得するんかーい!

 

心の中でツッコミまくりだ。

 

 

「それでは、後ほどお借り致します。」

 

「うむ。」

 

 

コルセが鏡を戻す。と、ほぼ同時に、

 

 

「お食事をお持ちしました。」

 

 

チュチュ姐(ネーネ)の声がする。

 

 

 

食事は、チュチュ姐(ネーネ)らの他、初めてみる女の人たちによって運ばれて来た。

 

マィンツのお付きらしい。

 

マィンツがハーティの右に、私が左に移動すると、それぞれの前に膳が置かれた。

 

 

ティガが灯りを持って来て部屋を照らす。

 

小枝をまとめた小さな松明だ。

 

膳が照らし出される。

 

 

雑穀ご飯を盛った器に、焼き魚の切り身らしきものを乗せた葉っぱ。

 

切り身の上には上には白い粒々が光っている。

 

 

よしよし。

 

塩が振り掛けられているようだ。

 

添物は大根のぶつ切りか?

 

そして、汁の椀。

 

 

ん?

 

 

今日の汁は、なんか、色がある。

 

茶色い液体の中に青菜が揺れている。

 

 

えええ?

 

 

「お味噌汁…!」

 

 

思わず声を上げてしまった。

 

ハーティがちょっと驚いたように私を見る。

 

マィンツも私を見た。

 

 

「あら、クィンツは知っているのですか?」

 

「え?」

 

「これは、今日、マィンツ様がお持ち下さった味噌から、はじめて作ったのです。」

 

 

と、チュチュ姐(ネーネ)が説明してくれた。

 

 

「お前はどこでこれを知ったのだ?」

 

 

と、ハーティが尋ねて来る。

 

え、えええー…。

 

 

「…以前、神様が夢で…」

 

「…そうか」

 

「…そうなのですか」

 

 

ハーティとマィンツが納得の声を上げる。

 

てか、何でもそれで済むんかーーーい!

 

神様、ちょー便利扱いだなぁ。

 

 

「叔母様はどこでこれを?」

 

「兄様がソゥラヴィ様より賜ったのですわ。」

 

 

兄様っていうのは、ハーティの事じゃないよね。

 

えーと、ナータ・フーズって人だっけ?

 

で、ソゥラヴィ様って誰だよ?

 

 

「ささ、冷めてしまいますから、先に召し上がって下さい。」

 

 

チュチュ姐(ネーネ)促す。

 

 

とりあえず、例の食事用の棒切れを掴むと、

 

チャリ

 

と、という音がマィンツの方から聞こえた。

 

 

箸を掴む音だ。

 

 

マィンツが私の視線に気がついて、恥ずかしそうに微笑む。

 

 

「何だそれは。」

 

 

とハーティがマィンツの手元を見ながら訪ねた。

 

 

「箸って言うのですけれど。…その。」

 

「それもソゥラヴィからの賜り物か?」

 

「いえ。ビヤクでは、もう皆これを使っているからと、兄様のお勧めで…。」

 

「…そうか。」

 

 

ハーティはちょっと難しそうな顔をする。

 

何か考えているようだ。

 

 

この世界にも箸があるんだ。

 

現物があるなら、私も使えるかも。

 

箸なんて、ただの細い棒切れ2本なんだから、現物があるなら、ウィーギィ爺にでも作って貰えばいいかな。

 

それよりも今は…。

 

 

と、私は恐る恐る椀を掴むと、お味噌汁を啜った。

 

 

ズズ…。

 

 

う、うま!…く…もない。

 

確かに味噌だけれど、美味いって思う程じゃないな。

 

これは、あれだ…出汁が効いてないからだ。

 

単に味噌を入れただけの汁だ。

 

感動して損しちゃったよ。

 

まぁ、海水汁よりはマシか。

 

 

と、目の前でマィンツがおもむろに、汁の椀にご飯を落とした。

 

 

え?

 

猫まんま?

 

 

シャクシャクと椀を口元に持って行き飯を掻き込むマィンツ。

 

 

お、お行儀悪くないか?

 

叔母様、全然顔に似合ってないよぉ。

 

 

ハーティも驚いたような顔をしている。

 

 

「マィンツ、それは?」

 

「あ、こうすると、冷たい飯を暖かく食べられるって、教えて頂いたのです。」

 

「そう…なのか?まぁ、そうだな。」

 

「義兄様もお試し下さい。」

 

 

勧められたハーティは、少し躊躇したようだが、ガバっと飯の器を汁の椀の上でひっくり返して、から、椀を持って、口に掻き込む。

 

 

「うむ。イリキヤアマリ神の、新たなお恵みだ」

 

 

手の甲で口を拭いながらハーティが呟く。

 

 

あれ?

 

そのセリフ、この間も聞いたぞ。

 

 

私も、ご飯を味噌の椀に入れて掻き込む。

 

うーん。なっつかしい!この感じ。

 

 

お行儀悪い食べ方のような気がするけれど…。

 

原始の世界だから、お行儀がなんてどうでもいいのか?

 

 

塩に、味噌に、…箸か。

 

この数日で、食事事情が飛躍的に進化しているような気がするよ。

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海賊帝国の女神〜14話目「神垂(カンダー)れ」〜/米田

さて、君、私は転生者だ。

 

そして、前の世界では、立派な大人だ。

 

たとえ、この身が4歳女児の肉体となろうと、私の本質に何が変わろうか!

 

「我思う故に我在り」なのだ。

 

私が私である限り、それは私に他ならない!

 

 

つまり

 

 

子供じゃないんだから、いつまでも無理無理言っていも仕方が無いという事だ。

 

 

じゃあ、諦観して何でも受け入れるのか?

 

っていうのも違う。

 

 

大人というのは、しっかり考え、上手に立ち回り、最大の利益を享受するようにするって事だ。

 

全てのワガママ、要求は、必ずしも思い通りに、最短で通らないという事を理解しつつ、では、どうやったら、どういう道のりを通れば、目的に至るか?近づくか?思考を巡らせ、前進させるという事だ。

 

 

それは君の元居た世界でも同じじゃないのかな?

 

そりゃ、君の元居た世界と、私が元居た世界は違うとしても、この世界に転生して来たっていうのであれば、まったく全然異なる思想、思考という事はないだろう。

 

 

と、いう事で、私はゴザの上でアレコレ考えた。

 

 

まず、落ち着け。

 

まだ、私は4歳だ。

 

どんなに若く結婚話しがまとまるにしろ、いくら何でも、生理が始まらない限り、子作りはない。

 

いや、変質者に拉致監禁されて性奴隷にされるなんて事も、考慮せねばならいが、それはイレギュラーだ。

 

通常に置いて、すぐ結婚とかはない。これは間違いない。

 

よし、それなら焦る事はない。

 

じっくり対策なり方針を考えればいいのだ。

 

とりあえず、安心しよう。

 

 

安心したら眠くなって来た。

 

昨日の製塩、今日のイベントである。

 

4歳児にはシンドイ…かな?

 

とりあえず…私は意識を飛ばす。

 

 

で、気がついたら、夕方だった。

 

 

いやー寝た寝た。

 

ん?横に座っている人が居る。

 

だ、誰?

 

 

「目覚めましたか。クィンツ。」

 

 

女の人だった。

 

見た感じ、20代半ばって感じだろうか。

 

 

綺麗な人だ。

 

それに、優しそうだ。私を見て微笑んでいる。

 

 

私が着せられた様な白い上掛を着ている。

 

ただし、私のようなガチャガチャの装飾品は掛けていない。

 

ハチマキ見たいなものも無い。

 

髪はお団子のようにまとめられているけれど。

 

ちなみに髪の色は普通に黒だが…。

 

 

祈女(ユータ)…だよね?

 

 

「叔母様…」

 

 

女の人を見上げながら起き上がると、クィンツの記憶が勝手に口に出た。

 

 

そうだ。「叔母様だ。」

 

 

ただ、どういう関係の「叔母様」までは記憶にない。

 

「叔母様」と教えられただけだ。

 

 

んー。

 

 

母様の姉妹だろうか?…って事は親父の姉妹って事でもあるか?

 

 

「先日の神垂(カンダー)れでは、1晩寝込んだだけで済んだそうですね。良かったです。」

 

「神垂(カンダー)れ…?」

 

「…覚えて居ないのですか?」

 

 

何だ?

 

何かあったのか?

 

 

「…!…クィンツ…神代(カヌ)られたのですね。」

 

 

んん?

 

何を言ってるんだ。

 

 

「兄様のおっしゃっている事は本当なんですね。それで塩を作られた。」

 

「にぃ様?」

 

「あら。あなたのお父様の事ですよ。ハーティ兄様です。」

 

 

ああ、成る程。

 

親父の妹か何かになるのか。

 

でも、髪が黒いなぁ?

 

容貌も…とても血が繋がっているようには見えない。

 

 

あ、そういえば、

 

 

祖母様は親父を産んでから、どこかに嫁いだような事をチュチュ姐(ネーネ)が言っていたな。

 

それで、母様には、母違いの兄と、父違いの兄が居るんだった。

 

するとこの人は、母違いの兄と関係ある人なのかな?

 

という事なら、親父とは血縁じゃ無いって事か。

 

兄様は義兄という事か。

 

 

そこは納得したけれど。

 

 

「神垂(カンダー)れ…って何ですか?」

 

「先日、御嶽(おん)で奉納舞をお稽古中に神様に打たれたのです。」

 

 

ん?

 

御嶽(おん)…?

 

誰かに手を引かれて行った記憶があったけれど…。

 

そうか、この人だった。

 

思い出した。

 

 

「私も共に打たれ、意識を失って、目覚めたのが先日です。だから来るのが遅くなりました。ごめんなさいね。」

 

「いえ。叔母様もご無事で何よりです。」

 

「ありがとう…。あなたの歳で神垂(カンダー)れされた話しは聞いた事がないので、心配しました。でも、一晩で目覚めたのですから、問題ないですね。」

 

 

叔母さんはニッコリ笑う。

 

ホワンとする。

 

なんだろう?このホワンは?

 

叔母さんのキャラなのだろうか?

 

祈女(ユータ)の特性なのだろうか?

 

祈女(ユータ)の特性なら、私も他人にホワンとさせているのだろうか?

 

鏡で見た時は「萌えーーーー!」って感じなのだけれど。

 

 

「神垂(カンダー)れされた後は、引揚(ヒュク)をしないとイケません。」

 

「引揚(ヒュク)?」

 

「クィンツ、神様への祈りの言葉も、舞も忘れちゃったのではないですか?」

 

「え?ああ」

 

 

そう言えば、そうだ。

 

私は祈女(ユータ)であるという記憶はあるけれど、具体的に何をするのか、覚えていない。

 

というか、思い出せないのか?

 

何か踊っていた覚えはあるんだけれども。

 

 

「引揚(ヒュク)をすれば、大体は思い出せます。そしてあなたの力も揚がっているでしょう。」

 

 

お!

 

おお〜!

 

来たよぉ!来た来た!

 

魔法使い展開だぁ!

 

異世界転生の定番だ!

 

チートだよ。やっとチートが手に入るよ。

 

 

「嬉しいですか?」

 

「はい!叔母様」

 

 

キット私の目はキラキラしていたに違いない。

 

叔母様は苦笑する。

 

 

「稀に力が揚がらない場合もあります。あまり期待しすぎないでね。」

 

 

アラ。なんだか上げて落とされたような感じだ。

 

でも、「稀」でしょ?「稀」

 

 

「引揚(ヒュク)は何時(いつ)するのですか?」

 

「もう祭りまで日が有りません。祭りの夜に併せて行いましょう」

 

「祭りの夜?」

 

「明後日ですよ。」

 

 

うっひょぉ。明後日の夜かぁ。高まるぅ。

 

 

「ハーティ様がお戻りです。すぐ夕食になります。」

 

 

ティガが伝えに来る。

 

叔母さんは振り返ると

 

 

「こちらでも塩が使われるのでしょ?楽しみです。」

 

 

と、呟いた。

 

ん?叔母さんは塩を知っているのか?

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海賊帝国の女神〜13話目「母様」〜/米田

家に戻ると、自分の家屋で降ろされる。

 

 

チュチュ姐(ネーネ)が待ち構えて居て、さっき付けてくれた装飾品をバンバン取り去って行く。

 

それから濡れた布が出される。

 

化粧を落とせという事らしいが、布を使うとは贅沢な。

 

顔と腕を拭き終わると、自分で見えない所を、チュチュ姐(ネーネ)がギュウギュウ拭き取る。

 

 

痛い…痛いよ。容赦ないなぁ。

 

 

それが終わると、バサバサと着物を脱がされ、スッポンポンにされた。

 

 

「こちらにお召し替えを」

 

 

いつもの着物…ただし洗濯済みのヤツが出される。

 

大人しく着る。

 

 

で、お昼寝の時間だ。

 

 

眠いのを朝から振り回されたから眠い眠い。

 

さっきまでは興奮していてバッチリだったけれど。

 

 

私は布団代わりのゴザの上にコテンと横になる。

 

チュチュ姐はゴタゴタと後片付けをしていた。

 

私はさっき聞いた事…ハーティが叫んでいた事の意味を確認したくなる。

 

 

「姐(ネーネ)」

 

「何ですか?」

 

「私の名前は何?」

 

「はい?」

 

 

チュチュ姐(ネーネ)は怪訝そうな顔をした。

 

 

「アーク・クィンツ様でございます。」

 

「…じゃあ、私の母様の名前は?」

 

「え?」

 

 

母様…そうだ、この家で、私は母様に会った事がない。

 

というか、居ないのは明白だ。

 

クィンツの記憶の中でも思い当たらない。

 

何故居ないのか?

 

とか、クィンツは考えなかった。

 

最初から居ないのだから、疑問にも思わなかったらしい。

 

他の家族と交流とかあれば、また違ったのかもしれないけれど、クィンツの記憶には、そういうものもない。

 

 

「アーク…クィンツ様にございます。」

 

「…ですか。」

 

 

私は母親と同じ名前らしい。

 

 

「姐(ネーネ)は、母様に会った事があるの?」

 

「…はい。」

 

「どんな人だった?」

 

「とても…お綺麗な方でした」

 

 

ですよねぇ。どう考えても私のような美幼女が、赤鬼のようなハーティ似とは思えない。

 

 

「ふ〜ん。」

 

「……。」

 

「私が母様と同じ名前って事は…もしかして私が産まれた時に、母様はお亡くなりになったのですか?」

 

「…はい。」

 

 

そうだよね。でなければ、ややこしくなる。

 

居なくなったから、その名前を引き継いだのだ。

 

 

「じゃぁさ、姐(ネーネ)」

 

「クィンツ様、もうお休みになられた方が…」

 

「う〜ん。これだけ。」

 

「…なんでしょうか?」

 

「母様の母様…私の婆様の名前は?」

 

「アーク・ハノン様だと聞いています。」

 

「会った事は?」

 

「ございません。私はハノン様亡き後クィンツ様のお相手として、お側に仕えたのです。」

 

「そうなんだ。」

 

「はい。」

 

「じゃぁ…」

 

「今ので最後なのでは?」

 

「今度が本当に最後だよ」

 

 

ちょっとイタズラっぽく微笑んで見た。

 

チュチュ姐(ネーネ)は軽くため息を付いた。

 

 

「父様の母様…の…名前は?」

 

「……」

 

「姐(ネーネ)?」

 

「…アーク…ハノン様です。」

 

 

うっわぁあああ。やっぱりかぁあああ!

 

親父とお袋は、兄姉でやんの!近親婚でやんの!近親婚の子が私なのかぁあああ!

 

私の虚弱体質の原因はそれかぁ!

 

肌が透き通るように白いのも、そのあたりの影響かぁああ!

 

 

「もう、よろしいでしょうか?」

 

「えっと、父様と母様では、どっちが…その、年上だったの?」

 

「…ハーティ様です。…ハーティ様が産まれた後、ハノン様はナータ家に入られ、クィンツ様をお産みになったと伺っています。」

 

「それって、父様と母様では、父親が違うって事?」

 

「はい。」

 

 

はー。よかった。少しは血が薄いよ。

 

ドロドロじゃなくて、ドロってぐらいだよ。

 

ちょっとだけマシか?

 

ちょっとだけだけれどさ。

 

 

「でね、姐(ネーネ)」

 

「ハーティ様」

 

 

チュチュ姐(ネーネ)は明らかに不機嫌な顔をして唇と尖らせた。

 

 

「違うの。違うの。ちょっとだけ気になったの」

 

 

はぁ。と、チュチュ姐(ネーネ)は再びため息。

 

 

「何でございましょう」

 

「兄妹で結婚するって…大丈夫なの?」

 

 

原始社会ではそういう禁忌は無いのだろうか?

 

 

「クィンツ様は…お母様は…」

 

「はい?」

 

「お美し過ぎました。」

 

「は?」

 

「引き合う男は、このエーシャギーク島のみならず、イヤィマの島々全部を見ても見当たりませんでした。」

 

「はあ。」

 

「それこそ、フーズ様か、ハーティ様以外は、お相手の対象になり得なかったのです。」

 

「フーズ様?」

 

「ナータ・フーズ様…その…ナータ家の長男です。ハノン様が入られた家の。」

 

「え?」

 

「フーズ様のお父様のフーク様が、ハノン様のお相手です。」

 

「はい?」

 

 

ちょ、待てよ。どういう事?

 

フーズの父親、フークとハノンがくっついて、私の母のクィンツが産まれた…と。

 

つまり、フークの連れ子がフーズで、それって、結局クィンツ母さんの兄ちゃんって事じゃん。

 

母違いの兄ちゃんが、フーズで、父違いの兄ちゃんがハーティって事か。

 

 

え?

 

 

つまり、クィンツ母さんは、どっちにしろ、兄に当たる人と結婚する羽目だったって事?

 

 

「えーと…姐(ネーネ)…」

 

「はい。」

 

「母様は、兄に当たる人以外、見合う相手が居なかったって…そういう事でしょうか?」

 

「はい。」

 

「その場合、兄に当たる人も、結婚対象になるって…そういう事ですね?」

 

「はい。」

 

「そうなんだ。」

 

 

見合う相手がいなければ、近親婚もやむなし!ってそういう社会か?

 

ふーん。なるほど。ふーん。

 

 

「クィンツ様」

 

「ん?」

 

「クィンツ様も、大変美しく有られます。」

 

 

知ってる。今日鏡で見た。萌え死するぐらいだったから。

 

 

「金色の髪の輝き、白く透き通る肌、失礼ながら、前のクィンツ様以上です。」

 

「そうなのですか?」

 

 

なんか嬉しいな。美人中の美人だよ。むふふふ。

 

 

「はい。…このままでは…その。前のクィンツ様と同じく、引き合う男が見つからないかもしれません。」

 

「ん?」

 

 

引き合う男…が、居れば、結婚…か。

 

いや、考えた事なかったな。

 

でも、この世界で生きて行くとなると、どこかで結婚する事になるか。

 

って、結婚っていうと、あれか…。

 

あんなことや、こんな事を…。

 

男と!

 

せにゃならんて事か?

 

え?まて?まてまて?

 

 

まぁ、引き合う男が居ないなら、結婚しなくていいから、いいのか。

 

 

「その場合、やはり、フーズ様か…ハーティ様が、お相手の対象となります。」

 

「んん?」

 

 

フーズって、母さんの兄さん、つまり伯父でしょ。

 

 

っていうか、ハーティは父親だぞ!

 

 

おいおいおいおいおい!

 

どういう事?それ、何言ってるの?

 

 

「フーズ様も、ハーティ様も、もはや大英雄(ホンクァウラ)の貫禄で御座います。この域にたどり至れる方は、神となられた方々だけです。将来、女神のごとく美しくなられるであろう、クィンツ様のお相手としては、このお二人ぐらいしか思い当たりません。」

 

 

はい?

 

 

「親子で結婚とか…あり得るのですか?」

 

「見合うのであれば。」

 

 

ちょ、待てぇ!

 

ちょ、待てやぁ!

 

 

「ね、年齢が違いすぎるのでは?」

 

「年齢?」

 

 

はう!?

 

しまった、チュチュ姐(ネーネ)の旦那はウィーギィ爺だった。

 

20歳も違ったんだ。

 

私とハーティもそれぐらいか。

 

年齢全然関係ねーよ。

 

 

てか、年齢も、親子関係も超越して番(つがえ)させようというこの社会は、マジぱねぇ。マジあり得ない。

 

 

「で、でも、本人の意思も尊重されるのですよね?」

 

「本人の意思ですか?」

 

「結婚したくないという気持ちです」

 

「…先のクィンツ様も…いえ。何でもありません。」

 

 

おい!

 

気になるじゃねーか。

 

母様がどした?

 

どしたんじゃーい?

 

 

「行きます。クィンツ様はお休み下さい。」

 

 

そう言ってチュチュ姐(ネーネ)は、返事も聞かずに立ち上がった。

 

 

「あ?ああ…」

 

 

私はその背中を見送るしか出来ない。

 

 

てか、衝撃の事実。

 

 

今まで食事改善計画という目前の事しか考えて居なかったが、そうか。

 

この世界で生きて行くとなれば、人生プランというのが必要だ。

 

まさか父親と結婚とか。

 

 

無理だ。

 

 

伯父さんというのがどういう人か知らないが、赤鬼よりはマシか?

 

いやいや、そういうレベルではない。

 

そもそも、中身が男の私が、男と、…とか、無理無理無理。

 

 

無理じゃない人とか、むしろ積極的に愛したい人もいるかもしれないが、私は無理だ。

 

 

せめて、せめて、せめて…

 

 

と、何故かニシトウくんの顔が浮かんだ。

 

一瞬ホワンとした気持ちになったけれど、やっぱり無理ーーーーー!

 

 

ニシトウくんだろうが、何だろうが、男はムリーーーーー!

 

 

ゴザの上で、私は頭を抱え込んだ。

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海賊帝国の女神〜12話目「恵み」〜/米田

カンカンカン

 

カンカンカン

 

 

と、どこかくぐもった音が響いている。

 

金属を叩くような音ではなく、これは、乾いた木を打ち鳴らす音だ。

 

 

私は、例によってティガの背中で運ばれている。

 

ちょっと小走りだ。

 

後からウィーギィ爺も小走りで付いてきている。

 

 

こっちの方向は、アレだ。

 

田んぼがある方だ。

 

田んぼの向こうにウォファム村の集落がある。はず。

 

クィンツの記憶だと、そうなっている。

 

 

大勢の人が集まっている気配がする。

 

 

そうそう。

 

昨夜ハーティが主子(ウフヌン)らに指示を出していた。

 

村人らに、合図したら小ツボを持って集まるよう伝えろって。

 

確か、塩を恵むとか言っていた。

 

その集会ということか。

 

 

田んぼの手前で私は降ろされる。

 

ウィーギィ爺が顎髭を撫でながら、私の周りをぐるぐる回ってジロジロ見ている。

 

何やら最終チェックって感じだ。

 

 

「村の衆!よくぞ集まった」

 

 

ハーティの大声が田んぼの方から聞こえる。

 

ここからだと、小さな茂みが間にあって、田んぼが見えない。

 

茂みより背の高いウィーギィ爺やティガらには問題ないらしいが。

 

二人して一点を見ている。

 

そこにハーティが居るのだろう。

 

 

「皆の働きで、初夏のコメの刈り取りは終わった!今回も豊作である。」

 

 

ハーティの声に続いて別の声が飛ぶ。

 

 

「豊かな実りは、ハーティ様が下さる鉄器のお陰だーーー!」

 

「そうだ!そうだーーーー!」

 

「ハーティ様こそ太陽(ティダ)の子だ!」

 

「その通り!」

 

 

サクラでも仕込んでいるのだろうか?

 

だが、村人らも熱狂しているようだ。

 

掛け声に合わせて歓声が上がる。

 

 

うぉぉおお!

 

 

歓声に合わせて、例の木を叩く音が、あちこちからも響いてくる。

 

 

カンカンカン

 

 

歓声が収まるのを待って、ハーティの声が続いた。

 

 

「お前たちが言うように、鉄器が実りをもたらした」

 

 

うぉおぉおぉ!という歓声と、カンカンカンと木を打ち鳴らす音。

 

 

「鉄器はハーティムルの神、ゲートゥ・ホーラと、その子にしてトクトウムの神、ヌゥハラ・カンドゥのお恵みである!」

 

 

うぉぉぉぉおぉおぉ!

 

カンカンカンカン

 

 

「知ってのように、我アーク・ハーティはゲートゥ・ホーラの血を引く者であり、火食の神、イリキヤアマリの化身、アーク・ハノンの子である!」

 

 

うぉぉぉぉおおぉおお!

 

カンカンカンカンカン

 

 

「イリキヤアマリは、我が母アーク・ハノンを殊(こと)の外(ほか)愛(め)でされ、様々な火食の恵みをエーシャギークに持たらした!」

 

 

うぉぉおおおおおおおぉお!

 

カンカンカンカンカンカン

 

 

「その娘、アーク・クィンツもまた同じ!」

 

 

うぉぉぉぉおおおおおおおぉぉおぉ!

 

カンカンカンカンカンカンカンカン

 

 

「そして、その娘にして我が子、アーク・クィンツ2世も、イリキヤアマリの恩寵を受け、今、新たなお恵みを我らにお与え下さった!」

 

 

ん?何か今、とんでも無い事言ってね?

 

 

「新たな恵みだぁああーー!」

 

「アーク・クィンツ様に誉(ほまれ)アレェーーー!!」

 

 

うぉぉぉぉおおおおおおおおおおおお!!!

 

カンカンカンカンカンカンカンカンカンカン

 

 

「アーク・クィンツ2世を此処に!」

 

 

ハーティが叫ぶ。ウィーギィ爺が背中を押した。

 

 

私の出番らしい。

 

 

私は茂みを出て、田んぼの畦に出る。

 

刈り取りを終えた田んぼには、村中の者たちが集まっていた。

 

ざっと、2〜300人は居るだろうか?

 

畦の上に小さな台があり、その上にハーティが立っている。

 

 

演説台だね。

 

 

私はハーティの側に歩み寄る。

 

ハーティの主子(ウフヌン)であるコルセが私を抱え上げ、ハーティに渡す。

 

ハーティは私を背中から抱えると、田んぼの群衆に向かって高々と突き出した。

 

 

おぉぉお…

 

 

群衆のどよめきが聞こえる。

 

 

知ってる。これ。

 

某ライオンの王様っていうアニメのワンシーンだ。

 

 

頭の中で「はんにゃぁああ、なんとかぁあらああ」とかいうBGMが響き渡るぞ。

 

ハーティは猿役か。

 

ゴリラって感じだけれど。

 

 

掲げられた私は、さぞ神々(こうごう)しいのだろう。

 

村の衆らの瞳がキラキラしているじゃないか。

 

というか、皆んな膝まづき出した。

 

土下座する連中も出て来たぞ。

 

日に照らされて、私の頭もクラクラする。

 

 

ハーティが私を台の上に下ろす。

 

 

「この度、イリキヤアマリがクィンツ2世を通してお恵み下さったものは、塩だ!」

 

 

ガガーーン!

 

 

効果音のごとく木が打ち叩かれる。

 

あ、やっぱりあの木を叩く音は演出だったんだ。

 

 

ズィと主子(ウフヌン)らが、塩が入ったカメの乗った輿を、高々と持ち上げた。

 

 

「しぉお?」

 

「シオ?」

 

「しおぉ…???」

 

 

群衆からは困惑の声…。

 

ですよねぇ。

 

ハーティだって昨夜まで、塩が何だか知らなかったのだから。

 

 

「塩は海の水から作られる!」

 

 

そう言いながら、輿に乗せられたカメの口に両手を突っ込むハーティ。

 

むんずと塩の塊を掴み取る。

 

 

「この塩を飯や添え物にまぶせば、たちどころに旨味が増し、幸を覚える!」

 

 

どばぁっと、ハーティが掴んだ塩を放り投げた。

 

白い粒が飛び散り、太陽の光に反射し、キラキラ輝き、聴衆の上に降りかかる。

 

雪のようだ!

 

てか、この島の住人は雪なんか見たことないだろうけれど。

 

だが、幻想的なのは間違いない。

 

 

悲鳴のような歓声が上がった。

 

 

大した大衆扇動者だ。

 

 

「この塩を、小ツボ一杯、お前らに恵もう!イリキヤアマリの化身、アーク・クィンツに感謝の祈りを!」

 

「ああ、イリキヤアマリ様!」

 

「クィンツ様ぁあ!」

 

 

聴衆は興奮のるつぼだ。

 

てか、塩がなんだか、まだよくわからないでしょ?

 

いいのか?そんなに感激して。

 

 

背中をポンポンと小突かれる。

 

 

「うん?」

 

「クィンツ、思いっきり両手を高く掲げろ」

 

 

ハーティの指示だ。

 

なんだかよくわからないけれど、言われた通り、バッと万歳のポーズを取る。

 

体のあちこちの装飾具がキラリンと光った。

 

 

はわわわ〜〜!という空気が流れ、人々が真っ赤になる。

 

 

「クィンツ様ぁ…なんと、なんと愛らしい」

 

 

何人かが恍惚とし、泡を吹いてぶっ倒れたぞ。

 

いや、わかる。

 

私もそっち側だったら、きっとそうなるに違いない。

 

これは自惚れじゃない。

 

鏡に映った美少女を想像すれば、そういう結論に達するのだ。

 

 

ハーティは、再び私を抱き上げると、台から降りて、ウィーギィ爺に渡す。

 

 

「もう良いぞ。下がれ。」

 

「はい、ハーティ様」

 

 

ウィーギィ爺が私を地面に下ろす。

 

私はくるりと振り向いてハーティを見、ちょこんとお辞儀をする。

 

 

「それでは父様」

 

 

頭をあげて行こうとすると、ハーティが呼び止める。

 

 

「あ、ちょ、待て」

 

「はい?」

 

 

ハーティは私を、ギョロリギョロリと見る。

 

怖い。

 

怒っているのかな?

 

と、怯えていたら、ニャハラを相好を崩した。

 

 

「うむ。うむ。可愛いぞ。」

 

 

いやだ、この人。耳まで赤くなってるよ。父親でしょ?

 

 

「はい。ありがとうございます。」

 

 

改めて、ちょこんとお辞儀をし、トコトコを茂みの裏に向かう。

 

 

なんだかキモい!

 

 

茂みの裏ではティガが背中を向けている。

 

例によって背中には布が弾いてある。

 

私はバフンと抱きついた。

 

 

ああ、何だか疲れちゃった。

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お風がピューピュー/めぐか

寒くなりました。とても。

こないだなんて、ちょっとコンビニ寄るのにマフラー首に巻いちゃったよ←流石にやりすぎ笑

 

もう秋服じゃなくて、ニットとか、冬服でもいいんじゃなかって。流石に浮くかな…(><)

 

 

インフルも流行り始めたらしいですよ。

手洗いうがい。しっかり予防していきましょ。

 

 

こんなに、寒いと、髪切ろうと思ってたのに、ちょっと迷っちゃうよね。切る時はバッサリいきたい派です。

大丈夫か、地球ーーーー!

 

 

あ、全然関係ないけど、

苦手料理だったゆで卵。克服しました。

私、ゆで卵、ちゃんと茹でれたし、半熟も作れます。笑

 

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海賊帝国の女神〜11話目「鏡」〜/米田

ティガの背中に揺られて母屋の石囲いの前まで戻って見ると、昨日歩いた「炉」に続く道からウィーギィ爺が子供を連れてやって来るのが見えた。

 

まだ遠くてよく分からないが、炉からなんだから、あれはきっとニシトウくんだ。

 

 

「おーい。おーい。」

 

 

私が手を振ると、子供が駆け寄ってくる。

 

やっぱりニシトウくんだった。

 

子犬みたいで可愛い。

 

 

「クィンツ様」

 

 

ニシトウくんは、そう声を掛けて来たかと思うと、ギョッとした顔で立ち止まった。

 

 

「おはよう。ニシトウくん。」

 

「お、おはようございます。」

 

 

後からやってきたウィーギィ爺も、一瞬目を見開いたが、すぐにニッコリした。

 

 

「おやおや。」

 

「ん?」

 

 

あ、そうか。髪の毛か。

 

水浴びしたから、綺麗な金髪になったのだ。

 

それにビックリしてるんだな。

 

 

「どう?綺麗になったでしょ。チュチュ姐(ネーネ)に洗ってもらったの」

 

「そう…ですか。」

 

 

薄茶色から金髪なんだから、そりゃ驚くよね。

 

 

というか、この島の住人は、父親のハーティが赤髪である以外、みんな黒髪だ。

 

あ、ウィーギィ爺は白髪だった。

 

年寄りにはそういう人もチラホラいるか。

 

 

前の世界で、アジア系って呼ばれていた人種と、ほぼほぼ同じだけれども、日焼けしていて、みんな肌黒い。

 

まぁ、ハーティは毛だけでなく、肌も赤灼けして異形なんだけれど。

 

 

…種が違うんだろうなぁ。

 

 

ハーティの娘である私も、島の皆んなとやっぱり毛色が違う。

 

だって肌がすごく白いんだから。

 

 

ああ…もともとからして引きこもりっぽいから、そのせいでもあるんだろうけれど。

 

 

そんな事考えていても、お構い無しに、ティガは母屋に入って行く。

 

降ろされて、床端で足を洗ってもらってから、床の上に立つ。

 

てか川以外、ほとんど足を地面に着けてないんだから、洗う必要があっただろうか?

 

習慣だからいいのか?

 

 

「朝食を頂いたら、クィンツ様はお化粧となります。」

 

「お化粧?」

 

「あちらの鏡をお使いください。」

 

 

ウィーギィ爺が指差す。

 

振り返ると、昨日ハーティが置いた塩の小ツボの隣りに、細長い黒茶色の板が置かれている。

 

周囲がゴテゴテと飾られているようだが、裏側をこちらに向けて壁に立てかけられているらしく、飾り職人の腕前はわからない。

 

 

「あれ、鏡なの?」

 

「はい。ハーティ様が先ほど蔵からお持ちになって、置いて行かれました。」

 

 

出たーーーー。ハーティの猫型ロボット蔵。

 

 

え?猫型ロボット蔵って何かって?

 

う〜ん。

 

私の前の世界のネタだよ。

 

猫型のロボットが…って、あれは本当に猫型なのだろうか?

 

頭がつるんつるんなのだが。

 

…まぁ、いいか。

 

 

中華鍋にしろ、塩にしろ、鏡にしろ、ハーティはこの島の文明レベルから見てオーパーツと言えるようなものを、ちょこちょこ蔵から出して来る。

 

だから、猫型ロボット蔵って呼んで見たんだけれどね。

 

 

鏡なんて、この島のレベルじゃ、水鏡がせいぜいなんじゃないのか?

 

あ、でも、前の世界でも、古墳の出土品が鏡だったな。

 

じゃあ意外と歴史が古いのか?

 

 

私はトコトコと壁まで行って、鏡に手を掛ける。

 

ウィーギィ爺がすっ飛んできた。

 

 

「いけません。貴重なものです。お気をつけ下さい。」

 

「じゃあ、爺(ジージ)が手に持って」

 

 

ウィーギィ爺が困ったような顔をしてから、鏡を掴んだ。

 

 

「少しだけですぞ。朝食の後には化粧で使うのですから、その時ゆっくりご覧になれます。」

 

 

鏡がひっくり返される。

 

キランと光が反射した。

 

 

眩しい!

 

 

一瞬閉じてから、ゆっくり目を開ける。

 

 

ええ?

 

 

そこには輝くような金の髪と、透き通るような肌をした、天使のような幼な子が居た。

 

 

誰?

 

 

ジィッと見つめる。

 

鏡の子もこっちを見ている。

 

 

目がデカイ。

 

 

いや、この島の子供たちも大概目がデカイけれど、それより一回りはデカくね?っていうぐらいデカイ。

 

その上、瞳まで金色だ。

 

なんと神々しい!

 

 

あれ?

 

 

このシチュエーションは、昨日も無かったっけ?

 

 

そうだ。

 

 

ニシトウくんの瞳だ。

 

ニシトウくんの瞳も金色だった。

 

いや黄土色か?

 

 

でも、鏡の中の子の瞳は、紛う事無く金色だ。

 

これは黄土色とは云えない。

 

 

て、いうか、まつ毛も金髪?

 

眉毛も金か。

 

やや髪の色よりは濃いとは云え、すごいな。これは。

 

 

目だけでなく、ちょこんとした鼻。

 

プニュプニュの唇。

 

頬はプニンとしており、実に柔らかそう…。

 

 

そして肌。

 

シミひとつないツルンツルンの肌。

 

それでいて、保湿感タップリだ。

 

 

か、可愛いぃぃいい!

 

反則だろ!この可愛さは!?

 

トキメキが半端ないんですけれど!

 

見ているだけで口元がだらしなく歪む。

 

 

そ、そうか、だから皆んな口元が歪んでいたんだ。

 

その上、全体がキラキラしているから、それを写す瞳もキラキラしてしまうのだ。

 

鏡の中の瞳もキラキラしている。

 

なんだこの合わせ鏡効果は!?

 

 

で、これが私?

 

 

うっそぉおおん。

 

前の世界のくたびれたオッサンはどこーーーーーー?

 

 

数分ぐらいウットリ見つめてしまった。

 

だって目が離せないんだもん。

 

 

「う、うおっほん」

 

 

ウィーギィ爺がわざとらしく咳払いをする。

 

 

「あ」

 

「クィンツ様、朝食をお取り下さい。」

 

 

そうだった。

 

昨夜から調味料に塩が使われ、すっかり美味しくなったご飯が私を待っている。

 

もちろん、前の世界とは、まだまだ比較にならないけれど、昨日の朝食に比べれば雲泥の差だろう。

 

 

「いっただきまーす」

 

 

私は食事用の棒切れを掴む。

 

 

うにゅ。

 

 

これも、箸に変えねば…。

 

それに、海水スープ?

 

海藻らしきものが入っているわけだが、味噌汁とかに変更出来ないのだろうか?

 

味噌がないから無理なのだろうか?

 

味噌のレシピなんて知らんがな。

 

大豆使うんだっけ?

 

まだまだ食事改善計画は完結しないなぁ。

 

 

「ごちそうさまでした。」

 

「まぁ、クィンツ様、全部お食べになられて。」

 

 

なぜかチュチュ姐(ネーネ)が涙ぐむ。

 

そんなに心配してくれてたんだ?

 

ご飯が美味しくなれば、もっと食べるよ。

 

太っちゃうかな?

 

せっかくの美幼女なのに、それは嫌だな。

 

 

食事の片付けはティガに任されて、化粧はチュチュ姐(ネーネ)が施してくれるらしい。

 

まぁ、男の子の出る幕じゃないから、当然だろう。

 

 

まずは、長い髪の毛をまとめ上げて、頭の上にお団子を作る。

 

ちょっと金髪とは似合わないけれど、この島の女子の標準正装らしい。

 

それから白粉…は必要ないと判断されたらしく、赤い粉が細い刷毛(はけ)みたいな道具でうっすら頬に塗(まぶ)せられる。

 

おお。なんか血色よく見える。

 

続いてまぶたに墨を入れる。

 

目を開くと、まつ毛が墨と金髪の混合で、何やらすごい事になっている。

 

その上で、眉毛、目尻、頬横に、謎な文様が入れらる。

 

前腕にもだ。

 

 

原始人ぽい!

 

 

最後に唇に紅が引かれる。

 

謎な文様以外は案外簡単な化粧だ。

 

まぁ原始社会なんだから、こんなものかもしれない。

 

 

「こちらを」

 

 

ウィーギィ爺が乳色の地に七色に輝く串を差し出した。

 

 

何で作られているんだろ?

 

 

受け取ったチュチュ姐(ネーネ)は、ゆっくりとした手つきでしっかり頭に差し込む。

 

次に白い上掛。

 

 

袖がある着物は、この島に来てから初めて見たぞい。

 

 

それから、何やらジャラジャラした装飾品多数が首からかけられ、手首に巻かれ、さらに頭に刺さる。

 

 

幅広の白いハチマキ見たいなのもおデコに巻かれてお団子の後ろで結ばれた。

 

 

全体的に白いが、装飾品やら髪飾りが派手でポイントとして引き立たせてくれる。

 

 

うーん。

 

なんだか古代の巫女っぽい。

 

 

あ、これが「祈女(ユータ)」の正装なんだな。

 

そりゃ巫女っぽいわな。

 

 

素材が良すぎるから、何着せられても、鏡を見ている自分は高まるのではあるが…。

 

 

で、今日は何故、こんな格好を?

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海賊帝国の女神〜10話目「キレイキレイ」〜/米田

さて、4歳児の朝は遅い。

 

寝る子は育つ。というのは、前の世界にあった言葉だけれど、君の世界には無かっただろうか?

 

そもそも、前日は「炉」に出かけて、ずっと製塩作業に付いていたのだ。

 

疲れが残るのは当然だろう。

 

ってか、別に私は何もしてないし、「炉」でも昼寝していただけだし。

 

テヘペロ

 

あ、きっと、こっちの世界で初めてお腹一杯食べた影響もあったかもしれない。

 

ともかく、その日、私はとても眠かった。

 

 

その上、普段なら、誰も起こしに来ないのに、どういうわけか、その日はティガに起こされた。

 

最初の出会の時は、寝ている私を黙って見つめているだけのヤツなのに…何でだ?

 

今回は積極的に揺すって来る。

 

 

「クィンツ…様。クィンツ様。起きて…。」

 

 

ちょっとオドオドした感じだ。

 

どうも、歳の割に体もデカく力も強いから、変に扱うと私が壊れてしまうんじゃないかと、慎重になっていたらしい。

 

それでも、揺さぶられる事に変わりはない。

 

私は目を覚ました。きっとチョー不機嫌な顔だろう。

 

 

「なぁに?ティガ。」

 

「姐(ネーネ)が待っています。」

 

「姐(ネーネ)が?何で?」

 

 

ティガはそれには答えず、背中を向けた。

 

乗れって事か?

 

私は気だるい感じで起き上がって、ティガの背中に倒れこむ。

 

ティガは私を背負うと、トントントンと動き出す。

 

歩くよりは早足なんだが、走るって感じではない。

 

チュチュ姐(ネーネ)がいつも居る、賄い作り用の家屋に向かうのかと思っていたら、そのまま母屋の石囲いの脇を通って、ウチの屋敷群から抜け出した。

 

 

「え?どこに行くの?」

 

「…川です。」

 

「川?」

 

 

例によってジャングルを貫く小道を進むと、果たして川があった。

 

そんなに大きくない川だ。

 

てか小川だ。

 

岩場があって水の流れが塞き止められている所がある。

 

 

これは記憶にあるぞ。

 

クィンツが水浴びしていた場所だ。

 

 

チュチュ姐(ネーネ)が川の脇に控えている。

 

 

「水浴びするの?」

 

 

ティガの背中から降りて、チュチュ姐(ネーネ)に尋ねる。

 

 

「そうです。そのあと、お召し替えをします。」

 

 

ふむ。風呂って事か。

 

でも、いくら暑い島とはいえ、日が昇ったばかりの川の水は冷たそうだ。

 

 

「冷たいのはイヤ。」

 

 

と、つぶやいて見る。

 

 

「大丈夫です。」

 

 

チュチュ姐(ネーネ)が顎を上げて示すので、振り返って見ると、やや川上に、デカイカメが置かれていた。

 

カメは切られた木の枝に支えられて、少し斜めに置かれている。

 

地面と傾いた底の間には火が燃えているぞ。

 

どおりで、なんか煙いと思った。

 

しかし、これは…。

 

なんと、お湯を沸かしているらしい。

 

私を下ろしたティガがその脇に立つ。

 

 

「あそこから熱いお湯を流します。川の水は温むでしょう。」

 

 

おお、配慮してくれているんだ!

 

嬉しい!

 

私は頷いた。

 

 

「では、お召し物をお脱ぎ下さい。」

 

 

は?いきなり?

 

てか、確かにここには私たちしかいないけれど、ティガは男の子なんだけれど。

 

ティガの前で裸になれと?

 

まぁ、4歳児が裸になるのを恥ずかしがるのも変か?

 

というか、よく考えたら、用を足す時、結構ティガに見られていたような気がする。

 

一応草むらでしゃがんで居たんだけれどね。

 

仕方がないなぁ。

 

とはいえ、大人の記憶があるから、人前で裸になるのはやっぱり抵抗がある。

 

 

私は唇を尖らせながら、しぶしぶ着物を脱いだ。

 

一枚モノだから直ぐスッポンポンだ。

 

チュチュ姐(ネーネ)が合図をすると、ティガは斜めっていたカメを横に倒す。

 

ティガは熱くないのかな?

 

ジャアアっとカメの口からお湯が溢れ、湯気が流れてくる。

 

それに合わせて、私も足先を川面に付けた。

 

 

うん。冷たくない。

 

まぁ、温かくもないけれど。

 

 

草履を履いたママ、ずんずんと川の中に入って行く。

 

腰ぐらいの深さの所で振り返ると、ドンブリぐらいの椀と、枯れ草の塊を手にしたチュチュ姐(ネーネ)が、太ももあたりまで着物の裾をあげて付いて来た。

 

おおっと、股間の草むらがのぞいているぞ。

 

ラッキースケベというべきか?

 

女子のパンツとか無い世界だから、直だよ。直。

 

まぁ、チュチュ姐(ネーネ)は妊婦なんだけれど。

 

臨月っぽいのだけれど。

 

…それ以前に、私自身が、女だったんだけれども。

 

しかも4歳。

 

女性の股間にトキメク立場ではない。

 

 

と、アレコレ思考が迷走している隙に、チュチュ姐(ネーネ)はドンブリ椀で水を汲んで、ドバーっと頭から掛けてくる。

 

次いで、枯れ草の塊で、体をゴシゴシ洗いだす。

 

 

適当なタイミングで、ティガがカメをさらに倒して、追加のお湯を流してくれた。

 

少し温い水が流れて来る。

 

あれ?

 

これは、私への配慮ではなくて、妊婦であるチュチュ姐(ネーネ)への配慮なんじゃないか?

 

 

ゴシゴシゴシ。

 

チュチュ姐(ネーネ)は情け容赦なく私の体を磨く。

 

ちょっと痛いよ。

 

いや、かなり痛い。

 

ヒリヒリする。

 

普通の4歳だったら泣いちゃうよ。

 

まぁ、私は、それぐらいじゃないと、体の汚れが落ちないって分かるけどさ。

 

 

体を洗ったあとは、デカイ櫛らしきもので、濡れた髪を梳いてくれた。

 

何だか黒い水滴が溢れるんですけれど。

 

相当汚れていた感じなんですけれど。

 

うん?

 

私って、もしかして、ものすごく金髪?

 

薄茶色の髪だとは思っていたけれど…髪が汚れていただけだと、この時初めて気が付いた。

 

 

最後にドバーっと、やっぱり頭から水を被せられて、私達は岸に上がった。

 

 

ティガが畳んだ布を差し出す。

 

それも何枚もだ。

 

普段何かを拭き取るのは枯れ草なのに、今日は、モノすごく贅沢な感じだぞ。

 

 

一応ティガは目線を逸らして、私の裸は見ないようにしているらしい。

 

でも、なんか、顔が赤い?

 

気のせいか?

 

 

体も頭もゴシゴシ拭かれた後、新しい真っ白な着物を着せられる。

 

帯が淡いピンクなんだけれど。

 

そんな色で染める技術があったんかーーーい?

 

ちょっとバカにし過ぎていたか?

 

 

新しい櫛を持ち出したチュチュ姐(ネーネ)が、再び髪を梳いてくれる。

 

ティガが葉っぱの団扇で煽ってくれた。

 

うむ。ヘアドライアーだ。

 

涼しい。

 

 

石鹸とか使ってないから、ツルンツルンとは言えないけれど、こっちの世界に来て最高にスッキリした。

 

髪の毛も、結局二人掛かりで、丁寧に手に取って煽ってくれたから、フワフワだ。

 

チュチュ姐(ネーネ)が、ものすごく嬉しそうな笑顔になっている。

 

目もキラキラしている。

 

着物を着たからか、さっきまで目を逸らしていたティガも、ジィッと見入ってる。

 

こちの目もキラキラしてて、口の端が緩んでいるぞ。

 

 

ふっと、ティガが背中を向けてしゃがんだ。

 

帰りも背中に乗せてもらえるらしい。

 

私が乗ろうとすると、チュチュ姐(ネーネ)がその前に使ってない布をティガの背中に掛けた。

 

直接乗って汚れないように…という事だろう。

 

どんだけ箱入り扱いなんだ?

 

まぁ、せっかくなんだから、汚れない方がいいに決まっている。

 

ティガにはちょっと気まずいが。

 

 

私はティガの背中に抱きついた。

 

ティガは立ち上がると、来た時よりゆっくり歩き出す。

 

 

ああ、付いて来るチュチュ姐(ネーネ)に気を使っているのか?

 

こいつも親父同様気遣い魔だな。

 

こっちの男は、みんな見かけによらないのだろうか?

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海賊帝国の女神〜9話目「握り飯」〜/米田

「戻ったか、クィンツ」

 

 

塩の小ツボを抱えて母屋に入ると、すぐハーティが声をかけて来た。

 

床の奥、何時も座してるところからだ。

 

その両脇を2人ずつ、4人の主子(ウフヌン)が並んで座っている。

 

それぞれの背後の柱には、小枝をまとめた小さな松明が灯っていた。

 

 

ああ、この構図、どこかで見た事がある。

 

ハテ?なんだっけ…。

 

 

そうだ、玉座の間だ。

 

RPGかなんかで、呼び出された勇者が王様と謁見する場所だ。

 

そうか、ウチの母屋は玉座の間だったんだ。

 

て、ことは、ハーティが座っている小さなゴザが玉座って事?

 

随分みすぼらしい玉座だな。

 

 

「…お返事を。クィンツ様」

 

 

後ろに居たウィーギィ爺が屈んで耳元で囁く。

 

 

「あ…戻りました。父様!」

 

「ウム。」

 

 

私は土間と床の端に腰掛け、草履を脱ぐ。

 

すかさずウィーギィ爺が跪いて脇のカメから水を掬い、私の足を洗い、乾いた枯れ草の塊で拭いてくれた。

 

私は床に立ち、塩の入った小ツボを抱えてチョコマカと、主子(ウフヌン)らの間まで進み、座った。

 

ウィーギィ爺がゆっくり後について、私の横、やや後ろに座った。

 

 

「それで、塩とやらは出来たのか?」

 

「はい。ここに」

 

 

私は立ち上がって、抱えた小ツボをハーティの前まで持っていき、口を倒して中が見えるように掲げる。

 

ハーティは興味深げにツボの中を見つめる。

 

 

「この白いのが、塩か?」

 

「はい。父様。よかったら、手の平を出して下さい。」

 

「うむ」

 

 

ハーティが右手の平を前に突き出す。

 

私は小ツボを傾げて、ちょっとだけ塩をそこに落とす。

 

 

「どうぞ、舐めてみて」

 

 

手の平の白い粒をじっと眺めていたハーティは、ゆっくり口元にそれを持って行き、舌をつける。

 

 

「む。辛いな。汗と同じ味だ」

 

 

辛い?原始人にはしょっぱいという概念がないらしい。てか、汗と同じ味とか、どういう表現だ。

 

うん。間違ってはないけれどさ。

 

 

「これをどう使うのだ?」

 

「誰か、チュチュ姐(ネーネ)に、飯を握って持って来てと伝えて。」

 

 

土間側に控えて座っていた主子(ウフヌン)が立ち上がって出て行く。

 

あれはコルセだね。

 

しばらくして、コルセと共にチュチュ姐(ネーネ)が母屋に入って来た。

 

両手でお盆を持ち、その上には握り飯が三つ程乗せてある。

 

コルセは元の場所に座ったけれど、チュチュ姐(ネーネ)はどうしたものかと立ちすくむ。

 

私は手招きして横に座らせた。

 

 

「姐(ネーネ)、一度お盆を置いて、手の平を出して」

 

 

チュチュ姐(ネーネ)は言われるママに手を出した。左手だ。

 

私はハーティと同じように、その平に塩をこぼす。ハーティの時よりは多いけれど。

 

 

「姐(ネーネ)、それを零さないように、握り飯を、もう一度握り直して」

 

 

可愛く小首を傾げたチュチュ姐(ネーネ)は右手で握り飯を掴むと、左手に持ち直し、小気味よく握った。

 

その作業を3回。

 

握り終わると、私は握り飯の乗ったお盆を持ち、ハーティの前に捧げる。

 

 

「どうぞお召し上がり下さい」

 

「うむ。」

 

 

興味深げにハーティは握り飯を一つ取り、頬張った。

 

 

「む」

 

 

ハーティの目が一瞬開くと、私の方を見、それから目を閉じて、ゆっくり味わうように握り飯を食べ尽くす。

 

 

「うぅむ。」

 

 

ハーティは脇に置いていた椀を掴んで水を飲んだ。

 

 

「なるほど。舌がチクっとして、それが心地よかった。心なしか飲んだ水も甘くなった気がする」

 

「それが美味しいという事です。」

 

「美味しい…か。うむ。」

 

 

ハーティは少し考え込むように目を動かす。

 

それから、顔を上げ、残った握り飯を両脇に控えた主子(ウフヌン)に一つずつ渡し、それを二つに割って4人に食べるように命じた。

 

 

「これは…。口の中で唾が溢れます」

 

「汁と似た味ですが、何かもっと、こう、食が進みます」

 

 

主子(ウフヌン)らが口々に感想を述べる。

 

だが、「美味い」とは言わない。

 

「美味い」と言えよぉ!

 

でも、まぁ、悪くない評判だ。

 

私はふんぬと胸を張って、大きく鼻息を漏らす。

 

ドヤ顔である。

 

テヘペロに引き続き、この世界初のドヤ顔…って事はないか?

 

ドヤ顏ぐらい、誰でも普通にするか。

 

 

「イリキヤアマリ神の、新たなお恵みだ」

 

 

と、ハーティは呟いた。

 

イリキヤアマリ神?

 

 

「流石はクィンツ様」

 

「やはり、イリキヤアマリ神に愛でられたお子様だ」

 

 

主子(ウフヌン)らが賛同の声を上げる。

 

これは、もしかして賞賛されているという事なのか?

 

ちょっとチートな感じがするじゃない?

 

悪くないよぉ。悪くない。

 

 

「では、クィンツ、そのツボを渡せ。」

 

「はい?」

 

 

塩をハーティに渡してどうするんだろ?

 

料理に使うのだから、むしろチュチュ姐(ネーネ)に渡すべきじゃない?

 

ハーティ経由で渡すって事だろうか?

 

 

イマイチ意味不明だが、私は言われるママにハーティに小ツボを渡した。

 

ハーティは、それを大事そうに持ち直すと、頭の上に掲げてから、座ったままくるりと振り返り、奥の壁側に恭しく供えた。

 

それから頭を下げて何やらブツブツ唱えだす。

 

 

「…火食の神よ、イリキヤアマリよ、お恵みに感謝致します…この初物を汝(なれ)に捧げます」

 

 

とか、なんとか聞こえるよ。

 

ハーティは小ツボに向かって土下座する。

 

控えていた主子(ウフヌン)らや、チュチュ姐(ネーネ)もウィーギィ爺までも、気がつけば小ツボに向かって土下座している。

 

やば、空気読めなかった。

 

私も慌てて土下座した。

 

それからハーティは頭をあげると振り返る。皆頭をあげる。

 

 

「これは、エーシャギークで出来た初めての塩である。今度の祭りに捧げる事とする。」

 

 

何ぃぃ!?

 

使っちゃダメって事?

 

 

「と、父様、それでは、料理には使えないのですか?」

 

「うむ。そうだな。」

 

 

ええ?

 

それってちょっと酷くない?

 

ウチらの苦労はどうなるの?

 

って、まぁ、私は特に何かしたワケじゃないけれどさ。

 

だけれど、私の楽しい食事改善計画を台無しにするつもりか?

 

 

「クーのご飯は、どうなるのですか?」

 

 

涙目だ。

 

まぁ、よく考えれば、もう一度作ればいいんだけれどね。

 

だが、作る度に神様に捧げられたら溜まったものではない。

 

 

「心配するな」

 

 

ハーティは顎を上げて、何やら合図をする。

 

土間側に控えていた主子(ウフヌン)2人が立ち上がって外に出ると、すぐにデカいカメを抱えて戻って来た。

 

ドンと後ろに置かれたカメ。

 

私が振り向くと、コルセがカメの口を覆っている葉っぱで作られた封を開け、お椀を突っこんでいる。

 

出て来たのは白い粒の山…。

 

 

え?

 

 

「これは塩だろ」

 

 

ハーティの声に、ウィーギィ爺が腰をあげ、椀に入った白い粉をつまんで口に入れる。

 

 

「左様です。間違いなく塩です」

 

 

何だってぇええええ!?

 

塩持ってたんかーーーいぃぃいい!

 

 

「先日ムィンの商人から頂いたのだが、何だかわからなかったので、蔵に入れておいたのだ。」

 

 

と、ハーティ。

 

何だかわからなかって…おいおいおい。この原始人がぁああああ!

 

てか、くれた方のムィンの商人は、何も説明しなかったんかぁい?

 

 

「夕べヌシらが、塩は白い粉と言うので、もしかしたらと思ったのだ。」

 

 

ああ、そうなんですか。

 

でも、その時出してくれれば話しはもっと早かったんじゃね?

 

 

「とりあえず、小ツボ一つ分ぐらいあれば良いのだろ?チュチュ、空いている小ツボを持って来い。…それと、お前たち、村の家々を回って小ツボを持って集まるように伝えてくれ。」

 

 

ハーティが主子(ウフヌン)らに指示を出し始める。

 

 

「今からですか?」

 

「いや、明日の朝で良い。集まるのは合図してからだと伝えろ。」

 

「畏まりました。」

 

 

どうするつもりだろう。

 

 

「父様、どうされるのですか?」

 

「決まってる。塩を恵むのだ。」

 

「え?村人に?」

 

 

何を言ってるんだというような目で睨まれる。

 

ああ、そうだった。この人はそうやって、村人に取り入ったんだ。

 

風態は赤鬼の癖に、妙に気が回る人だよな。

 

私なんか自分の食生活改善しか頭になかったけれど。

 

 

「よし、今日はこれで終わりだ。お前たちには先に塩を恵むから、椀に入れて帰れ。」

 

「ハハァ!ありがとうございます!」

 

 

主子(ウフヌン)らは笑顔でハーティに土下座し、カメの塩を椀に掬って嬉々として帰って行く。

 

 

「我らも夕食にしよう。今日は遅くなったな。…チュチュ、飯には塩を振るって持って来い。」

 

「あ、オカズにも振るってね」

 

 

私はニコやかにハーティの言葉の後を次ぐ。

 

 

…その日のご飯は、この世界に来てから、始めて美味しいと感じた。

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海賊帝国の女神〜8話目「製塩」〜/米田

と、いう事で、翌日、夜が明けると、「炉」に行く為、ウィーギィ爺に手を引かれ、家の門前の道を、ウォファム村の集落とは反対方向に進んだ。

 

見事なジャングル小道だ。

 

後ろからカメを頭に乗せたティガが付いて来る。

 

カメを運ぶっていうから、大変だなと思ったら、ヒョイと頭に乗せて来たのだ。

 

ああ、そういう文化ね。

 

 

 

実を言うと、こっちの世界で家の外に出たのは、これが初めてだった。

 

クィンツの記憶と、ウィーギィ爺のボソボソラジオで、すっかりウォファム村やその周辺を歩き回っていた気になっていたけれど、元の世界の意識が目覚めてからは、ずぅっと引き篭りだった。

 

あ、トイレの時は家の囲いの外に出てたけれど。

 

 

 

でもって「炉」なんて場所はクィンツの記憶でも行った事はない。

 

ただ、道の途中までは「御獄(おん)」に行くのと同じで、こちらには行った記憶がある。

 

その時、手を引いてくれたのはウィーギィ爺ではなかったけれど…。

 

 

ハテ?誰だっけ。

 

 

女の人に手を引かれて、連れて行かれた気がする。

 

なんだかホワンとする人だった。

 

 

まぁ、いいか。

 

今日の目的地は「御獄(おん)」ではなく「炉」なのだから。

 

 

朝から日差しが強く、クィンツの記憶通り、私はすぐ辛くなった。

 

やっぱりこの体は日差しに弱い。

 

 

空は青いけれど、細かい雲だらけで、昼間には絶対スコールになるなと思った。

 

だけれど、ジャングルが深くなると、木陰が出来、かなり楽になる。

 

セミがヴィーヴィー鳴いてやかましかった。

 

 

ウィーギィ爺は、長い棒で道の脇の草むらをサク、サクっと突いて進んでいた。

 

多分、蛇でも避けてるんだろ。

 

 

小一時間も歩くと、突然視界がひらけて、草だらけで木がない場所に出た。

 

その奥に、例によって、積んだだけの粗末の石囲いがあり、石囲いの向こうには草葺の屋根が見える。

 

ここが「炉」らしい。

 

…って、「炉」って何?

 

 

 

「お待ちしておりました。クィンツ様。」

 

 

ウチの親父のハーティほどではないが、やっぱりずんぐりムックリしたムサいオッサンと、ヒョロっとしたオッサン、それに、私よりちょい上ぐらいの男の子が出迎えてくれた。

 

 

ずんぐりムックリはタケチャ。ヒュルエ村の頭(ブリャ)なんだそうだ。

 

ヒョロはヌースで、エーシャギーク島のすぐ目の前、イヤィマ諸島の真ん中にある、トクトウムという小島の頭(ブリャ)らしい。

 

でもって、男の子はニシトウ。ヌースの息子だという。

 

こざっぱりして、何だか、お行儀が良さそうな感じの子だ。

 

ん?

 

瞳が黄土色?

 

変わっている!

 

あ、お父さんのヌースも黄土色か。

 

遺伝だね…。

 

 

「私たちは、祭りの支度を仰せつかって居ます。一応留守と案内のため、このニシトウを残しますので、炉の施設の使い方や、手伝いなど、ご自由にお使い下さい。」

 

 

そう言い残して、タケチャとヌースは立ち去った。残ったニシトウがニッコリする。

 

歳は6歳なんだそうだ。

 

随分しっかりした6歳だな。

 

 

 

炉っていうのは、要するに「鍛治場」の事だった。

 

てか、鍛治場だよ。文明があるじゃん!原始の世界でも鍛治場なんてあったんだ。

 

鍛冶場があるって事は、薪があるって事だ。

 

それも豊富にあるって事だ。

 

というか、実際、鍛冶場には複数の家屋があったのだが、そのほとんどが薪の蔵だった。

 

鍛冶場の周囲の木々を切り倒して、薪として保存しているらしい。

 

てか、だから炉の周辺は草むらだったのか。

 

 

それにしても、原始社会では、塩より鉄器の方が優先するんだ。

 

確かに塩はただの消耗品だが、鉄器は森を切り開いたり、畑を耕し、生産力を引き上げる。

 

どっちの方が大事か?って究極の選択を求められれば、そりゃ鉄器だろう。

 

鉄器の為なら、のんびり屋の島人もムキになって頑張るらしい。

 

 

だけれど、その鉄器の元になる鉄って、どこから持って来ているんだろう?

 

この島には鉄の採掘所まであるのだろうか?

 

 

 

「鉄は、イェームトやムィンの商人から買っているんですよ」

 

 

と、ニシトウくんが教えてくれた。

 

何となく「くん」付けしたくなる雰囲気だから、「くん」付けしてしまう。

 

そうか。鉄は「輸入」してるんだ。

 

うん?

 

「輸入」してるって、逆に何を「輸出」して交換しているんだ?

 

 

 

「水とか食料です。」

 

「水とか食料?」

 

「イェームトやウーチュ、ムィンの船は、この島が目的地じゃなくて、ただ補給のために立ち寄るんです。その時、水とか食料を提供して、代わりに幾らかの商品を受け取るんです。主に鉄塊ですけれどね。」

 

「あ、そうなんだ。」

 

 

賢い。なんて賢い6歳だ。

 

ニシトウくんは秀才ではなく、きっと天才の部類なんだろう。

 

思わず拝みたくなってしまうオーラを持っているよ。

 

はう!?

 

そんな気持ちになってしまうのも、不思議な黄土色の瞳のせいかもしれない。

 

どこか神々(こうごう)しいんだよね。

 

 

そんなニシトウくんと、色々お話している間、ティガは「炉」の脇の小道から海岸に行って、海水を汲んで来ていた。

 

ウィーギィ爺は火を起こしている。

 

ニシトウくんも動き出した。

 

 

あれ?言い出しっぺの私は何したら良いんだろう?

 

誰も、アレをしろ、コレをしろとか言わないもんだから、自分の役割がわからない。

 

力作業はティガが、レシピはウィーギィ爺が、道具の取り扱いはニシトウくんが担当して、見事なチームワークで作業が進んでいる。

 

まぁ、私は4歳のか弱い幼女なんだから、足手まといにならないように大人しくちょこんと座っていよう。

 

 

 

ハーティが用意してくれたのは、中華鍋のような鉄鍋だった。

 

こっちの世界に来てから、土器しか見た事なかったから、鉄鍋にはちょっと感動した。

 

これも輸入モノらしい。

 

ハーティは意外と色んなものを持っているね。

 

と、いうか、この島の外の地域は、この島より遥かに発展しているじゃないか。

 

この島の状態を基準に、この世界の文明度を考えない方が良いみたいだ。

 

 

 

布で濾過された海水が入った中華風鉄鍋は、火に掛けられてグツグツと煮立つ。

 

途中、白い浮遊物が溜まった所で、再度濾過され、また煮込まれる。

 

やがて海水は蒸発し白い粒の結晶が現われた。

 

それを集めて、布に包み、ぎゅうぎゅうに絞った後、結晶は炒られ、水分が飛ばされ、白い粉となった。

 

指先につけて舐めみると、しっかりしょっぱい。

 

塩の完成だ。

 

出来た量は、小さいツボの半分ぐらいだった。

 

 

これだけ作るのに使った薪は…。

 

あれ?

 

少しの薪で少しの塩を作るハズが、普通にかなりの量の薪を使ってしまったね。

 

う〜ん

 

ごめんね父さん。テヘペロ。

 

 

 

塩を作る過程で「ニガリ」も出来た。

 

最後に絞った時に布から滲み出て来た液体が「ニガリ」だ。

 

こちらも別の小ツボに採ってある。

 

たしか、これで「豆腐」も作れる。ハズ。

 

大豆があれば、だけれど。

 

…てか、大豆ってこの島にあるのかな?

 

ついでに言うなら、豆腐を作るレシピも知らない。

 

でも、ウィーギィ爺は知っているんじゃない?

 

私のネットだから。

 

 

 

窯の囲いを出ると、空はすっかり暗くなっていた。

 

そういえば、昼間やっぱりスコールもあった。

 

まぁ、塩づくりで熱くなってた棟の中には、ちょうど良い涼になって、私は気持ち良くお昼寝出来たのだけれど。

 

あれ?

 

結局私は塩づくりに関しては、何もしなかったな。

 

まぁいいか。

 

塩はしっかり出来たのだから。

 

私は出来たての塩の入った小ツボを抱えて、満足気に家路に着いた。

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海賊帝国の女神〜7話目「許可」〜/米田

夕方、父親のハーティが母屋に帰って来た。

 

 

この家はいくつかの家屋で構成されていて、私は普段、奥の家屋に引きこもっている。

 

目覚めた時、寝かされていたのも、奥の家屋だ。

 

 

父親が帰って来れば、皆集まって母屋で食事をとる。

 

皆というのは、ハーティ、私、ウィーギィ爺、ジュジュ姐(ネーネ)、ハーティの主子(ウフヌン)コルセとジュジュ姐(ネーネ)の助手をしているティガの6人だ。

 

 

主子(ウフヌン)というのは主(ウフヌ)の従者の事だ。

 

ハーティは主(ウフヌ)だから、いつも主子(ウフヌン)を侍(はべ)らせている。

 

ただ、母屋で一緒に食事を取るのは、コルセだけだ。他の主子(ウフヌン)は実家からの通いらしい。

 

 

 

食事を済ませると、ジュジュ姐(ネーネ)とティガは後片付けに立った。

 

コルセは気を使って、母屋の戸口の外に出て行く。一応、見回りという事か?

 

私は、ウィーギィ爺とハーティの前に座って、塩を作りたいと申し出た。

 

 

「シオ?…塩とは何だ?」

 

 

知らんのかーーーーい!?

 

私は内心ずっこける。

 

やっぱりこの島の連中は、想像以上に原始人である。

 

無知すぐる!

 

 

「海の水から採れる、白い粉で御座います。」

 

 

ウィーギィ爺が説明した。

 

 

「白い粉?薬か何かか?」

 

「薬にもなりますが…」

 

「何故そんなものを作りたいのだ?」

 

 

ハーティは、ギョロリと私を睨む。

 

怒っているのか?不機嫌なのか?

 

何だかよくわからない。

 

 

「それは…」

 

 

ちょっと目を見て話せない。

 

私は視線を外してしまう。

 

 

「それは?」

 

 

ハーティが問い返し、ウィーギィ爺と二人で見つめられる。

 

なんか視線が痛い。

 

ああ、そういえば、ウィーギィ爺にも理由を言ってなかったっけ。

 

 

「ご飯が美味しくないから…」

 

「は?」

 

 

二人そろっての困惑した声を上げた。

 

 

「飯と塩と、何の関係があるのだ?」

 

「塩は料理の味付けに使われます」

 

 

と、ウィーギィ爺。ナイスフォロー。

 

 

「味付け?」

 

 

だが、どうも鬼には、味付けという概念すらないらしい。

 

 

「ふむ。…味が欲しければ、汁を飲めばよいのではないか?」

 

「汁は苦いから…」

 

「苦い?」

 

 

海水を煮ただけの汁を調味料扱いされたのではたまったものではない。

 

 

「ハーティ様。クィンツ様が塩を求められるのは、神の御告げだからのようです。」

 

「神の御告げ?」

 

「はい。昼間、うつつ寝の夢間に訪れたようで御座います。」

 

「そうなのか?」

 

 

そうだ。昼寝した時、寝ぼけて「塩」と言ったのが最初だった。

 

その後、海から塩を作れるのを知っているのは、神様に教えてもらったからだと嘘こいてた。テヘペロ。

 

 

「父様、塩があれば、ご飯をたくさん食べられて、クーは元気になれます。」

 

 

せっかくなので、追い打ちをかけてみる。

 

ハーティが私の食の細いのを心配していた所に付け込む。

 

 

「元気に?…うむ。やはり薬なのか?」

 

 

あう。それは違う。

 

 

「それで、塩をつくるには何が必要なのだ?」

 

 

おっと、前向きな質問だ。

 

 

「大量の薪。それと、鉄の器、大きな布などが。」

 

 

え?布?

 

ウィーギィ爺の答えに、私はちょっと驚いた。布なんか何に使うのだろうか?

 

 

「大量の薪?火を使うのか?」

 

 

と、ハーティ。

 

 

「はい。塩は海の水を煮込んで煮込んで煮込み尽くして作ります。器は海の水を満たし、布は水を濾(こ)すのに使います。」

 

「なるほど。それでは、火を焚く釜や、水を汲むカメもいるのではないか?」

 

「左様で御座いますな」

 

「わかった。もうすぐ祭りが近い。職人らは祭りの支度を手伝って貰うので、炉は休ませる。炉の薪や道具を使って塩を作れ。」

 

「畏まりました。」

 

「器や布はワシが明日持ち出そう。炉において置くので自由に使え。使うカメの事はチュチュ…いや、ティガに聞け。海の水を汲むぐらいなら手伝わせて構わん。」

 

「ありがとう御座います。」

 

ウィーギィ爺が頭を下げたので、私も慌てて頭を下げる。

 

「ありがとう御座います。父様」

 

「うむ。」

 

 

ハーティは満足そうに笑った。

 

 

「それでクィンツが元気になるなら、大いに喜ばしいからな」

 

 

父親の娘愛が素晴らしい。

 

ハーティは立ち上がると外に出ていった。コルセと合流して日が完全に沈む前に、村の周囲を見回るつもりらしい。主(ウフヌ)の日課である。

 

 

「爺(ジージ)、塩を作った事があるの?」

 

「直にはありません。ですが、ヴィンに流れついた時、しばらく手伝いをさせられました」

 

「ヴィン?流れ着いた?」

 

 

ヴィンは大陸(ティオク)の南の地方の事で、ウィーギィ爺は昼間、ヴィンからウーチュへ行く船の積荷に塩が有ったと言っていた。

 

塩作りにも参加していたのか?

 

 

「以前、乗っていた船が嵐に遭いまして、ヴィンの外れに流れついたのです。その際、地元の者たちの使用人として働きました」

 

「そうなんだ」

 

 

ウィーギィ爺の人生って、なんだか結構波乱万丈だぞ。

 

亀の甲より年の功って感じかね?

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寒いのか暑いのか/のん

お布団潜って寝るとあちいし

お布団剥ぐとさみいし

 

どっちなんだい。

 

だいぶ、優柔不断な気温が

わたしの優柔不断さと似ている。

 

どっちかにしておくれ。

あと、雨はやめて。

 

 

布団剥ごうと頑張っているうち

どんどん寝相が悪くなる。

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海賊帝国の女神〜6話目「自問自答」〜/米田

よし、塩だ。塩を作ろう!

 

 

と、私は決意したのであるが、では、何が必要なのか?どうすべきか?と、アレコレと思いを巡らした。

 

 

繰り返すが、私は元の世界では一般人である。

 

ついた職種はサービス業だった。

 

つまり、モノ作りとはトント無縁であった。

 

必要なものは、ただ、購入すれば良い。

 

そういう社会に生きて居たのであるから、塩一つ作るにも、具体的に何をどうすれば良いのかなんて、見た事もやった事もない。

 

せいぜい、海水をどうにかするぐらいしか思い付かない。

 

 

そーいえば、前の世界では、塩田というのがあって、海辺に海水を撒いて、天日で水分を蒸発させ、塩を作って居た地方があったと記憶している。

 

その手は使えないのだろうか?

 

それなら薪を集める必要はない。

 

とか思って居たら、いきなり戸口の外が暗くなった。

 

 

「あ、雨になる…」

 

 

私はつぶやいた。

 

 

「左様ですね」

 

 

ウィーギィ爺が応答してくれた。

 

そんなやりとりもつかの間、大粒の水玉が、ポツポツと落ちてきた。

 

そして、ドバーっと盛大に雨が降る。

 

と、思ったら、また水玉ポツポツになり、それも止んで、外は明るくなってきた。

 

 

この世界に来てから時折出くわす、いきなり雨だ。

 

きっとあれだ、これが噂に聞く、スコールというヤツに違いない。

 

元の世界で、イケメンの役者、兼、歌手さんが、ちょっと大きなシャツに袖を通すのどうのと歌っていたヤツだ。

 

 

ああ、これだ。これがあったわ。

 

 

と、私はむぅっとなる。

 

塩田で海水を撒いて、天日で乾燥させようにも、この島ではイキナリの雨が降るのだ。

 

その時、干して居た海水はどうなるのか?…元の木阿弥だ。

 

塩田計画はあっさりボツとなった。

 

 

やっぱり、カメに海水を入れ、ぐつぐつ煮込んで蒸発させていくべきか?

 

そのためには大量の薪が必要だ。

 

薪の元となる木なら、この島にも豊富にある。

 

杉のようなまっすぐ伸びた木は見た事はないが、うねうねくねった珍妙な植物群が生えて居る。

 

 

ただ、問題なのは、水気だ。

 

生木はそのままでは薪にならない。

 

乾燥が必要だ。

 

 

一方で、この島はやたら蒸し蒸しする。

 

その上、集めた木を外に放置しておいても、例のスコールであっさり濡れる。

 

乾燥させるなら、どこか風通しの良い屋内で陰干しするしかない。

 

だが、そんな場所は少ない。

 

だから、島の住人は、必要最小限の薪しか溜め込まないのだ。

 

そして余分が少ないから、ちょこちょこと次の薪の原料集めに出なければならない。

 

 

極めて効率が悪い。

 

 

逆にそこに諦念感があって、ムキになって働く雰囲気がない。

 

ムキになっても、結果に変わりがないなら、そりゃ適当に気を抜いてやるようになるだろう。

 

 

島人の、どこか呑気な雰囲気は、そのあたりに起源があると思う。

 

環境がそういう性質、性格を作って居るのだ。

 

 

うむ。納得した。

 

 

…とか言って居る場合じゃないな。

 

だって、それじゃあ、美味しいご飯が食べられないじゃないか。

 

 

と、寝っ転がって片肘ついて頭を支えながら、私は思考する。

 

 

さすがに喋り疲れたのか、背中側に控えているウィーギィ爺のボソボソラジオも静かになっていた。

 

 

室内がムワっとして来る。

 

 

さっきのスコールの水分が、強い日差しに当たって蒸発しているのだろう。

 

この島が、やたら蒸し蒸しする理由はそれだ。

 

だが、しばらくすると、窓から入ってくる海風が、熱気を追い払う。

 

ちょっとベタベタする感じは残るが、ムワ〜っとした感じは無くなる。

 

 

私は土間の片隅にある、木枝の塊を見る。

 

乾燥中の薪である。

 

この薪を集めて居るのは、オーガ・ティガだ。

 

 

例の私が目覚めた時、私の顔をじっと見つめていた男の子だ。

 

 

もうすぐ出産するチュチュ姐(ネーネ)の代わりに、家の雑用が出来るよう、チュチュ姐(ネーネ)に鍛えられている所だ。

 

歳は7歳らしいが、体が大きく、10歳以上、12、3歳に見える。

 

それを見込まれてハーティが連れて来たらしい。

 

 

連れて来た?…何処から?

 

親とか居ないのかしらん?

 

 

とか、思考が脱線するが、そんな事は塩づくりとは関係ない。

 

 

気を取り直して考えを戻す。

 

今問題なのは彼が持ってくる薪の量だ。

 

 

こんな量では、カメ一杯の海水を蒸発させる火を焚くのは、難しそうだ。

 

 

難しい。

 

難しい…そうだ。

 

 

この量では、カメ一杯の海水を蒸発させるのは難しい。

 

だけど、もっと小さな器に入れて、もっと少ない海水だったらどうだろうか?

 

 

ていうか、そもそも、海水を煮込んで塩にするのだって、詳細は知らない。

 

イキナリ大量の海水で塩を作ろうとして、失敗したらどうすんだ?目も当てられない。

 

ここはちょっとずつ経験を積んで、コツコツやるべきじゃないだろうか?

 

 

おお、なんと常識的な考えだ!

 

さすが大人!

 

私、大人!

 

 

というか、そこまで考えるなら、もっと効率性を考えよう。

 

 

器の形だって問題だ。

 

 

カメみたいな口が窄(すぼ)まった器じゃぁ、水分の蒸発率が悪いじゃないか。

 

もっと、皿のような平たい感じの器の方が効率が良いんじゃない?

 

てか、器の素材はどうよ?

 

この島ではお椀でなければ土器みたいな器しか見た事ないけれど、熱伝導率を考えれば、鉄鍋の方が良いではないか?

 

鉄鍋どっかにないんだろうか?

 

出来れば、フライパンみたいな形がいい。

 

 

「爺(ジージ)」

 

「はい、クィンツ様」

 

 

ウィーギィ爺は間違いなく居眠りしていたらしい。

 

どこか素っ頓狂な声をあげた。

 

私は起き上がって振り向く。

 

 

「クーは、塩を作りたい」

 

 

クーっていうのは、クィンツの頭文字の事だ。

 

幼い私は、自分の事を「クー」と云っていた。

 

本当はサチコっていうサッちゃんと同じようなもんだ。

 

可愛いよね。クーちゃん!

 

 

「塩を作られるのですか?」

 

「うん。」

 

「塩を作るには大量の薪が必要です」

 

 

知ってる。それ、さっきも言ってやん。

 

爺さんていうのは、クドイ生き物なのである。

 

 

「うん。だから、ちょっとの薪で作れるぐらいの塩でいいの。」

 

「左様でございますか。」

 

 

ウィーギィ爺は、顎髭を撫でるようなポーズを取る。

 

何やら考えてくれて居るようだ。

 

 

そもそも、塩を作るといっても…たとえ、それが少量だといっても、4歳児には無理な事が沢山ある。

 

大体どこで、火を起こして、海水の入った鍋を置いて、グツグツ煮込めばいいのか?

 

適した場所もわからなければ、海水を運んで来るのだって大変だ。

 

自動車どころか、馬車すら見ない、というか、そもそも道路もロクもない、道っていうのは、ほとんどが人が一人、二人ぐらいしか通れない幅のこの島では、何かを運ぶには、どう転んでも大人の協力は必要なのだ。

 

 

しかし村人は忙しい。

 

私の相手をして、ずっと側にいるウィーギィ爺を使わない手はない。

 

 

……。

 

 

しばらく顎髭を撫でるようなポーズを取っていたウィーギィ爺は、座った足の太ももに、静かに両手を置くと、こう言った。

 

 

「では、ハーティ様にご相談しましょう」

 

 

あーー。やっぱ、そうなるよね。うん。

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海賊帝国の女神〜5話目「塩ネタ」〜/米田

もしかして、自分はモブキャラの転生者なんじゃないか?

 

 

とか、自分の在り様を疑い出したのは、この世界に目覚めて1週間後ぐらいだろうか?

 

というか、まだこちらの世界の暦を知らなかったから、おおよそなんだけれど。

 

 

 

その頃は、すっかりふてくされて、土間のゴザの上で寝転がっていた。

 

 

後から思えば、随分贅沢な立場だったよね。

 

この世界では、子供といえども、何かしらの用事を言付かっている。

 

 

たとえ4歳でもだ。

 

 

まぁ、私は祈女(ユータ)だから、祈女(ユータ)の務めをしなければいけない。

 

だけれど、それがどうもよくわからない。思い出せない。

 

いや、しっかり思い出そうとしなかったというべきか、祈女の務めなんて興味がなかったのだ。

 

 

私が祈女(ユータ)に期待していたのは、ゲームの魔法使い見たいに、呪文でバンバーンと派手に相手を攻撃する能力だ。

 

でも、おそらく祈女(ユータ)には、そんな能力はないだろうと見限って居た。

 

そもそも、この世界には攻撃する相手…モンスターなんかも居るんだか居ないんだか。

 

つまんない世界!

 

 

って云う事で、ふてくされてゴロゴロしていたワケなのだけれども、何故そんな贅沢が出来るのかって言えば、私の父親であるアーク・ハーティが、このウォファム村のトップだったからだ。

 

 

いやぁ、原始社会では、見てくれと筋肉てのはとっても大事なんだろう。

 

ハーティは、すごいおっそろしい見かけに似合わず、随分人懐こい感じだった。

 

すごいおっそろしい見かけというのは、異世界から転生した私個人の感想ではなく、ウォファム村、村人多数の感想だ。

 

 

と、ウィーギィ爺が教えてくれた。

 

 

そのすごいおっそろしい見かけなのに、人懐っこいというのは、…あれだ、そう、落差萌えってヤツなのだろう。

 

 

 

ハーティは村人の心中をしっかり握って、離さなかった。

 

すごいおっそろしい見かけだと、変な連中を村に寄せ付けない。

 

いわば村の用心棒的な役割も期待されたのだ。

 

 

 

そもそもハーティは、この村の出身ではなかったらしい。

 

 

15歳ぐらいか、それより前か?

 

南にあるハーティムル島からやって来た。

 

 

要するに他所(よそ)者だ。

 

 

その上、件(くだん)の見かけである。

 

当初、村人は甚(いた)く警戒したとの事。

 

 

当然である。

 

 

だが、ハーティは村人らに贈り物をしまくる事で、取り入ったらしい。

 

 

 

どこからなのか、この島では随分珍しいモノを持ってきては、村中におすそ分けしまくったのだ。

 

その甲斐あって、ハーティは村人らに受け入れられた。

 

 

その上、力仕事では、先頭に立って働き、村人一丸とならなければ出来ないような事業では、素晴らしいリーダーシップをとったらしい。

 

 

その結果が村のトップだ。

 

 

 

村のトップの事は、頭(ブリャ)って云うらしい。

 

ハーティの事はもう頭(ブリャ)ではなく、主(ウフヌ)と呼ぶ人たちもいるそうだ。

 

 

何が違うのか?って云うと、格の違いというか。

 

頭(ブリャ)っていうと、村長さん的な立ち位置でもいいが、どっちかというと、若者らのリーダ的な意味合いが強いそうだ。

 

主(ウフヌ)っていうと、ハッキリ村長さん的な立ち位置で、なお、周辺の村でも顔役的な感じらしい。

 

 

「ハーティ様なら、きっと島の本主(ディウフヌ)にも至りましょう。」

 

 

と、ウィーギィ爺が、ふて寝している私の横にしゃがみ込み、大きな葉っぱを団扇のようにゆっくり煽りながら教えてくれる。

 

 

察するに本主(ディウフヌ)っていうのは、いくつかの主(ウフヌ)を束ねる、村ではなく、島のトップという事らしい。

 

 

この島にはウォファム村以外にも結構村々がある事を、この時知った。

 

ていうか4歳じゃ、島そのものがどれぐらい大きいのかもよくわからないのだから、当然だ。

 

 

 

ちなみにウィーギィ爺は、私の子守的な立場らしく、いつも私の側を離れなかった。

 

そういう、子供に子守的な人を置けるというのも、親父であるハーティの財産力の現れと言える。

 

でも、どクソ原始の村なんだけれどね。

 

 

 

私はウィーギィ爺に背中を向けて寝転がり、ボンヤリと土間の戸口から外を眺めて居た。

 

 

強い日差しが外を照らしている。

 

 

そんな私の背中に、ウィーギィ爺は、親父の事、島の事、島の外の事などをボソボソ語ってくれた。

 

 

時々私は、ウィーギィ爺が言う、わからない単語、気になる事柄について尋ねる。

 

ウィーギィ爺はそれについて答える。

 

頭(ブリャ)とか主(ウフヌ)とか、その関係性なんかは、そうして教わった。

 

 

また、ウォファム村の事、他の村の名と位置関係、エーシャギーク島と周囲の島々、つまりイヤィマ諸島の事、さらに、その外の大きな島、大陸(ティオク)の事なんかもだ。

 

 

ウィーギィ爺はラジオであり、ネット見たいな存在だと思った。

 

 

だけれども、この原始の村で、しかも4歳の、その上、転生元は、ただのおっさんだった私に、何が出来るんだ?という思いは強かった。

 

これが、何かしら、転生前が専門職だったら、…つまり、医者とか、技術者だったら、少しはチート的役割もあるだろう。

 

 

だが、私は何も知らない。

 

 

まさに、ただの一般人だ。

 

まぁ、仮に専門職だと言っても、税理士や、弁護士が来ても、役には立たないだろうなとは思う。

 

 

せめてもう少し文明が進んだ社会だったら、何か出来たかもしれないが、ここまで原始的だとお手上げだ。

 

 

その上、ご飯が不味(まず)すぎるよー。

 

 

 

私はウィーギィ爺のボソボソラジオを聴きながら、うたた寝していった。

 

 

美味しいもの…。

 

美味しいものを食べたい。

 

 

そんな事を思いながら寝たせいだろうか?

 

 

私は夢を見た。

 

 

夢の中で私はパスタを茹でていた。

 

大好きなペペロンチーノを作るのだ。

 

 

元の世界で、私はあまり料理をしなかった。

 

だから、自分で料理する時は、結構うっかりなミスをよくする。

 

 

何か間違ったかもしれない。

 

そんな不安が夢の中で広がった。

 

 

ペペロンチーノは出来た。

 

 

だが、不味(まず)かった。

 

 

この世界の料理よりはマシだが、期待をはるかに下回った。

 

予感通りである。

 

 

夢というのは、嫌な予感がすると、必ず夢の中では現実化するのである。

 

 

とは云え、何を失敗したのだ?

 

 

私は思い出そうとして居た。

 

 

それはデジャヴュだった。

 

てか、夢だから、過去の失敗をなぞっただけだし、その時の思考をリピートしただけだ。

 

 

だから、すぐに思いついた。

 

 

ああ…パスタを茹でる時、塩を入れ忘れた。

 

 

 

塩は大事だ。

 

塩は調味料の基本だ。

 

ペペロンチーノを失敗した時、私は強く思った。

 

 

絶対塩を忘れないぞと。

 

 

デジャヴュだけれど。

 

 

 

と、云うところで目が覚めた。

 

 

まだ日差しが強いのが、土間の空いた戸口から見えた。

 

寝たのは数分だったのかもしれない。

 

それでも、頭はボケーっとしている。

 

 

「塩」

 

 

と、私はつぶやいた。

 

 

「ほほぉ。塩ですか。」

 

 

と、葉っぱの団扇で扇いでいたウィーギィ爺も応じてくれた。

 

 

もうしばらくボーっとしてから、フと気がついた。

 

 

ウィーギィ爺は「塩ですか。」と応じてくれた。

 

て、塩知ってるの?

 

 

「ウィーギィ爺。」

 

 

私は振り向いて、爺を見上げた。

 

 

「何ですか?」

 

「塩を知ってるの?」

 

「ええ。存じてますよ」

 

 

まじかー!?

 

 

塩知ってるのか?

 

 

この島には塩はなかったと云うのは思い込みだったのか?

 

 

でも、最初に料理が出された時、あまりに味がなくてチュチュ姐(ネーネ)に塩はないのか?と聞いた事がある。

 

チュチュ姐(ネーネ)はキョトンとした顔で「塩?」とオウム返しして小首を傾げただけだった。

 

その仕草は可愛かったが、塩を知らないのは明白だ。

 

なので塩がないと思い込んでいた。

 

 

あったら料理に使うだろう。

 

親父のハーティが使わせるだろう。

 

だけど使わせてないのだから、塩はないのだ。

 

 

と、思い込みを補強していた。

 

 

 

私は起き上がってウィーギィ爺を見つめる。

 

 

「塩を何故使わないの?」

 

「何にですか?」

 

「ご飯…お料理に。」

 

 

ウィーギィ爺はキョトンとした顔をしてから、ニッコリ笑った。

 

 

「塩は中々手に入らないですからねぇ。」

 

 

ああ、やっぱりそうか。

 

存在はあったとしても、気軽に入手出来るものではないらしい。

 

 

う〜ん…。

 

 

私は腕組みをしてうつむく。4歳の子にしては、ちょっとありえないポーズかな?

 

 

……

 

 

あれ?

 

 

でも、ここは海の中の島だ。

 

 

海は塩水だろー?。海から塩取れるだろー?。そんなに入手が難しいものか?

 

 

ていうか、海に囲まれているのに、何故塩を作らない?

 

 

顔を上げて再びウィーギィ爺を見つめる。

 

 

「塩は海から取れるんじゃないの?」

 

「おお。よくご存知でございますね。どこで聞いたのですか?」

 

 

どこでって…常識じゃないのか?

 

 

うーむ。原始社会だと常識が違い過ぎるのか?

 

 

この質問は答えないとイケないのか?

 

 

「う〜ん。夢で神様が教えてくれた。」

 

 

で、大丈夫か?この答えで?

 

 

「おお。神様が。…やはりクィンツ様の霊力はとてもお高いのですね。」

 

 

納得の上、感心されてしまった。

 

嘘だけどね。テヘペロ。

 

 

うむ。

 

 

私はきっとこの世界では初の「テヘペロ」を、この時やったのだ。

 

心の中でだけれど。

 

 

「それで、何故塩を作らないの?」

 

「塩を作るのには、とても時間が掛かります。」

 

「うんうん。」

 

「薪も沢山必要です。」

 

「うんうん」

 

「あの大きなカメ一杯に海の水を組んで…」

 

 

と、ウィーギィ爺が、土間のカメを指差した。

 

昔私が水浴びで入れさせられたやつだ。

 

 

「薪を沢山つかって…延々と煮続けても…取れる塩は、これぐらいです。」

 

 

と、ウィーギィ爺は、右手を小さく丸めて見せる。

 

 

「それぽっちの塩をつくるのに、手間暇がかかり過ぎるのです。だから、この島では誰も塩を作りません。」

 

 

な、なんと!

 

そんな理由で塩を生産しないのか?

 

 

でも、理屈はわかる…。

 

 

あのカメ一杯の海水を、ずぅっと煮込んで、全部を蒸発させるのには、この原始の村では、相当の時間が掛かる。

 

燃料である薪だって、取ってくるのは、無労力という訳じゃない。

 

私にはふて寝している時間はあるけれど、村の連中は4歳と言えども、何かの言いつけをやっている。

 

 

これだけ原始的な村だと、食料の生産だけでも、結構イッパイイッパイだろう。

 

 

私は、美味しい料理を知っているから、それでも塩ーーー!と思うけれど、この村の住人らは、そもそも美味しい料理を知らない。

 

 

確かにそれじゃぁ、手間暇かけて塩を作ろうとは思わないだろう。

 

 

ちなみに、いつもご飯についてくる苦しょっぱいスープは、海水を茹でたものだった。

 

塩作るより、塩気は海水スープで補ってしまえと云う事らしい。

 

味を別にすれば、それはそれで合理的ではないか?

 

 

私はグヌヌとなってしまう。

 

 

これだから原始社会はぁーーーーー!!!

 

 

 

だけれど何でウィーギィ爺は「塩」を知ってるのだろうか?

 

そんな暮らしじゃ、「塩」に出会う筈もない。

 

 

「爺(ジージ)は何で塩を知ってるの?」

 

「昔乗って居た船の荷で御座いましたから」

 

「船の荷?」

 

「ヴィンからの船の荷の一つが塩でした。ウーチュでは塩を購入する家がありましたから」

 

 

ヴィン?…うーんと、うーんと。

 

 

ああ、そうだ、大陸(ティオク)の南の事をそう呼ぶんだ。

 

 

で、ウーチュ??

 

 

うーんと。イヤィマの東、ビヤク島のさらに向こうにある大きな島の事だっけ?

 

王(ウィノ)様が居るとか云う島だ。

 

これらの知識はウィーギィ爺ラジオがボソボソ語ってくれていた。

 

だけれど…

 

 

う〜んんん??

 

 

そもそもなんで、ウィーギィ爺はそんな事まで知ってるのだろう?

 

 

島の常識なんだろうか?

 

 

てか、私はそう思っていたから、それまで気にしてなかった。

 

だけれど、塩についてはウィーギィ爺の嫁のチュチュ姐(ネーネ)は知らなかった。

 

チュチュ姐(ネーネ)を基準にしていいかどうかわからないけれど、もしかしたら、ウィーギィ爺は島の普通の人たちよりは、知識が豊富なのではないだろうか?

 

 

う〜ん…

 

 

「昔乗っていたの?…お船に…?」

 

「左様でございます。」

 

「何で乗っていたの?」

 

「通詞でございましたから」

 

「通詞?」

 

「国と国、島と島が異なると、言葉が違って居るのです。私は、違う言葉の間を取り持つ役目をしていました」

 

 

うん。知ってる。通詞は通訳の事だ。

 

ウィーギィ爺は通訳だったんだ。

 

てか、それって、この原始社会じゃ、結構インテリじゃね?

 

いや、相当インテリの部類じゃね?

 

そんなインテリさんが何故この島に?どこで色んな言葉を学んだ?

 

 

「国と国の言葉が違うなら、爺(ジィージ)はどこでその言葉を覚えたの?」

 

「クゥメでございます」

 

「クゥメ?」

 

「私の故郷です。」

 

「爺(ジージ)の故郷はイヤィマじゃないんだ?」

 

「はい。」

 

「クゥメで国と国、島と島の言葉を覚えて、お船に乗っていたの?」

 

「はい」

 

「じゃぁ、どうして今はエーシャギークに居るの?」

 

「……」

 

 

ウィーギィ爺は、ニッコリ微笑んで沈黙した。

 

 

なんか言いたくない事情があるんだろう。

 

私の中身は4歳児ではないので、それぐらいは察しられる。

 

爺(ジージ)の顔をしばらく見つめてから、私は、プイと横を向いて、寝転がった。

 

喋りたくないモノを、無理に聞き出そうとする程、不躾じゃないからだ。

 

 

それよりも、塩だ。

 

 

島の連中は塩を作らない。

 

手間暇がかかり過ぎるから…。

 

そんなに時間は無いって事だ。

 

 

でも、私はどうだろう?

 

こうやってふて寝している時間がある。

 

塩ぐらい作ったっていいんじゃないか?

 

 

 

…いや、塩がない島で塩をつくるって、結構チートじゃね?

 

モブキャラ脱却に繋がるんじゃね?

 

モブキャラ…脱却しちゃおっかなぁ?

 

 

 

そんな事を妄想し始めると、口元が緩んだ。

 

私は少しだけニマニマしながら、明るい外を眺めていた。

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海賊帝国の女神〜4話目「馴染めない」〜/米田

えーと、君の元いた世界では、転生についての知識は豊富だったのだろうか?

 

私の元いた世界では、転生とか転移っていうのは、コンテンツの一つだった。

 

 

コンテンツとは何か?って?

 

 

うーん。

 

 

異世界相手だと説明が難しいねぇ。

 

 

コンテンツは『中身』っていう意味なんだけれど、それじゃわからないか。

 

 

いろんなお話しの『内容』と言えばわかるだろうか?

 

 

つまり、沢山ある物語の、一つの分類に、異世界からの転生とか転移について、よく語られていたんだよね。

 

 

 

え?実際に、異世界からの転生者とか転移者とかが居たのかって?

 

 

うーん。居たかもしれないし、居ないかもしれないし、それはわからないね。

 

 

物語はあくまで物語で、実際にあった出来事を書いたとは限らない。

 

一種のホラ話?ホラ話とわかった上で楽しむ娯楽?

 

そういうモノの中に異世界への転生とか、転移モノがあったんだな。

 

 

 

で、前の世界の私は、そういうホラ話しが大好物だったんだよね。

 

だから、自分が転生した事は、それほど違和感なく受け入れられた。

 

 

え?元はホラ話じゃないか?って。

 

 

うむ。

 

 

ホラ話しが現実にあったらって、よく妄想するじゃないか?

 

 

え?君はしないの?

 

 

まぁ、それじゃあ、転生とか転移でこの世界に来た時は、状況が理解出来ない事だらけで苦労したんじゃない?

 

私は、普段から、そういうホラ話に接しまくっていたから、転生したという状況はすぐ理解した。

 

 

 

でも、理解はしたが、すぐ世界に馴染めたのか?といえば、それは全然違う。

 

 

 

そもそも、私の元の世界のホラ話し…異世界転生、転移ものって、通常、中世ヨーロッパ風の世界に行くのだ。

 

 

中世ヨーロッパ風とは何かって?

 

南来(パテラー)人の故郷みたいな所だよ。

 

いや、現実に南来(パテラー)人らの故郷に転生していたら、まさに王道の異世界転生モノもだったのであろうなと思う。

 

 

 

だけど、私が目覚めたのは、ご存知のようにエーシャギークだ。

 

 

海に囲まれた島だ。

 

 

近くにはトクトウムとかウリィテムとか、島は結構あるけれど、そういったイヤィマから外れれば、どこまでも広がる海の中の諸島群の一つの島に過ぎない。

 

 

そればかりか、エーシャギークは随分と未発達の島だった。

 

 

前にも書いたけれど、そもそも家にトイレがないのだ。

 

 

私の元居た世界の、私が知る限りの昔でも、肥溜め式のトイレはあった。

 

農家のトイレは、家の中じゃないけれど、家の外には厠があった。

 

 

だって、農業やるのに、肥溜めって必須じゃない?

 

だったら家の敷地内にそれ用の施設ぐらい作るでしょ。

 

ところが、この島にはそれすら無かったんだよ。

 

衝撃的だよ。

 

 

 

てか、土間と床で分かれているような我がアークの家は、この島では進歩的な作りな部類で、島人の何割かは竪穴式住居か?って言うような所に住んでいた。

 

 

一応、家の囲いは、石を積んだだけとはいえ、しっかりあるのだけれども。

 

 

着るものだって、一枚布を簀巻きにして穴を開けて手を出し、帯で締めた、初期型着物って風なのがメインファッションらしいく、弥生時代ですか?ここは?って感じだった。

 

 

え?

 

 

弥生時代って何かって?

 

ごめん、もう説明が面倒だから、パスしていいかな?

 

 

 

ともかく、そんな所だったのは、異世界転生モノとしては、かなり外道な部類だ。

 

異世界に転生した事は理解出来たけれど、この世界設定は、ないんじゃないか?

 

どこかにリセットボタンが落ちてるんじゃないかと、随分探したよ。

 

だって、まだ龍に会う遥か以前だったから。

 

異世界転生の仕組みがわかっていなかったから。

 

 

 

あと、

 

 

「ステータス」

 

 

とか叫んでも、何のウィンドウも出て来ないんだぜ?

 

 

ガッカリだよ。実にガッカリだ。

 

 

男の子のロマンは早々に打ち砕かれた。

 

まぁ、転生してからは女の子だけれども。

 

 

 

でも、魔法使い的な人は居た。

 

 

救いだよ。

 

 

『祈女(ユータ)』って云うらしいけれど、祈る事で何か超人的な力を発生させるらしい方々が居るのだ。

 

 

名前の通り、女性限定らしいのだが。

 

 

そして、私は、なんとその祈女(ユータ)なのだった。

 

 

えらい。私。

 

すごい私。

 

 

4歳の祈女(ユータ)っていうのは、相当ハイレベルな存在らしかった。

 

 

だから、私は島の中では尊敬を集めていたらしい。

 

 

うーん…島中の尊敬かどうかはわからない。

 

あくまで、私が住む、ウォファム村の界隈の話しでは…らしいけれども。

 

 

 

で、祈る事で何か超人的な力を発生させられるかもしれない私は、それを思い出して早速試そうとしてみた。

 

 

だが、具体的にどうすれば良いのかがわからない。

 

 

クィンツの記憶を探っても、いまいちパッとしない。

 

 

せいぜい、何か、踊っていた覚えはあるのだけれど、それがどういう効果効能を生み出すのか不明なのだ。

 

 

 

おのれ、所詮は4歳の記憶である。

 

チェって感じだ。

 

 

 

クィンツの記憶が私に教えてくれた事は、自分が祈女(ユータ)であった事、祈れば何かあるという事だけなのだ。

 

 

何をどう祈るのか?

 

魔法使いみたいに、呪文を詠唱するのと違うのか?

 

 

う〜ん。う〜ん。と頭をひねって見たのだが、どうにも思い出せない。

 

 

 

というか、それ以前に、暮らして行くのに、もっと解決せねばならない事、気になる事が色々ありすぎたのだ。

 

 

トイレもそうなら、土間と床しかない家もそう。

 

 

ちなみにワンルームだ。家の中は部屋ごと分かれていない。

 

部屋ではなくて家屋で分かれている感じだ。

 

 

 

その上、まずもってご飯が美味しくない。

 

 

前の世界の私は、好き嫌いなく何でも食べられる大人だったが、この世界はそんなレベルではない。

 

 

一応、米みたいな穀物があるのは救いだが、それすら白米じゃない。

 

玄米と云うか、それ以前と云うか、ロクに脱穀してないような、辛うじてご飯というような物が出て来る。

 

 

小麦文化ではないらしいので、パン的なものは、ナン的なモノも含めて見当たらない。

 

 

ご飯と一緒に出てくるのは、何かのスープで、苦しょっぱい。

 

 

味噌味ではない。

 

海藻みたいなものが浮かんでいる。

 

 

それから、肉や魚も出てくるが、えぐい。

 

 

焼いてはあるのだが、表面が真っ黒で、煤けていて、中は火が通っていない感じだ。

 

味付けなんか、されているワケがない。

 

 

 

でもって、食べるに当たって、箸はない。

 

 

先を細くした感じの細長い棒、一本を握って食べる。

 

 

肉とか魚は、その棒で刺して切り裂き、手で摘んで食べる。

 

 

その後しょっぱいスープを飲む。

 

 

どうやら塩すら無いので、そのしょっぱいスープは調味料も兼ねているらしい。

 

 

 

量は、そこそこあるのだが、そもそも食欲がわかない。

 

 

食べるのが楽しくない。

 

 

修行のごときだ。

 

 

大人たちは、結構食べているのだけれども。

 

 

…まぁ、当たり前だろ。

 

 

それしか食べた事がないのなら、それ以上を知らない。

 

 

想像すらしない。

 

 

食事を改善しようという発想はないだろう。

 

 

 

「クィンツ?どーした?食べないと、体良くならないぞ」

 

 

と、食事の時、親父のハーティが言っていた。

 

 

一応心配してくれているらしい。

 

やっぱり赤鬼にしか見えないのだが。

 

 

「クィンツ様、まだ具合が悪いのですか?」

 

 

と、女中というか、雑役婦というか、メイドというか…この家で、そういう役割であるチュチュ姐(ネーネ)も心配そうに顔を覗き込んで来る。

 

 

ちなみにチュチュ姐(ネーネ)の顔は真っ黒である。

 

 

真っ黒といっても、アフリカンな感じではなくて、アジアンのすごく日焼けした感じなのではあるが。

 

 

その真っ黒の顔で、二つの目だけは丸く白く、クリクリっとしており、それぞれの真ん中に、これまた真っ黒な瞳が、私らしい影を反射して、印象的だった。

 

 

以外と鼻筋も通っており、肉厚の唇が、魅惑的な、南国風の美人さんである。

 

 

中身おじさんの私は、4歳の女児であるにも関わらずトキメクのであるが、彼女のお腹は大きく膨らんでいる。

 

 

もうすぐ産まれそうだよ。

 

 

 

チュチュ姐(ねーね)は19歳で、これでもウィーギィ爺の嫁だ。

 

だからお腹の子は、ウィーギィ爺の子だ。

 

子だよ。…うん。きっと。そうさ。

 

 

というか、ウィーギィ爺は、白髪のヒゲと眉と、ついでに頭だが、そんなに年寄りでも無かった。

 

 

ハッキリした年齢はわからないが40歳ぐらいだと言っていた。

 

 

40歳か…爺と呼ぶには若いが、嫁が19歳というのは…解せぬ。

 

 

まぁ、親父が与えたらしいのだが。

 

と、クィンツの記憶が教えてくれた。

 

 

 

話しを戻して、ともかくご飯が美味しくなくて、悲しくてしょうがない。

 

 

チュチュ姐(ネーネ)に心配そうに顔を覗かれても、それがちょっとトキメク美人さんでも、こればかりはどうにもならない。

 

 

「もういいよ」

 

 

と、食器を乗せた盆をチュチュの方に押す出す。

 

 

チュチュ姐(ネーネ)は悲しそうにその盆を下げた。

 

 

 

これがご飯問題だ。

 

次に、風呂問題だ。

 

 

トイレが家の外の木陰なんだから、家内に風呂なんてあるワケがない。

 

 

クィンツの記憶では、時々川に行って水浴びしていたようだが、それより小さい時は、水の入ったカメに入れられた記憶がある。

 

 

当然お湯ではない。

 

 

エーシャギークは暑い地方の島ではあるが、水に入る時はやっぱり冷たい。

 

 

カメの中の水にドボンとされた時、ドキンと心臓が跳ねた。

 

 

心臓発作になっていたらどうすんだ?と、カメに入れた親父に、心の中で、今更悪態を付いて見る。

 

 

それはともかく、今はどうすべきか?

 

 

川に行くのは『時々』だが、その『時々』の間がわからない。

 

 

なんか、ちょっと体が痒んだけれど、とかぶちぶち思う。

 

 

 

昼間、いきなり土砂降りになって、雨の跳ね返りで、思いっきり泥水を浴びたり、そうかと思うといきなり晴れ渡って、すごく蒸し暑くなって汗だくになったり、とか、やっぱり毎日でも風呂に入りたいと強く思った。

 

 

しかも、泥水や汗で濡れた体を、布とかで拭き取らないで、乾いた草の塊で拭くとか…いや、そもそも、余分な布が少なすぎるとか、なんて云うか、生活水準が原始的すぎてどうしようもない。

 

 

それが、この世界に来て、数日の経験であり印象だった。

 

 

だから、魔法使い見たいな、祈女(ユータ)なんだと云う事を思い出しても、その魔法の確認?祈りの実践なんてまるで出来なかった。

 

 

まったくもって、何でこんな世界に転生したのだろう?

 

 

元の世界に居た時の転生モノは大好物だったけれど、実際に転生したら、帰りたい、帰りたいと、毎日、毎時、毎分思っていた。

 

 

まぁ、よく思い出してみれば、転生モノでも、主人公以外の転生者は、結構ひどい目に遭うんだよね。

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海賊帝国の女神〜3話目「お目覚め」〜/米田

ところで、君は4歳の時の記憶なんて、しっかりあるだろうか?

 

私は前の世界の4歳の時の記憶なんぞ、ほぼほぼ覚えていない。

 

当たり前だろとすら思う。

 

だが、こっちでは違う。

 

4歳と言っても、精神的には立派な大人なのだから。

 

その上で、私は、その時のことをしっかりメモして残した。

 

紙なんてロクにない社会だったから、最初は木の板に。

 

その後、紙を入手したら、紙に書き写した。

 

メモは大事だ。

 

色々な発想が浮かんでも、忘れちゃったら実行出来ない。

 

ていうか、4歳で普通メモなんか残さないだろう。

 

さすが中身大人の私である。

 

でも、メモに頼らなくても、こちらの世界で目覚めた時の記憶はしっかりある…。

 

 

 

私は寝ていて…波の音がして…目を覚ました時、目の前に顔があったのだ。

 

10歳前後の男の子の顔だ。

 

 

いや、もう少し大きいか?

 

 

大人になる途中感がアリアリの感じの顔だった。

 

髪の毛を後ろにまとめているのか、随分おでこが広い顔だと、いきなり思った。

 

眉毛は太く、目も大きかった。

 

瞳もでかく、まるでアニメのキャラみたいな顔だ。

 

 

ああ、君にアニメとか言ってもわからないか?

 

アニメっていうのは、私の元いた世界の創作物で、デフォルメした人物などの絵を複数描いて物語を紡ぐ感じの奴だ。

 

うーん。

 

 

きっとこの説明では君はトンチンカンな誤解をするかもしれないが…。

 

まぁこっちの世界にないからどうでもいいか?

 

 

 

言いたいのは目も瞳もやたらデカイ子だったという事だ。

 

 

鼻は子供らしくちょこんとしているけれど、やや横に広がっている感じ。

 

唇は厚かった。

 

見えたのはそんな感じだ。顔から下の体とかはよくわからない。

 

ともかく、間近でギョロリと二つの目玉がこっちを見ていた。

 

私は目をパチクリしたと思う。

 

 

これがムサイ男だったらゾワワとしたかもしれないが、所詮子供の顔である。

 

間近でもどうって事はない。

 

こっちもじぃっと相手の目を見ると、相手の目が歪んだ。

 

あわわわ。って感じになって、さっと身を翻して去った。

 

目で追うと、初めてその子がボロ布のような上着を身にまとっているのがわかる。

 

 

「う、うーふぬ、うーふぬ!起きた!起きたぁあ!」

 

 

ちょっと正確じゃないかもしれないけれど、彼はそんな声を上げて戸口から出ていった。

 

私は寝たまま、目玉を動かして、周囲を見た。

 

 

天井。と言うか、大きな梁。その上に、大きな草が何枚も重ねられていたような感じ。

 

あれはそのまま屋根なのだろうか?

 

壁は木製なのか、土壁なのかよくわからなかった。

 

右手に窓があるが、そんなに大きくない。

 

波の音は、そこから聞こえているようだった。

 

 

男の子が出ていった方は土間で、その向こうに、四角い出入り口らしいものがある。

 

土間を見回すと大きなカメがいくつか並んでいる。

 

戸は空いているらしく、明るくて、部屋の中とは対照的なコントラストだった。

 

 

少し起き上がると、自分が寝ているのが、ゴザを何枚か重ねた感じのものだとわかる。

 

みすぼらしい薄布がかけられていた。

 

が、それ以前に、自分の手が、ひどく小さくて白い事に驚いた。

 

 

幼児の手だ。

 

 

手をじぃっと見つめた後、頬に触ってみた。

 

 

柔らかい!

 

 

耳がカサカサする。

 

髪の毛が掛かっていたのだ。

 

頬に触っていた手を耳に回す。

 

 

てか、髪の毛ナガ!

 

 

なんじゃこらぁ?

 

 

と、まぁ、普通に驚いていると、戸口側からドタバタした感じが伝わってきて、男が飛び込んで来た。

 

デカイ。ひどくデカイ。縦にも横にもデカイ。

 

まさに四角。

 

見上げるような巨人に見えた。

 

 

てか、自分が小さ過ぎたのだ。

 

 

男の顔はヒゲモジャで、ホリが深く、やっぱり目がデカかった。

 

その上、目玉の色は緑で、髪の毛もヒゲも、赤い。

 

上着はさっきの子よりはマシな感じだが、袖はなく、太っとい二の腕が伸びていた。

 

 

見た感じで、筋肉が盛り上がっているのがわかる。

 

もちろん前腕も太ければ、手も大きかった。

 

その上、びっしり赤い縮れ毛で覆われている。

 

 

鬼だ!

 

 

と思った。

 

 

鬼っていうのは、私の元いた世界の伝承の生き物?だ。

 

そうだな。

 

こっちの世界の、オークっていうか、オーガっていうか。そんな感じ。

 

え?オークもオーガもわからない?

 

だったら南来(パテラー)人にでも聞いてくれ。

 

 

ともかく、ビビった。赤鬼だ。

 

 

鬼がらんらんと目を見開いてこっちを見ている。

 

口の端は上がって、笑っているんだろうが、めちゃくちゃデカイ。

 

取って食われるんじゃないか?とすぐ思った。

 

 

「クィンツ!」

 

 

鬼は叫んだ。

 

私は意識を失った…。

 

 

 

もう、わかるだろうが、これがアーク・ハーティだ。

 

つまり、私の父親って事だ。

 

 

なんとこの時24歳だったらしい。

 

 

嘘だろと思う。

 

私は意識を失ったが、激しく揺さぶられているのはわかった。

 

だが、それすらも意識の外となって、…それからハッと目覚めた。

 

 

今度は、白ヒゲの爺さんが見つめていた。

 

眉毛も白いのだが、それを寄せて、深いシワが眉間に寄っていた。

 

害意は感じられなかった。

 

 

「クィンツ様、大丈夫ですか?」

 

 

と爺さんは言った。

 

 

突然、爺さんの名前が頭に浮かんだ。

 

きっとクィンツの記憶だったのだろう。

 

 

クィンツの魂ってどこに行ったのかな?

 

私の魂が入って、クィンツの魂が抜けたのか?

 

それとも、私が前の世界の記憶を思い出しただけで、もともとクィンツだったのか?

 

まぁ、そんな事はどうでもいいか。

 

 

ともかく、クィンツの記憶から、その爺さん事を思い出した。

 

 

「ウィーギィ…」

 

 

きっと私は微笑んだのだと思う。

 

ウィーギィ爺さんはニッコリした。

 

 

「お水を飲みますか?」

 

「うん」

 

 

私が頷くと、爺さんは私の背中をささえて起きあげ、椀に注いだ水をくれた。

 

 

そうやって、どんどんクィンツの記憶が蘇って来た。

 

一方で私自身の記憶もあり、その二つが自然に混合して、これは夢じゃなくて、転生って奴だなと察した。

 

でも、まだ少し混乱していて、頭の中が完全に落ち着いたのは、何度か寝て起きた後だ。

 

 

ついでに、自分が女だとハッキリ悟ったのは、トイレの時だ。

 

ちなみに、この時、家には便所がなくて、木の陰で用を済ませたのだが、かなり衝撃的だった。

 

拭くモノも枯れ草だったし。

 

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さてさてさーて!!/りょう

来週の草加城はっ!!

なんと2夜連チャンの

ハロウィンパーティー

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海賊帝国の女神〜2話目「転生の事」〜/米田

そもそも、転生とか転移は、何故起こるのか?

 

 

そんな疑問を君は覚えた事はないかな?

 

まぁ、その疑問がどう解決しようが、現実に転生とか転移しちゃったんだから、どうでもいい。って思うかもしれない。

 

私もぶっちゃけ、あまりどうでもいいって感じだ。

 

なっちゃったものは、仕方がないじゃないか?

 

でも、一応、少しは疑問に思った。

 

だから、以前、龍に聞いた事がある。

 

 

龍だ。

 

 

君の元いた世界ではどうなのか知らないが、私の元いた世界では、伝説上の生き物だ。

 

だが、この世界では、普通に居た。

 

いや、普通と言っても、あちこち、どこにでも居るような存在ではない。

 

一応、その存在は相当珍しいらしい。

 

 

でも、私は会ったのだ。

 

 

それがまた、私が女神と呼ばれる所以でもあるんだけれど。

 

 

ちなみに龍がいたのは、このエーシャギークを含むイヤィマの島々を超えた西にある、クォタの大島の山中だ。

 

 

もともと噂があった場所なのだが、本当に出会った時は、さすがにブルッた。

 

だって、全長は軽く10メートルは超えて居そうな、超巨大個体なんだもん。

 

イメージは元の世界で、私が生きて居た文化社会の伝統的な奴に近い。

 

 

いわば大蛇型だ。

 

 

そう、あれだ、ボールを8個集めると、女子の下着を出してくれる感じの奴だ。

 

ん?

 

8個じゃなくて、7個だっけ?

 

元の世界の事だから、ちょっと記憶が曖昧だ。

 

 

あ?

 

君に言ってもわからないか?

 

君は私と同じ世界から来たとは限らないからな。

 

ていうか、その可能性はほぼほぼ無かったんだった。

 

まぁ、ならば気にしないでくれ。

 

 

ちなみに、その後知ったのだが、龍の形は、実は私の持つイメージに由来するらしい。

 

 

で、龍に出会って、ビビっていると、意外にも紳士的な対応をされ、普通に会話する事となった。

 

ので、それに乗じたというか、なんと言うか、色々な話題の一つとして聞いて見た。

 

聞いて見たというか、そもそも、龍側が言い出したのだ。

 

 

「お前は…転生者だな」

 

 

って。

 

隠しても仕方がないので、

 

 

「はい。」

 

 

と答えた。

 

 

てか、「転生者」という言葉をこの世界で最初に言ったのは、この龍だった。

 

私は自分の中では自覚はあるけれど、他の者が「転生者」とか「転移者」だとか言っているのを聞いた事はない。

 

あ、ムィン国から来た僧侶が、そういえば、生まれ変わりを説いていたけれど、それは世界をまたぐものではなく、つまりは、「輪廻転生」の事だった。

 

だから、何やら、そのあたり、少しは知って居そうな龍に訪ねたのだ。

 

 

「転生って、なんで起こるんですか?」

 

 

って。

 

その時の龍の説明をかいつまんで言うと、ビッグバンが関係するんだそうだ。

 

 

ビッグバンだ。

 

 

龍は直に「ビッグバン」と言ったのではないが、私が元居た世界の言葉に直すなら、つまりは「ビッグバン」と言う事になる。

 

 

ビッグバンっていうのは、宇宙の始まりの事だ。

 

その時、宇宙の理(ことわり)が生じる。

 

どういう理(ことわり)が生じるかは、千差万別なんだそうだ。

 

 

私が元居た世界の科学とか、法則というのは、私が元いた世界のビッグバンによって成立したものだそうだ。

 

この世界の科学、法則は、この世界のビッグバンによって成り立っている。

 

龍がこの世界に居るのは、この世界の理(ことわり)に寄るらしい。

 

宇宙の外では、常々ビッグバンが起こっては消え、あるいは残るらしい。

 

まるで泡が現れ弾けるような。

 

 

う~ん。それともちょっと違うような。

 

 

ともかく無数、無限のビッグバンが泡のように弾け、無数、無限の宇宙が生じているんだそうだ。

 

その時、発生する揺らぎ?とかなんとか?よくわからないが、それによって、掬い取られた存在。

 

それが転生者であり、転移者なんだそうだ。

 

 

記憶というか意識が掬い取られて、違う世界の肉体に統合されるのが転生者。

 

肉体丸ごと掬い取られて、違う世界に登場するのが、転移者だ。

 

 

なんか前の世界でよく読んだ、異世界から魔法で召喚されました。

 

的な話しじゃないんですか?

 

というような事を聞いた所、そういう場合もあるかもしれないと龍は教えてくれた。

 

 

つまり、魔法とか神力とか、そういう理(ことわり)が発生する宇宙では、そういう意思を伴う力を通して転生者とか転移者を召喚するような事もあるだろう。

 

と言う事だった。

 

 

残念ながら、この世界の理(ことわり)は、そうではないらしい。

 

私は女神とか呼ばれているが、超常的な力がバンバン使えるわけじゃない。

 

 

うん。

 

 

バンバンは使えないけれど、そこそこは使えるが。

 

 

まぁ、それは、またそのうち語るとして、私がこの世界に転生したのは、誰かの意思とか、思念が関係するものではなく、純粋にビッグバンが生じた際のゆらぎ的な力の影響らしい。

 

 

この世界には、別の世界から誰かを召喚出来るほど強力な理(ことわり)はないそうだ。

 

 

ふぅ~んって感じだ。

 

 

私は魂というか記憶がそのままこの世界に飛んで来た訳だが、元の世界の私がどうなっているのか?

 

死んだのか何なのか?

 

それはわからないらしい。

 

 

パソコンで云うところのコピペみたいな感じだったら、元の世界の私は、普通に元の世界で暮らしているらしい。

 

カットアンドペーストだったら、向こうの私の意識はすっ飛び、つまり、死んだか、植物人間状態で、私の意識はあっちでもこっちでも、唯一無二の存在だという事になる。

 

 

ただ、宇宙が無限のビックバンによって生じるなら、私と同じような存在が、どこかで生じているかもしれない。

 

同じ宇宙内でもどこかの銀河のどこかの恒星系に存在するのかもしれない。

 

まぁ、考えてもせんない事だけれど、そういうどうでも良い事を考えるのは嫌いじゃないので、少し考え込んだ事がある。

 

 

そもそも元の世界では男である自分を、自分と認識して、『我思う故に我在り』としていたわけなのだが、今や、私は女である自分を自分と認識して、『我思う故に我在り』としているのだ。

 

珍妙な感じである。

 

 

だが、私の精神は純然たる成人の男であり…成人というか、壮人というか…どうやら転生した肉体の性質にほぼほぼ影響されないようで、男が近づくとゾワっとする。

 

一方で、女が近づくと、ぬほほほぉとなる。

 

転生した意識が目覚めたばかりの頃、つまり4歳の女児だった直後から、それはまったく変わらない。

 

だって中身はおっさんなんだから。

 

 

おっさんの精神なのだから。

 

 

だが、ぬほほほぉとなった所で、どう出来るものでもない。

 

肉体的には、それ以上、高まる事はないのだ。

 

ぬほほほぉでお終い。

 

 

一方で、男が近づく時のゾワは半端ない。

 

 

最初に父親のアーク・ハーティに抱き上げられた時は、身体中に鳥肌が生じ、マジで硬直してしまった。

 

 

それがいくら父親だと言われても、私の中では、単なるムサイおっさんに過ぎない。

 

 

というか、アーク・ハーティは、ウーマの島々でも、あるいは、ティオクや、イェームトと比べても、かなりのガタイで、体毛も濃かった。

 

 

後で知ったのだが、南来(パテラー)人とのハーフらしい。

 

ちなみに母親も南来(パテラー)人の血が入っているそうだ。

 

 

いや、むぅ…。

 

 

そのあたりちょっと色々複雑の事情があるのだが…。

 

 

私が輝くような金の髪でかつ、透き通るような肌なのは、この両親の血統による。

 

残念ながら、私の肉体は、むしろ、この島の住民らとは人種的に隔絶していると言って良い。

 

まぁ、だから女神扱いになるというかなんというか。

 

 

う~ん?

 

 

話しがかなり脱線してしまったけれど、転生とか転移について龍から聞いた情報は、そんな所だ。

 

 

それが本当かどうか?私は科学者でもなんでもないのだから、分かりようがない。

 

 

正直、元の世界に戻りたいと思う事は度々あったが…いや、度々どころではなくあったのだが、元の世界に戻る事を妄想するより、現実に対応し、現実を改善した方が建設的な気がしたので、そちらを選んだ。

 

そのあたりは私個人の性質なのか、男だったからなのか?

 

 

これもわからない。

 

 

でも、女になって最も幸いに思った事は、男のような劣情に苦しむ事がなくなった事だ。

 

あ、いや4歳だったら、男でも関係ないけれどね。

 

でも、その後の人生に影響したと思う。

 

 

一方で、他人の恋愛話しには、奇妙に好奇心が高まるようになった。

 

前の世界では、あまり興味なかったのに。

 

 

解せぬ。

 

 

私は本当に私なのか?

 

などと哲学的になるのは、そんな時だ。

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海賊帝国の女神〜1話目「自己紹介」〜/米田

まずは、自己紹介。

 

 

私の名前はアーク・クィンツ。

 

この国の女王だ。

 

 

女神と呼ぶ者もいる。

 

というか、女神と呼ぶのを容認している。

 

 

別に自意識過剰っていうつもりはない。

 

ただ、そう呼ばせた方が、私にとって甚だ都合がいいから黙認しているだけだ。

 

 

黙認?うむ。もっと積極的な感じがするが…。

 

そこは、それ、大人の事情ってやつだ。

 

 

あ、いや、詳しい事情は、追い追い書こう。

 

 

なぜ、私が女王となったか?

 

なぜ、私が女神と呼ばれるようになったのか?

 

実は、そろそろ、それを、私自身によって書き残さないといけないかな?と思って、ここに記すのだ。

 

 

これは、今の私の民に読ませるつもりのものではなく、いく世代を経た将来の、私と似たような経験をするかもしれない、ちょっと残念なヤツの、ちょっとした好奇心を満たしたり、あるいは、この世界で生きていくヒントになれば良いなぁ。

 

ぐらいの目的で残すものだ。

 

 

でも、女神と呼ばれる私の遺物なのであるから、少しは有難がって読んでくれても構わないぞ。

 

女神の記録なんだから、それはそれ、その方面では聖典に類するものになるだろう。

 

 

あ、だから、今、君がどういう文体でこれを読んでいるかわからないが、もしも私に信仰がある者なら、きっと神々しく、重々しい文語体で読めるだろう。

 

その場合は、私の事を、大いに崇め敬えば良い。

 

むふふふである。

 

 

だが、私の事なぞ、なんとも思ってないなら、きっと砕けた口語体で読めるはずだ。

 

それはそれ…私は別に構わないが…周囲には、少しは私の事を、敬ったフリをしてくれると…私はちょっとだけむふふである。

 

 

まぁ、無理は言わないが、少しぐらいなら、構わないであろう?

 

 

え?

 

ダメ?

 

ダメなの?

 

 

…うむ。

 

 

でも、私も女王とか、女神とか言われる立場だから、それぐらいで、拗ねたりいじけたりなどしない。

 

 

そう。

 

私は寛大なのだ。

 

 

私の寛大さは海よりも広く、空よりも青く、雲よりも白いのだ。

 

 

まさに、この、エーシャギークの王城から見る、清々しい眺めのように。

 

というか、眺めそのものだと言っても良い。

 

 

ああ、今日も、照りつける太陽が、キラキラと、眩しいではないか?

 

 

あぁっと…。

 

脱線してしまった。

 

 

うむ。

 

 

だから、そう。

 

 

君が私の事をまったく敬えなくても、讃えられなくても、崇められなくても!

 

そのまま…この、私の記録を読み進めてもらって構わない。

 

 

うむ。

 

 

それはそれで、実にまた、結構この上ない事だ。

 

どーせ君は私と同じ、ちょっと残念なヤツに違いないのだからな。

 

 

うぷ。

 

 

どうだろう?

 

この私の態度に、少しは、感銘したのではないか?

 

 

え?

 

 

うざいって?

 

 

あ、いや…。

 

まさか、そんな事は思わないだろ?

 

 

もし君が、本気でそんな風に思ったとしたら、私はヘコむぞ。

 

 

いいのか?

 

 

女王にして女神の私がヘコんでも。

 

 

いいのか?

 

 

いや、いかんだろ?

 

 

そう、絶対いかんとか、思わないか?

 

 

…ああ?

 

 

思わない?

 

 

そう…。

 

 

…そう…だろうね。

 

 

そうさ、君はそういうヤツだろう。

 

所詮、この世界に飛ばされるヤツなんて、そういうヤツに違いない。

 

 

結構結構。

 

私は気にしない。

 

 

むしろ同情せねばならない存在なのだろうからな。

 

君は。

 

 

うむ。

 

 

そうなのだ。

 

 

話しを戻すと、ご多聞にもれず、私は君と同輩だ。

 

 

あ、いや、先輩というべきか?

 

 

つまり、私も君と同じ転生者だ。

 

 

君がどういう世界からここに来たのかは、問わない。

 

 

私と同じ世界から来る可能性は、限りなく低い事は承知しているからだ。

 

 

だが、私の、この、物語を読み進めるにあたり、事前の知識として、私が、もともといた世界ではどういう存在だったのか?

 

それを、極めて簡単かつ簡潔に説明しておこう。

 

 

先にも述べたように、この世界での私はアーク・クインツ。

 

女王にして女神と称される存在だ。

 

 

君がこれを読んでいる時点で、私の国が残っているかどうかはわからないが、とりあえず、こっちでの性別では女という事になる。

 

 

だが、この世界に来る前、私は男だった。

 

 

あ、君が元いた世界に性別があったのかどうか知らないが、私の元いた世界には、性別があったのだ。

 

 

その上、私は、そこそこ年齢を経ていた。

 

 

つまり、元の世界では、それなりに生きて、それなりにくたびれた…男。

 

それが私だ。

 

 

だが、こちらの世界で、私が目覚めた時、私は、フレッシュフルーティな4歳だった。

 

 

その上、女である。

 

 

さらに言えば、まごう事なく美幼女だった。

 

 

もちろん、目覚めた当初は自覚などなかったが、アーク・ハーティ…。

 

つまり、私の父親が持ってきた鏡を見た時は衝撃的だった。

 

 

鏡の中には、輝くような金の髪と、透き通るような肌をした、天使のような幼な子が、そこに居たからだ。

 

 

それが自分だと理解するのに、数秒掛かったぐらいだ。

 

 

いや、この世界の者たちが、私を見る時の輝く瞳の理由が、よくわかった瞬間だと言っても良い。

 

 

うむ。

 

 

…君は私の容姿について疑うのか?

 

 

ちょっと大げさすぎると思うのか?

 

 

いや、それは実にそうではない。

 

 

自分で言うのもなんなのだが、本当に天使がそこに居たのだ。

 

 

そう、私が後に女神と呼ばれる理由の一端は、そこにある。

 

つまり、私の容姿にあるのだ。

 

 

同時に、私が、人生を必死に生きた理由もそこにある。

 

 

と、言うのは、要するに…可愛すぎるからだ。

 

 

人間、特に男というのは、可愛い女に目がないだろ?

 

 

私は、もともとが男だったから、男のそういう劣情はよく理解出来るのだ。

 

 

だから、私は鏡を見てすぐ察した。

 

 

これは、ヤッヴァいと。

 

 

まだ4歳にして、この容姿。

 

しかも、私は貧弱と来た。

 

 

貧弱、ヒンジャク、ひぃんじゃくぅぅぅぅぅうううう!

 

 

そもそも、無理があるのだ。

 

私の透き通るような肌は。

 

 

とてもじゃないが、エーシャギーク…いや、このウーマの島々を照らす日光の中、やっていけるものではない。

 

 

君がどこの世界の、どこから来たのか?

 

あるいは、こっちの世界のどこに暮らしているかは知らないが、日光を舐めては行けない。

 

 

日光は毒だ。

 

 

刺々しい光の針だ。いや、槍だ。

 

 

透き通るような白い肌には、その槍どもへの耐性がないのだ。

 

 

少しでも長い時間、外で日光を浴びてしまうと「あら、いやん」と、倒れてしまうぐらいなのだ。

 

 

別に吸血鬼属性があるわけではない。

 

 

いや、これだけ日光にリスクがあるなら、それぐらいのメリットがあっても良いのだが、残念な事に、私は、それに恵まれなかった。

 

 

まったく、とほほの話しである。

 

 

だが、私が貧弱なのは、きっと肌だけの問題じゃない。

 

 

と、いうのは、私の母親にも問題があるからだ。

 

 

いやいや、むしろ父親が問題なのか?

 

 

詳しい説明は後にするが、要するに私の両親には問題があって、その結果、私は貧弱なのだ。

 

 

貧弱の美幼女。

 

 

貧乳の美少女ではないぞ?

 

 

まだ幼女なのだから、ツルツルペッタンコなのは当たり前ではないか?

 

 

だが、貧弱の美幼女。

 

 

それだけで、私を取り巻く環境は危険の塊だ。

 

 

何より私は、私の両親について詳しく知った事で、父親にすら危険を覚えた。

 

 

この危険をどう回避するのか?

 

 

それが私に与えられた最初の課題だった。

 

 

だが、いくら前世の記憶があるとは言え、所詮4歳の身。

 

すぐにどうこうなるわけがない。

 

 

とりあえず私は、何が私に出来るのか?

 

どうすれば正解の行動なのか?

 

それを知るために、じっくり周囲を観察する事から始めた。

 

 

てか、他に出来る事が思い浮かばなかったのだ。

 

おそらくこれを読んでいる君もそうなのではないか?

 

他の世界から転生してきても、いきなり行動出来る事なんてない。

 

 

まぁ、転生ではなく、転移者だったら違うかもしれないが。

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特別な日/めぐか

水曜日!

本当に、皆さんにありがとうしか言える言葉のない日となりました!

 

女の子、爺や、御屋形様。

皆さんに支えられてあの日がありました。というか、いつもがあります!笑

 

それをすごく実感した日となりました。

 

1つ歳のとった徳川めぐかをまた、次の1年もよろしくお願い致します。

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愛が生まれた日/のん

金曜なのに天気が素晴らしく悪い(;_;)

なんて日だ!!!笑

 

 

水曜日のお話し。

徳川めぐか生誕祭にご帰城いただきました、お屋形様。

本当にありがとうございました。

彼女はここからまた一歩成長することでしょう!!!!

 

さてさてさーて、本日のお話し。

 

寒いけど寒いからこそ

地下に潜り込む私。

雨を降らせたのはきっと私かな?笑

 

怒らないで~笑

 

金曜かあ!!!!

何して遊ぼう、何が出来るかなー!!!

遊びたい盛り(^^)

 

あるこーあるこー私は元気~(^^)

 

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おにーさーん/めぐか

どの意味と取るかはお任せします!

 

今日のおにーさんになった私を是非見に来てください。

 

 

あっという間の1年でした。

昨日、22歳の誕生祭やったのでは?気のせい?笑

 

少しでも成長出来ているんでしょうか。

まだまだ未熟者なめぐかです。

 

不安すぎて、文ぐっちゃぐちゃ笑

 

 

 

とにかく。

お待ちしてます笑

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もっとちゃんと僕をみててよ/のん

 

10/23(水)徳川めぐか誕生祭

 

 

徳川 めぐか生誕祭。

おにいさんになるらしいけど

私の脳内はピンクだから

おにいさんになるって事は…

うん、たぶん、そーゆー事だとしか思えないくらい脳内ピンク!!!笑

 

 

今日という日はお前に残された人生で一番若い日!!!

神風になれよ。

 

そして、もっとちゃんとめぐかを見ることにするよ!わたしは(^^)

 

多くの方々に見届けてもらえますように!!

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